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【特集】エヌ・シー・エヌ Research Memo(7):独自のサプライチェーンマネジメントで正確な資材調達を可能に(1)

エヌシーエヌ <日足> 「株探」多機能チャートより

■強み

日本の木造建築は耐震性がないほか、木造中古住宅は再販価値がないといった社会的課題を、全国の工務店・ハウスメーカーと解決していくため、木造建築業者のビジネスプラットフォームを展開している。構造設計を起点とした資材調達・施工までの一貫したサプライチェーンマネジメントによって正確な資材調達を可能にしており、今般のウッドショック下においても安定供給といった成果が表れている。このエヌ・シー・エヌ<7057>独自のサプライチェーンは最大の強みであろう。

同社は2020年3月期までは約500社の既存登録店の活性化に注力していたが、同社のシステム及び体制が整ってきたことから、耐震性の高い木造住宅のさらなる普及に向けて、新規登録店の獲得強化を図っており、2022年3月期末には577社に拡大した。引き続き工務店ネットワークを拡大するとともに、木構造デザイン、MAKE HOUSEによる構造計算、省エネ計算、BIMといったテクノロジー分野、SE住宅ローンサービスによるアセット分野、MUJI HOUSE、YADOKARI、一宮リアライズ、N&S開発によるマーケティング、ライフスタイル分野を融合したビジネスプラットフォームがより強固なものになると弊社では考えている。

1. SE構法
大規模木造建造物のノウハウを一般的な住宅に生かすSE構法とは、従来、鉄骨造やRC造において主流だったラーメン構法を木造住宅に取り入れ、安全かつ便利に利用できるようにした同社独自の木造建築システムである。圧倒的な強度を持つ、木造建築システムは、現在に至るまで同社の強みであり、20年来の施工・建築経験の蓄積により、他社には追随できない知的財産となっている。

同構法は、すべての建物に構造計算を行い、構造品質の高い集成材を採用し、接合部に独自開発したSE金物を使用することにより、集成材とSE金物によって高い耐震性と大空間が実現する。構造計算から部材供給・施工・検査・性能保証まで一括管理できるシステムである。

2. 木構造デザイン
同社は2020年2月、木造プレカットCAD開発トップシェア(60%以上)のネットイーグルとSE構法以外の構法も扱う大規模木造建築(非住宅)分野の構造設計事業について業務提携し、合弁会社である木構造デザインを設立している。

「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が2010年10月に施行された。木造率が低く今後の需要が期待できる公共建築物にターゲットを絞って、国が率先して木材利用に取り組むほか、地方公共団体や民間事業者にも国の方針に即して主体的な取り組みを促し、住宅など一般建築物への波及効果を含め、木材全体の需要を拡大することを狙いとしている。一方で「建築基準法」では構造計算によって安全性を確かめる必要がある建築物として、以下のように定めている。

「建築基準法 第20条 4号特例」
木造の規模(階数または延べ床面積)
(1) 住宅などの木造建築物で階数が3以上のもの。
(2) 住宅などの木造建築物で延べ床が500m2超のもの。
(3) 住宅などの木造建築物で建物の高さが13m超のもの。
(4) 軒の高さが9m超のもの。

この規定に当てはまる建物は構造計算をしなければ建築できないということになる。

しかし、住宅以外の木造建築物に対応できる構造設計者が少ないことや、構造設計された図面どおりに正しく製造工場に情報を受け渡すことができないのが現状である。大手建設会社やハウスメーカーなどにおいて、構造設計者を確保するための動きを見せてきているが相当なコスト増となるため、アウトソーシングが主流になると弊社では考えている。構造設計の際にコストと施工のコンサルティングが同時にできることは、クライアントにとっては大きなメリットとなる。木造プレカットCAD開発トップシェアのネットイーグルとの合弁会社である木構造デザインはSE構法以外の非住宅木造建築物の構造設計と生産設計を扱っていることもあり、成長期待は大きい。構造設計と連動したプレカットデータとして最適な生産設計を提供することで、多種多様な物件に対して、オンリーワンのワンストップサービスを提案することができるため、木構造デザインは相当強みになるだろう。

また、2020年10月には大規模木造建築市場のゼネコン・設計事務所とプレカット工場をつなぐ日本初のマッチングプラットフォーム事業を開始している。構造設計サポートと加工サポートに加えて、プレカット工場ネットワークの組成により生産体制を整備するとともに、ゼネコンや設計事務所向けの広告宣伝活動を行うことで、構造設計から生産設計までワンストップでサービスを提供する。開始直後からコロナ禍の影響を受けたためスタートダッシュは遅れたものの、経済活動が正常化に向かうなか、足元で引き合いも増えている状況であることから、急成長が見込まれると弊社では考えている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ


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