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【市況】ダウ平均は失速 400ドル超の下げ幅に=米国株後半

NY株式28日(NY時間15:37)
ダウ平均   30980.16(-458.10 -1.46%)
ナスダック   11212.17(-312.38 -2.71%)
CME日経平均先物 26865(大証終比:-205 -0.77%)

 NY時間の終盤に入ってダウ平均は序盤の大幅高から一転下げに転じ、450ドル超下げ幅を広げている。インフレやリセッション(景気後退)への懸念が根強い中、きょうの米株式市場はIT・ハイテク株中心に戻り売りが強まり、他のセクターへも波及している。

 序盤は中国政府が海外からの入国者に対して義務づけている隔離期間の短縮などを盛り込んだ感染対策の規制緩和が材料視され、ダウ平均は一時400ドル超上昇。世界のサプライチェーンに与える懸念が後退していた。

 市場では来年のリセッション(景気後退)への警戒感が強まっているが、それと伴にFRBの利上げ観測も和らいでおり、株式市場のリバウンド相場に繋がっている。弱い経済指標が逆にFRBがタカ派姿勢を緩めるとの希望を一部の投資家に与えている。しかし、このリバウンド相場がどれほど長く続くかについてはまだ懐疑的な見方が多い。下期のシナリオに強気になるには、インフレがピークに達し、データの安定を確認する必要があるといった声や、来年の景気後退が警戒される中で、どの程度維持できるかは疑問との声も聞かれる。目先は、来月前半から発表になる第2四半期決算が重要なバロメーターになるという。

 なお、本日は6月調査の米消費者信頼感指数が発表され、100を下回り、昨年2月以来の低水準となったことも株式市場を圧迫。インフレが米消費者のセンチメントを弱め続けている。賃金上昇率を上回る数十年に1度の高インフレに悩まされる中、家計のセンチメントは依然弱い。FRBは物価上昇を抑えるために積極的に利上げを行っており、借入コストの上昇は住宅や自動車、家電製品などの高額商品の購入に影響を与えている模様。

 原油相場の買戻しでエネルギー関連が上昇しているほかは、IT・ハイテク株のほか、銀行、産業、医薬品など揃って下げに転じている。

 ナイキが下落しておりダウ平均を圧迫。一旦プラスに転じたものの、再び下げに転じた。前日引け後に3-5月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ただ、通期の粗利益率について低調な見通しを示したほか、中国市場に関する見通しに慎重だと説明したことも圧迫。粗利益率については、横ばいから0.5%ポイントの低下を見込んでいる。

 クアルコム<QCOM>が逆行高。アップル<AAPL>がモデム用チップの自社開発に失敗しており、アイフォーンではしばらく、クアルコム製のモデムチップを使い続けるとアナリストが指摘した。

 バイオサイエンスのケザー・ライフ・サイエンシズ<KZR>が急騰。ループス腎炎治療薬「Zetomipzomib」の臨床試験(第2フェーズ)で期待を上回る結果が続いていると報告した。

 医薬品のストゥロ・バイオファーマ<STRO>が大幅高。日本のアステラス製薬<4503>と、抗体-薬物複合免疫賦活薬(iADC)の共同研究開発で戦略的提携およびライセンスに関する契約を締結したと発表。

 ボックスト<BOXD>が商いを伴って大幅安。同社はeコマースで企業や一般消費者向けにパントリー消耗品を販売する。取引開始直後にブロック取引が実施された。NY時間の9時32分に63万7847株を21ドルでまとまって取引された。

ナイキ<NKE> 102.92(-7.58 -6.86%)
ボックスト<BOXD> 2.08(-0.34 -13.90%)
ケザー・ライフ<KZR> 8.67(+2.89 +49.96%)
ストゥロ<STRO> 5.33(+1.00 +23.10%)
クアルコム<QCOM> 132.38(+5.20 +4.09%)

アップル<AAPL> 137.65(-4.02 -2.83%)
マイクロソフト<MSFT> 257.10(-7.79 -2.94%)
アマゾン<AMZN> 107.75(-5.47 -4.83%)
アルファベットC<GOOG> 2260.68(-71.77 -3.08%)
テスラ<TSLA> 700.23(-34.54 -4.70%)
メタ・プラットフォームズ<META> 161.99(-7.50 -4.43%)
AMD<AMD> 80.99(-5.17 -6.00%)
エヌビディア<NVDA> 160.21(-8.48 -5.03%)
ツイッター<TWTR> 38.73(-0.46 -1.17%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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