【材料】<動意株・5日>(大引け)=日電波、スクエニHD、エイベックス、キッコマンなど(その1)
日電波 <日足> 「株探」多機能チャートより
スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>=10日ぶりに急反発。4日の取引終了後に23年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表し、純利益が前年同期比45.0%増の183億5500万円となった。足もと同社株への売りが続いていたことから、今回の大幅増益を受けて大きく切り返す展開となっている。円安による為替差益の計上が利益を大きく押し上げた。新作タイトルの発売があった前年同期からの反動や、既存タイトルの弱含みなどが影響し、売上高は同15.5%減の748億7600万円、営業利益は同16.7%減の144億3000万円と減少した。
エイベックス<7860>=新値追い。同社は4日取引終了後、23年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益が前年同期比8.7倍の22億8800万円となったことが好感されているようだ。売上高は同46.6%増の284億7300万円で着地。ライブ公演数の増加や音楽事業のパッケージ作品の販売数増加、海外での大型イベントの開催などが大幅な増収につながった。なお、通期業績予想については、営業利益10億円(前期比61.3%減)とする従来見通しを据え置いている。
キッコーマン<2801>=異彩を放つ上げ足。同社は4日取引終了後、これまでウクライナ情勢などに伴う先行き不透明感から開示を見送ってきた23年3月期業績見通しを発表した。最終利益は前期比4.6%増の407億円と今期も増益基調を維持する見通しとなったことで、これを材料視する買いを呼び込んだ。業績予想には原料高を価格転嫁しやすい食品セクターの強みが反映されている。株式需給面でショートカバーを誘発した可能性もあるが、直近信用倍率は0.8倍台、日証金でも貸借倍率が0.17倍と売り長ながら残高水準的には低い。ただ市場筋によると、「機関投資家による貸株を調達した空売りが入っていたフシがある。原料コスト上昇で最終減益を見込んでいたところに増益予想を出してきたことで、慌てて買い戻したというのが急騰の背景ではないか」(中堅証券ストラテジスト)としていた。