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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「荒れる米国市場」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は6月9日の高値2万8389円まで上げたが、翌10日から下げに転じて15日には安値2万6321円まで4営業日で2000円超も急落と下げが厳しい(本稿執筆時点)。こうなると5月下旬からの上昇相場の主因が、6月10日のメジャーSQ(先物・オプション清算日)に絡むショートカバー(買い戻し)にあったことも否めない。

◆米国市場も荒れている。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で連邦準備制度理事会(FRB)は0.75%の利上げを決めたが、その影響を受け10年債利回りは11年ぶりとなる3.49%に上昇し、為替(ドル円)は24年ぶりとなる135円台に円安が進んだ。国際商品の値動きを示すCRB指数は9日に329.59ドルと11年ぶりの高値を付けたが、15日は314.79ドルと4日続落。そして、暗号資産のビットコイン(ドル建て)は15日に2万0121ドルの安値を付け、昨年11月高値(6万8999ドル)から70%も下落している。

NYダウは14日まで5日続落して年初来安値を更新。15日のFOMC後に一時647ドル高と反発(終値は303ドル高)するも、16日は2万9927ドルと再び急落して3万ドル大台を割り込んだ。ナスダックも16日に1万0646ポイントまで下落して年初来安値を更新した。

◆ただ、米国株は17日がメジャーSQ(クワドルプル・ウィッチング)であり、この乱高下はSQが一因だった可能性もある。そうであれば、米国の三連休明けとなる21日以降にNYダウ、ナスダックが反発することも想定されるが、大きく崩れた後だけに戻り相場でも試練は続こう。

◆カギを握る米国市場がこのように荒れていては「世界同時株安」は否めず、日本株はしばらく様子見となっても仕方ない。米国の三連休明けに反発する可能性あるものの、商品や債券、為替、暗号資産などあらゆるマーケットで波乱の様相を呈しており、株式市場は基調好転を確認するまでは慎重に対応すべきと思われる。日経平均株価の日足チャートは2万7000円前後にある25日移動平均線、75日移動平均線を割り込み、次は5月安値の2万5688円や3月安値の2万4681円を意識することになる。だが、そこで下げ止まるというシナリオはまだ描けない。

(6月16日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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