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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 ギャップダウンも、相対的に日本株の底堅さが見られる可能性から、押し目狙いのロングスタンス


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27980 -250 (-0.88%)
TOPIX先物 1952.5 -14.5 (-0.73%)
シカゴ日経平均先物 27910 -320
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 9日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。欧州中央銀行(ECB)が7月に0.25%の利上げを実施すると表明。7月に量的緩和を終了すると決め、9月に0.5%引き上げる可能性も示した。金融政策の正常化による欧州景気の減速懸念が強まり、幅広い銘柄が売られた。米新規失業保険申請件数が予想以上に増加したことや、中国・上海市の一部地域でロックダウンが再開されたことも嫌気された。また、10日に5月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、終盤にかけてヘッジ売りも膨らんだと見られる。S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売のみが上昇した一方で、テクノロジー・ハード・機器、銀行、メディア、半導体・同製造装置の弱い動きが目立った。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比320円安の2万7910円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比変わらずの2万8230円で始まり、その後は2万8350円と3月30日につけた高値に顔合わせした。買い一巡後は軟化し、2万8120円~2万8220円辺りの狭いレンジで推移。終盤にかけてレンジを下放れると、一時2万7900円まで下落幅を広げており、2万7980円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップダウンで始まることになりそうだ。ナイトセッションで一時2万8350円と3月末の戻り高値まで上昇したこともあり、ダブルトップ形成も意識されやすく、目先的な達成感にもつながりやすいだろう。6月限先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)に絡んだ商いのほか、ヘッジ対応の売りが集中する格好になりそうだ。

 まずは売り一巡後の2万8000円水準での底堅さや、SQ値が心理的な支持線として機能するかを見極めることになろう。米国や欧州など主要な中央銀行が金融政策の正常化に舵を切る一方、日銀は金融緩和の維持を強調しており、日米の金利差が拡大するとの見方から運用面で有利となるドルが買われている。安定的な円安方向の動きであれば経済にプラスとして、相対的に日本株の底堅さが見られる可能性はあるため、押し目狙いのロングスタンスは継続。

 また、米国市場は終盤にかけて下げを加速させたが、5月CPIは前年同月比で8.2%程度の上昇が予想されるなか、10%を超えるのではといった観測からヘッジ対応の売りが膨らんだとの見方もされていた。10%程度まで市場は織り込んだことで、通過後のアク抜けも意識されそうである。もっとも、これを見極めたいとする模様眺めムードは強く、底堅さは意識されるもののリバウンド機運は高まらず、短期的なトレードが中心になりそうだ。

 VIX指数は26.09に上昇したが、75日移動平均線が26.86、25日線は28.04辺りに位置しており、これらを明確に上放れてくるまでは、一気にリスク回避的な動きに向かう可能性は低いと見ておきたい。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.33倍と横ばいで推移。6日につけた14.42倍をピークにやや調整を見せていることから、NTショートに向かいやすいところだ。ただし、CPI通過後のショートカバーも想定されやすいことから、現時点では押し目でNTロングのポジションを組成するタイミングを待ちたい。

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