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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~売り一巡後の底堅さを見極める動き、決算を手掛かりとした日替わり的な物色に~

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

8月2日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。


■株式見通し:売り一巡後の底堅さを見極める動き、決算を手掛かりとした日替わり的な物色に
■大瓦斯、23/3下方修正 営業利益430億円←1065億円、米LNG基地火災で費用計上
■前場の注目材料:東芝、空調事業の売却完了、米キヤリア子会社に1200億円


■売り一巡後の底堅さを見極める動き、決算を手掛かりとした日替わり的な物色に

2日の日本株市場は、売り先行で始まるものの、次第に底堅さが意識されそうである。1日の米国市場でNYダウは46ドル安だった。ペロシ下院議長の台湾訪問計画報道を受け、地政学的リスクを警戒した売りが優勢となった。ただし、7月製造業PMI改定値が予想外に下方修正された一方で、ISM製造業指数は2年ぶり低水準に落ち込んだものの予想を上回ったことから、NYダウは一時プラスに転じる場面も見られるなど、利食い優勢ながらも底堅い相場展開だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比115円安の27885円。円相場は1ドル131円50銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売りが優勢の相場展開になりそうだ。日中はペロシ下院議長の台湾訪問に関係した報道に振らされる可能性があるだろう。もっとも、日経平均は足元で28000円水準に上値を抑えられていることから、利食いは出やすい面はある。一方で、5日線水準での底堅さは意識されており、押し目待ちの買い意欲は強そうだ。まずは売り一巡後の底堅さを見極める動きになるだろう。

また、決算を発表がピークを迎えるなか、積極的にはポジションを傾けづらい需給であるため、短期的に仕掛けてくる動きに対しては、リバウンド狙いのタイミングにもなりやすいところ。米国では主要指数がいずれも小幅な下げにとどまっており、ハイテク株の底堅さは意識されていた。昨日はゴールドマンによる格下げを受けてレーザーテック<6920>が売られたものの、売り一巡後は下げ渋る動きを見せていた。アドバンテスト<6857>は決算評価から75日線を突破してきたこともあり、ハイテク株の底堅さが見られてくるようだと、センチメント改善に繋がるだろう。

物色としては決算を手掛かりとした、やや日替わり的な物色に向かいやすく、昨日取引終了後に決算を発表したところでは、オルガノ<6368>、セ硝子<4044>、ヒロセ電<6806>、マクニカHD<3132>、日立造<7004>、住友化<4005>辺りが注目されそうである。また、TDK<6762>には米系証券による格上げの動きが観測されており、これを手掛かりとした物色が見込まれる。


■大瓦斯、23/3下方修正 営業利益430億円←1065億円、米LNG基地火災で費用計上

大瓦斯<9532>は2023年3月期業績予想の修正を発表。営業利益を1065億円から430億円に下方修正した。米液化天然ガス(LNG)プラント「フリーポート」で発生した火災に関連して、収益の減少や代替調達にかかる費用などを織り込んだ。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(27993.35、+191.71)
・SOX指数は上昇(2978.32、+11.18)
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を長期化


・東芝<6502>空調事業の売却完了、米キヤリア子会社に1200億円
・資生堂<4911>パーソナルケア事業の2工場売却、APCHに来年内
・河西工業<7256>米マディソン工場譲渡、リースバックで継続
・塩野義<4507>コロナ新治療薬、年内にも臨床試験開始
・トヨタ<7203>トヨタ系電池会社PPES、豪社とリチウム調達契約
・豊田合成<7282>デジタル人材育成加速、30年めど400人
・ブリヂストン<5108>タイヤの空気圧・温度を遠隔監視、9月サービス開始
・東ソー<4042>分離精製剤増産に160億円投資、南陽事業所で能力70%増強
・レンゴー<3941>段ボール原紙など値上げ、9月納品分から15円超


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 7月マネタリーベース(6月:前年比+3.9%)

<海外>
・特になし
《ST》

 提供:フィスコ

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