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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 ショートが入りやすい需給状況のなか、ボリンジャーバンド-1σ水準での攻防に


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27920 -280 (-0.99%)
TOPIX先物 1951.5 -15.5 (-0.78%)
シカゴ日経平均先物 27925 -275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 30日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めが長期化するとの観測が強まるなか、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が来年に利下げが実施される可能性は低いとの見解を示した。9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅についての見解はなかったものの、FRB高官による一段の利上げを支持する発言が相次ぐなか、高い金利が長期間続くとの警戒感が高まった。

 8月の米消費者信頼感指数が市場予想を上回る伸びとなったほか、7月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が予想を上回ったことも、インフレ高止まりにつながるとの見方を強めた。また、台湾では中国からドローンが相次ぎ飛来し、金門島周辺に飛来したドローンに対し台湾陸軍が実弾を発射したと報じられており、地政学リスクに対する警戒感も売りにつながったようだ。S&P500業種別指数はすべてのセクターが下落し、エネルギー、自動車・同部品、運輸、素材、半導体・同製造装置の弱さが目立った。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比275円安の2万7925円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比50円高の2万8250円で始まり、2万8340円まで買われた。ただし、その後は軟化し米国市場の取引開始後に下落に転じると、一気に2万8000円を割り込んだ。取引中盤にかけてさらに下落幅を広げて一時2万7850円まで売られ、終盤にかけて持ち直す動きもあったものの2万8000円には届かず、2万7920円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになろう。ナイトセッションで一時2万8340円まで買われたが、結局は5日、25日移動平均線に上値を抑えられる格好で前日の反発分を帳消しにしている。NYダウは調整一巡感からの反発が期待された75日線を明確に割り込んだほか、S&P500はほぼ1カ月ぶりに4000を割り込んでいる。ナスダックも75日線水準までの調整となるなか、押し目狙いのロングは入りづらいだろう。

 また、VIX指数は26.21と前日比変わらずだった。ただし、75日線を支持線とした値動きであり、引き続き6月半ばにつけた35.05に向けた動きが警戒されやすく、リスクオフムードは徐々に高まってきそうだ。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍に低下した。一時14.28倍まで低下し、支持線として意識される75日線水準まで調整してきたことから、いったんはリバランスの動きも見込まれるが、外部環境の不透明感が高まる状況では、NTショートに向かいやすいと考えられる。

 来週末に先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えるなか、足元の需給状況は悪化を見せているため、今後、ボリンジャーバンドの-1σ水準を下回ってくる可能性がある。同水準を下回ってくると-2σが位置する75日線水準の2万7050円辺りがターゲットとなることから、ショートが入りやすい需給状況になりそうだ。まずは-1σの2万8720円辺りでの底堅さを見極めたいところだろう。オプション権利行使価格2万8750円~2万8250円辺りでのレンジを想定する。

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