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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 米雇用統計待ちでレンジ推移ながら、2万7000円割れでは押し目狙いのロングスタンスに


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 27070 -10 (-0.03%)
TOPIX先物 1911.0 -0.5 (-0.02%)
シカゴ日経平均先物 27020 -60
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 5日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。9月のADP全米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比20万8000人増とほぼ市場予想通りの結果だったが、9月のISM非製造業指数が56.7と予想(56.0程度)を上回った。これを受けて米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が後退し、長期金利が上昇したことで利益確定の売りが優勢となった。ただし、NYダウは一時400ドルを超える下落場面があったものの、3万ドル割れの水準では値頃感からの買いも入り、下げ幅を縮めた。また、9月の米雇用統計の発表を7日に控えていることもあり、積極的な売買は手控えられていた。S&P500業種別指数は耐久消費財・アパレル、半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービスが上昇する一方で、自動車・同部品、公益事業、不動産が下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は日中大阪比60円安の2万7020円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中比30円安の2万7050円で始まり、グローベックスの米株先物の弱い値動きを受けて、2万6920円~2万7000円辺りでのこう着が続いた。米国市場の取引開始後に2万6840円まで売られる場面も見られたが、次第にリバウンドの動きが強まりプラスに転じると、一時2万7170円まで上げ幅を広げた。終盤にかけては再び利食いが入り2万7000円まで調整したものの、同水準での底堅さが見られるなか、2万7070円と日中比ほぼ変わらずの水準でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、2万7000円を挟んだこう着感の強い相場展開になりそうだ。日米ともに直近の急ピッチのリバウンドに対する利益確定の売りが出やすい水準であり、想定内の一服といったところだろう。NYダウでは3万ドル割れ水準での押し目買い意欲がうかがえるほか、半導体SOX指数が小幅ながら上昇していることは安心感につながりそうだ。また、サンフランシスコ連銀総裁が「市場は適切に機能しており、FRBは断固として利上げを継続する」との見解を示したと伝わったが、大きく売られる流れにはならなかった。

 とはいえ、9月のISM非製造業指数が予想を上回ったことで弱含む場面も見られたことから、市場は米雇用統計待ちといった様子見ムードを強めやすいだろう。そのため、2万7000円を中心としたオプション権利行使価格の2万6750円~2万7250円辺りのレンジが想定され、レンジ上限水準に位置する25日、75日移動平均線の突破を試す動きは、雇用統計の発表以降になりそうだ。

 なお、VIX指数は28.55に低下した。支持線として機能している25日線を上回っているものの、連日で30.00を下回ってきたため、売り方にとってはショートポジションを圧縮する動きに向かわせやすいと見られる。日経225先物はレンジ推移ながら、2万7000円を下回る局面では、押し目待ちのロングのが入りやすいだろう。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で14.16倍に上昇した。3日に14.05倍まで低下した後はNTショートのリバランスが入っているようだ。テクニカル面では、下向きで推移しているボリンジャーバンドの-1σと-2σに挟まれた形状であり、いったんは-1σ突破から25日、75日線が位置する14.26倍辺りを想定したNTロングの動きに向かいやすいと考えられる。

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