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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 目先的にはオプション権利行使価格2万7000円~2万7500円のレンジ推移を想定


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 27150 +250 (+0.92%)
TOPIX先物 1896.5 +11.0 (+0.58%)
シカゴ日経平均先物 27110 +210
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 21日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。米長期金利が一時4.33%と2007年以来の高水準をつけるなか、NYダウは朝方に127ドルほど下落する場面が見られた。その後、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)が「米連邦準備理事会(FRB)は次回11月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、その次の12月会合での利上げ幅縮小について討議を行うことになる」と報じた。FRBが年内に利上げペースを緩めるといった見方が浮上するなか、買い戻しが強まり上昇に転じた。さらに、サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁の「利上げペースを緩める時期に近づいた」との発言が伝わると上げ幅を広げた。S&P業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、素材、銀行、資本財が3%を超える上昇となった一方で、電気通信サービスのみが下落した。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比210円高の2万7110円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比20円高の2万6920円で始まり、その後軟化し、一時2万6790円まで売られる場面もあった。ただし、同水準に位置する25日移動平均線が支持線として機能する格好で持ち直して上昇に転じると、米国市場の取引開始直後には一時2万7110円まで買われた。買い一巡後には2万6840円まで売られたものの、終盤にかけて再びリバウンド基調を強め、2万7150円とナイトセッションの高値で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開が見込まれる。また、為替市場では政府・日銀が市場介入に踏み切ったとみられ、一気に1ドル=152円台から140円台半ばまで円高・ドル安が進む場面があった。足元で急激な円安の動きも警戒されていたこともあり、為替市場が落ち着きを見せてくるようであれば、安心感につながりそうだ。

 米国では12月のFOMCで0.75%の利上げが見込まれていたなか、WSJの報道によってリバランスの動きが強まった。VIX指数は29.69に低下し、支持線として機能していた25日線を明確に下放れてきた。リスク選好に向かわせやすくなるなか、インデックス主導で指数インパクトの大きい値がさ株が指数をけん引する格好になりそうだ。今週は米国では大型テック株の決算を控えていることから、積極的にはロングに傾けづらい需給状況ではあるものの、ヘッジを考慮したNTロングでのスプレッド狙いの動きが入りやすいだろう。

 日経225先物は25日線を支持線とした切り返しにより、75日線が位置する2万7320円辺りを試す値動きが意識されやすく、大型テック株の決算次第では、同抵抗線突破のきっかけとなる可能性が期待される。75日線をクリアしてくると、10月6日につけた戻り高値2万7400円が射程に入る。目先的にはショートを仕掛けづらくさせるため、オプション権利行使価格の2万7000円~2万7500円のレンジでの推移を想定しておきたい。

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