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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 米PCEデフレーター発表を控えこう着感の強い展開、押し目狙いのロングで対応


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 26710 +30 (+0.11%)
TOPIX先物 1888.0 +3.0 (+0.15%)
シカゴ日経平均先物 26705 +25
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 29日の米国市場は、NYダウが上昇する一方で、 S&P500ナスダックは下落。欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムにおいて米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、利上げによる景気減速のリスクはあるが、米労働市場は強く、金融引き締めに耐えられると述べた。また、ドイツの6月の消費者物価指数(CPI)上昇率が予想外に鈍化したことを受けて、米長期金利が低下。四半期末に伴うリバランス買いの思惑なども材料視され、NYダウは一時200ドル高まで買われた。ただ、FRBが重要視している5月の米個人消費支出(PCE)コアデフレーターの発表を翌日に控え、金融引き締めと景気後退への警戒感が重荷となった。S&P500業種別指数はヘルスケア機器・サービス、電気通信サービス、小売が上昇した半面、エネルギー、半導体・同製造装置、自動車・同部品が下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比25円高の2万6705円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比20円高の2万6700円で始まり、一時2万6630円と下落に転じたが、その後は持ち直してプラスに転じ、米国市場の取引開始後には2万6850円まで買われた。ただし、買いの勢いは鈍く、終盤にかけては2万6670円~2万6770円辺りの狭いレンジで推移し、2万6710円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、やや買い先行で始まることになりそうだ。前日の下落に対するリバランスも入りそうである。ただし、米国同様、PCEコアデフレーターの発表を控えて積極的にポジションを取りに行く動きは限られるだろう。ナイトセッションでは5日移動平均線を挟んだ値動きであり、25日線が上値抵抗線として意識されていた。本日も25日線のほか75日線辺りでは強弱感が対立しやすい。

 また、様子見ムードのなか、月末に伴うリバランスの需給に絡んだ商いが中心になりやすく、その他は短期的な売買を主体にしたスペキュレーション取引による値幅取りとなろう。想定レンジはオプション権利行使価格の2万6750円を中心とした上下の権利行使価格となる2万6625円~2万6875円といったところか。リバランスの需給要因によって底堅さが見られるようであれば、2万7000円が意識されよう。

 なお、PCEコアデフレーター発表後の米国市場の波乱は警戒されるが、米国では四半期末による機関投資家の資産配分見直しに伴うリバランス買いが見込まれており、下支えが期待される。また、週明け7月4日はインデペンデンスデイ(独立記念日)の祝日で3連休を控えていることもあり、積極的に仕掛けてくる動きは限られるだろう。VIX指数は28.16に低下し、依然として25日、75日線を上回っている状況ではあるものの、過度な警戒は見られていない。

 楽観視は禁物ながら、日経225先物は5月安値と6月安値との2点底形成からのリバウンドを継続中であり、2万7000円回復による達成感は想定内と考えられる。そのため、スタンスとしては押し目狙いのロングでの対応を意識しておきたい。

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