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【特集】桂畑誠治氏【日経平均は下げ一服局面へ、戻り足は続くか】(1) <相場観特集>

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

―インフレ警戒ムード高まる世界株市場と今後の展望―

 週明け3日の東京株式市場は日経平均株価が反発に転じ、2万6000円台を回復した。前週末の欧州株市場は全面高だったものの、米国株市場では後場に崩れ、NYダウは結局ほぼ安値引けで500ドル強の下げとなった。引き続きリスク回避ムードの強い米株市場を横目に東京市場も不安定な値動きを強いられそうだ。下期相場入りで相場の流れは変わるのか否か。第一線で活躍する市場関係者2人に10月相場の見通しと物色の方向性などを聞いた。

●「リバウンド局面も持続性に疑問符」

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

 週明けの東京市場は足もと空売り筋の買い戻しが寄与する形で、日経平均が朝安後にプラス圏に切り返す格好となった。ただ、環境的には今後も厳しい相場展開を強いられそうだ。FRBやECBなど各国中央銀行の利上げ幅が上方シフトしており、株式市場にとって上値を重くする要因となる。

 今週末には9月の米雇用統計が発表されるが、非農業部門の雇用者数の増加以上に失業率が注目されやすい。現在の米国では労働力不足を背景とした賃金の上昇圧力がインフレの元凶となっている。その観点では失業率の緩やかな上昇は株式市場にポジティブ材料となる。9月の失業率は3.7%がコンセンサスだが、これよりも低い数値となった場合、株式市場にとっては売りを誘導する要因ともなり得る。また、来週13日の9月の米CPIの結果に対するマーケットの注目度も高い。コア指数は8月は前年比6.3%増だったが、9月は同6.5%増が予想されており、こちらは予想値から上振れする可能性もある。いずれにせよ、FRBのタカ派姿勢に変化は出にくいとみている。

 向こう1ヵ月でみた日経平均のレンジはやや切り下がり、下値は3月につけた年初来安値2万4700円どころを視野に入れる可能がある。一方、上値についてはショートカバーでリバウンド局面に移行したとしても長続きはせず、200日移動平均線の位置する2万7300円台がメドとなろう。ただし、今後発表される経済指標などがインフレの沈静化を示す内容となり、FRBやECBの引き締め圧力が今後緩むような方向性が見えてきた場合は、欧米株を横目に2万8000円台まで上値の伸びしろはあるとみている。

 東京市場で投資対象として相対的に優位性があるのはやはり内需系の銘柄で、インバウンド需要が見込める旅行関連銘柄が強さを発揮しやすいのではないか。ホテルや旅行プランを取り扱う会社は収益面で追い風が意識されやすいとみている。日本は物価が安く、外国為替市場で円安が進んでいることも外国人観光客にとっては魅力となる。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)
第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

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