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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 2万7750円~2万8000円辺りのレンジ推移を意識、こう着のなかNTスプレッド狙いの動き


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27890 -110 (-0.39%)
TOPIX先物 1953.5 -7.0 (-0.35%)
シカゴ日経平均先物 27885 -115
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 1日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。前週までの上昇で短期的な過熱感も警戒されていたなか、ペロシ米下院議長が2日に台湾を訪問する見通しと主要メディアが報じたことをきっかけに、米中間の地政学リスクが警戒されて利益確定の売りが優勢となった。ただし、7月の米ISM製造業景況指数は約2年ぶりの低水準だったものの、予想を上回ったことで、NYダウは一時プラスに転じる場面もあった。また、半導体株の一角は買われており、SOX指数は小幅に上昇。S&P500業種別指数は家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコ、半導体・同製造装置が上昇する一方で、エネルギー、保険、医薬品・バイオテクノロジーが下落した。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比115円安の2万7885円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比変わらずの2万8000円で始まると、直後につけた2万8070円を高値にこう着感が強まり、2万7980円~2万8040円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に売りの勢いが強まると、一時2万7770円まで下押す局面も見られた。売り一巡後は持ち直し2万8000円を回復するものの買いは続かず、終盤にかけて2万7830円~2万7920円辺りでの保ち合いを経て、2万7890円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好で、やや売り優勢で始まることになりそうだ。米国ではペロシ米下院議長の台湾訪問観測が利食いのきっかけとなったが、主要指数の下げは限定的であり、いずれも陽線を形成している。押し目買い意欲の強さが窺え、直近の強い上昇に対する利食いの範囲内であろう。日経225先物もナイトセッションで一時2万7770円まで売られたが、日中安値のほか、オプション権利行使価格の2万7750円は割り込んでおらず、権利行使価格2万7750円~2万8000円辺りのレンジ推移が意識されそうだ。

 また、VIX指数は22.84と先週末の安値21.21から反発を見せたが、5日移動平均線水準であり、下向きのトレンドを継続しているため、過度な警戒感は高まっていない。「ペロシ米下院議長が台湾を訪問すれば中米関係を損なうと中国国連大使が述べた」と報じられていることもあり、市場反応を見極めたいとするムードは強まりやすいものの、押し目狙いのロングスタンスは継続と見ておきたい。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.28倍に低下した。200日、52週線が支持線として意識される水準であり、SOX指数の上昇から指数インパクトの大きい値がさハイテク株の底堅さを受けて、NTロングの動きは入りやすいだろう。米中間の地政学リスクが警戒視されるなかで、積極的にはポジションを傾けづらい需給状況でもあるため、ヘッジを考慮した形でもスプレッド狙いに向かいやすいと考えられる。

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