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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 2万7875円~2万8000円辺りのレンジ推移を想定、こう着のなかNTロングは継続


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27860 -90 (-0.32%)
TOPIX先物 1927.5 -6.5 (-0.33%)
シカゴ日経平均先物 27870 -80
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 4日の米国市場は、NYダウ S&P500が下落する一方で、ナスダックは上昇。新規失業保険申請件数が予想を上回る増加となるなか、5日に発表される7月の雇用統計に対する警戒感が強まった。また、ペロシ米下院議長の訪台を受けて中国が台湾周辺でミサイル11発を発射するなど、地政学リスクを警戒した売りも見られた。半面、長期金利の低下でハイテク株が買われており、足元で決算内容が嫌気される場面も見られていたアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>は6%近い上昇だった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、小売、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、エネルギー、食品・生活必需品小売、銀行が下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比80円安の2万7870円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比10円高の2万7960円で始まり、一時2万8060円まで買われる場面もあった。ただし、その後軟化し日中終値水準で保ち合ったが、米国市場の取引開始直後には2万7820円まで売られた。売り一巡後は下げ渋りを見せたものの、終盤にかけては2万7860円~2万7920円でこう着し、2万7860円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢で始まることになりそうだ。中国が発射したミサイルのうち、5発が日本のEEZ(排他的経済水域)の内側に設定されている中国の訓練海域に落下したと伝わるなか、東京市場でも地政学リスクが警戒されせそうである。

 ただし、アルゴリズム発動による短期的なショートの動きと想定されるほか、ナスダックやSOX指数の上昇など米半導体株を物色する動きのなかでは、相対的に日経平均型優位の状況は継続するだろう。そのため、短期的な売りを警戒しつつも、オプション権利行使価格の2万7875円辺りでの底堅さは意識されやすいと考えられる。

 とはいえ、2万8000円辺りでは引き続き強弱感が対立しやすく、来週は指数インパクトの大きい東京エレクトロン <8035> [東証P]やソフトバンクグループ <9984> [東証P]の決算を控えていることも手掛けづらくさせよう。そのため、日中は権利行使価格の2万7875円~2万8000円辺りのレンジ推移を想定。積極的にはポジションを傾けづらい需給状況のなか、リスクを考慮したNTロングによるスプレッド狙いの動きが継続しそうだ。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で一時14.46倍に上昇し、6月6日の戻り高値14.42倍を明確に上回ったほか、1月4日の14.48倍に迫ってきた。週末の米雇用統計を前に、いったん利益確定に伴うリバランスが入ると見られるが、方向性としては上向きのトレンドを継続している。

 また、VIX指数は21.44に低下した。テクニカル面では切り下がる25日移動平均線に上値を抑えられる格好でのトレンドを継続しているほか、52週線が上値抵抗に変わるなか、リスク選好の動きとなろう。

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