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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 ジャクソンホール会議を控え利食い優勢のなか、短期的にはショートを仕掛けてくる動きも


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 28730 -200 (-0.69%)
TOPIX先物 1983.5 -12.0 (-0.60%)
シカゴ日経平均先物 28725 -205
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 19日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。欧州中央銀行(ECB)が9月にも大幅利上げを実施するとの観測から、欧州主要国の金利が上昇した。これを受けて、米長期金利が一時1カ月ぶりの水準に上昇したことが売りにつながった。また、米セントルイス連銀のブラード総裁が、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で0.75%の利上げを支持したと伝わったことも重荷となり、週末を前に利益確定の売りが優勢となった。S&P500業種別指数は医薬品・バイオテクノロジー、電気通信サービス、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレル、各種金融が下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比205円安の2万8725円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比30円安の2万8900円で始まり、開始直後につけた2万8920円を高値に軟化し、一気に2万8800円を下回った。その後も終盤にかけて下げ幅を広げており、一時2万8670円まで売られ、2万8730円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢で始まることになろう。米国では米金融当局による急激な利上げ観測が後退するなかでリバウンド基調を継続していたが、NYダウは52週移動平均線水準まで上昇したほか、S&P500が1月高値から6月安値までの半値戻しを達成してきたこともあり、戻り相場の一巡感も意識されやすい水準だったと見られる。

 また、日経225先物も節目の2万9000円を突破して2万9230円まで買われ、ボリンジャーバンドの+2σを上回ってきたこともあり、短期的には過熱感が高まっていた。今週は25日~27日にカンザスシティ連邦準備銀行が開催する経済政策シンポジウム「ジャクソンホール会議」を控えており、26日には米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が経済見通しについて講演する予定である。FRB高官によるタカ派発言も警戒されやすく、週を通じてこう着感が強まりやすいだろう。

 リバウンド機運が高まりづらいなか、短期的にはショートを仕掛けてくる動きが入りやすいと考えられる。日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの+1σ水準まで下げる場面が見られていた。これにより過熱感は和らいでいるが、+1σが位置する2万8650円辺りでのこう着が続くようだと、2万8500円辺りをターゲットとしたショートの動きには警戒しておきたい。

 もっとも、週末のVIX指数は20.60と前日の19.56から上昇したものの、20.00を挟んだボトム圏での推移を継続していた。リスクオフというより、あくまでも利益確定の売りによる調整であるため、ショートが強まる局面では、押し目狙いのロングスタンスで対応しておきたい。目先的には2万9000円が心理的な上値抵抗として意識されやすく、オプション権利行使価格の2万8750円を中心とした上下の権利行使価格2万8625円~2万8875円辺りでのレンジを想定。

 また、NT倍率は足元の上昇で昨年9月~11月辺りの抵抗ラインまで切り上がっていたため、いったんはNTショートに向わせやすいだろう。ただし、トレンドが上向きを継続しているなかでの調整との見方より、短期的にはNTショートでの対応から、14.40倍辺りまで低下する局面では、NTロング組成のタイミングとなろう。

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