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【特集】キャッシュレス決済の新潮流、「BNPL」関連株に熱視線集まる <株探トップ特集>

コロナ禍をきっかけにEC市場が拡大しているが、その新たな決済手段としてBNPL(後払い決済)が急速に普及しつつある。今後も更なる普及が期待でき、関連企業の商機は拡大しよう。

―EC市場の拡大に伴い後払い利用も急増、非対面ニーズで代引きから移行の動きも―

 新型コロナウイルス感染症の拡大以降、巣ごもり消費に伴い物販系のeコマースが急拡大した。経済産業省が昨年7月に発表した「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2020年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、旅行サービスなどの縮小に伴い19兆2779億円(前年比0.4%減)となり、調査開始以降初めて前年比でマイナスとなった。ただ、物販系分野は全カテゴリーで市場規模が大幅に拡大し同21.7%増の12兆2333億円と好調を持続した。

 EC市場が拡大するなか、欧米の先進国を中心にBNPL(Buy Now,Pay Later)と呼ばれる後払い決済サービスの利用が拡大している。日本国内でも今後の市場急拡大が予想されており、関連銘柄に注目したい。

●BNPLとは

 BNPLとは、利用者がインターネットなどで買い物をした際に、商品が配送されてきたのと同時、あるいは後日送られてきた請求書を用いて、決められた期間内にコンビニエンスストアや銀行、郵便局、スマートフォン決済などで支払いを行う仕組みのこと。販売者側は、BNPL事業者に購入者情報を送り、支払いの可否を確認。支払い可能という通知が来ると商品を発送する。商品代金は、BNPL事業者により立て替え払いされ、決済が完了する。

 これまで、オンライン上の買い物ではクレジットカード決済が一般的で、最近になって電子マネー決済や「○○ペイ」といったウォレット決済、携帯電話料金と合算して支払うキャリア決済などが徐々に広がりつつあるが、こうしたさまざまな決済方法のなかでも、BNPLが急速に広がりつつある。

●25年度には20年度比2.2倍の市場規模へ

 BNPLは、利用者にとってはメールやショートメッセージサービス(SMS)による簡略化された本人確認や、分割払いでも手数料が発生しない点がメリットと言われている。先行する欧米では、若年層や主婦層などのクレジットカードを利用しない層を中心に利用が広がったが、クレジットカードを保有している利用者でもクレジットカードと使い分けて後払いを利用する動きがある。また、それまでは代金引き換えを利用していた人が宅配業者との対面を避けるため後払い決済へ移行するなどの動きもあり、市場が拡大している。

 矢野経済研究所(東京都中野区)が今年4月に発表した「EC決済サービス市場に関する調査を実施(2022年)」によると、20年度のBNPL市場はサービス提供事業者の取扱高ベースで8790億円と推計された。また、今後も更なる利用環境の整備に伴うユーザーの裾野の拡大などを背景に、即時与信の精度向上が進むなどすることで、25年度には20年度比2.2倍の1兆9000億円を超えると予測している。

●世界的にM&Aや業務提携が活発化

 ニーズ拡大を受けて、BNPLを巡るM&Aや業務提携も活発化している。昨年は米ブロック(旧スクエア)<SQ>による豪アフターペイ社の買収、米ペイパル・ホールディングス<PYPL>による日本のPaidy(ペイディ、東京都港区)買収などが、それぞれ評価額を超える大型M&Aとして世界的に注目された。また、米アマゾン・ドット・コム<AMZN>は米アファーム・ホールディングス<AFRM>と業務提携し、自社サービス利用にBNPLを追加し、こちらも大きな話題になった。

 このほかにも、欧米ではクレジットカード会社や銀行などが参入する動きもみられる。成長性への期待から、BNPLを巡る企業の動きは活発化しており、今後も裾野が広がりそうだ。

●関連銘柄はネットプロなど

 日本における注目銘柄の代表格はネットプロテクションズホールディングス <7383> [東証P]だろう。子会社ネットプロテクションズが02年3月にサービスを開始した「NP後払い」は日本におけるBNPLの先駆けで、21年3月期時点で加盟店総数は7万6000店舗、年間取引件数は約6600万件に及び、年間取引高は約4381億円に上る国内におけるリーディングカンパニーでもある。同社では、23年3月期上期をメドに「NP後払い」とBtoC向け会員制決済サービス「atone」のシステムを一本化する予定で、加盟店はサービスごとのシステム開発負荷を削減することが可能になる。両サービスを一度に導入することが可能になり、幅広いユーザー層を獲得できるようになるとみられ、同社の中期的な成長に貢献しよう。

 GMOペイメントゲートウェイ <3769> [東証P]は、子会社GMOペイメントサービスが13年8月に「GMO後払い」を本格的に提供開始した。足もとでは慎重な与信を行う一方、新規加盟店の獲得増加に注力。更にBtoB向けに「GMO掛け払い」も20年11月にスタートさせており、これらフィンテック分野の成長でグループの利益拡大を牽引する方針だ。

 スクロール <8005> [東証P]は、EC・通販向けの後払いサービス「後払い.com」を展開するキャッチボールを傘下に持つ。07年1月にスタートした同サービスでは、20年10月に業界に先駆け「クレジットカード払い」への対応を開始。また、今年4月にはECや通販で「商品が届いてから支払い方法を決める」ことができる新しい後払い決済サービス「届いてから払い」の先行予約も開始しており、これらの取り組みによる業績への貢献が期待されている。

 メルカリ <4385> [東証G]は、運営するスマートフォン決済サービス「メルペイ」で後払いサービス「メルペイスマート払い」を提供している。メルカリでの買い物だけではなく、メルカリ以外のECや全国のメルペイ対応店舗など、さまざまな場所で使えるサービスで、今月の購入代金を翌月にまとめて清算できる。通常、翌月に一括で清算するが、任意で「定額払い」も利用できることなども特徴だ。

 BASE <4477> [東証G]は、今年2月に規模が大きな加盟店向けの新料金プラン「グロースプラン」を発表すると同時に、後払いサービスに参入することも発表した。BASE購入者の「Pay ID」に新たに「後払い」機能を追加するもようで、新たな支払いの選択肢を設けることで、流通額の増加に寄与することが期待されている。

 このほか、イー・ギャランティ <8771> [東証P]は、法人向け取引におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)型後払いサービス「eG Pay」「eG Collect」を展開し、地方の金融機関などとビジネスマッチング契約を結び、金融機関の顧客にサービスを提供。ラクーンホールディングス <3031> [東証P]もBtoB後払い決済サービス「Paid(ペイド)」を展開し、与信審査・請求書発行・入金管理・督促などの業務を代行している。更にROBOT PAYMENT <4374> [東証G]も今年2月に行われた決算説明会でフィンテック領域の新規事業としてBNPLの企画を進行中と発表しており、今後の進捗に注目したい。

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