【市況】前場に注目すべき3つのポイント~個人や短期のヘッジファンドなどによる決算を手掛かりとした日替わり物色が中心~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:個人や短期のヘッジファンドなどによる決算を手掛かりとした日替わり物色が中心
■JAL、22/3純損失▲1775億円、23/3予想450億円黒字転換へ
■前場の注目材料:三菱UFJ、ネット広告参入、サイバーエージェントと提携
■個人や短期のヘッジファンドなどによる決算を手掛かりとした日替わり物色が中心
9日の日本株市場は、売り先行で始まった後は、次第にこう着感が強まりそうだ。6日の米国市場はNYダウが98ドル安だった。4月雇用統計で雇用の伸びが予想を上回り労働市場のひっ迫が再確認されたため連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ加速が警戒された。金利動向に左右される形で、一時上昇に転じる局面もあったが、戻り売り圧力が強く、終日軟調に推移した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比225円安の26885円。円相場は1ドル130円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から売り先行で始まろう。日経平均は6日の上昇部分を失う格好となるため、27000円近辺や25日、75日線接近では上値の重さが意識されやすくなると見られる。G7首脳はロシア産原油の禁輸に向けて取り組むと表明したことから原油先物相場の上昇のほか、中国・上海でロックダウンの早期解除のめどが立っていないことなども重荷となりそうだ。先物主導で短期筋の売り仕掛け的な動きが入りやすいと見られ、値動きの荒い展開には注意する必要がありそうだ。
一方で、今週は決算発表が集中することから、投資家の関心が企業の業績に向かうことになるだろう。機関投資家は決算が通過するまでは積極的には動かないと考えられ、個人や短期のヘッジファンドなどによる決算を手掛かりとした日替わり物色が中心になると見ておきたい。また、岸田首相は先週、ロンドンの金融街シティーで講演し「資産所得倍増プラン」を進めることを明らかにした。また、新型コロナウイルス対策について6月にも段階的に見直す方針を表明し、水際対策のほか国内活動の緩和も視野に入れるようであり、日米金利差拡大による円安基調が続くなか、海外勢による資金流入への期待が高まる可能性がある。そのため、売り一巡後は次第に底堅さが意識されると見られるほか、売り仕掛け的な動きに対しては押し目狙いの資金流入が意識されよう。
物色については決算を手掛かりとしたなか、ナスダックが連日で年初来安値を更新している状況であるため、内需系企業の決算反応が注目されよう。調整が続いていた銘柄については、大幅減益見通しといったものではなければ、ひとまずアク抜け感が台頭する可能性はありそうだ。なお、6日取引終了後に決算を発表したところでは、JAL<9201>、テクノスマート<6246>、ヘリオスTH<6927>、ヒロセ電<6806>、栗田工<6370>、アルメディオ<7859>、JIG-SAW<3914>辺りが注目されそうである。
■JAL、22/3純損失▲1775億円、23/3予想450億円黒字転換へ
JAL<9201>が発表した2022年3月期決算は、純損失が1775.50億円の赤字だった。21年3月期(2866億円の赤字)から赤字幅は縮小。2023年3月期の最終損益は450億円の黒字になりそうだと発表。新型コロナウイルス感染の影響が収束に向かうなか、旅客需要の回復により3期ぶりの最終黒字を見込んでおり、コンセンサス(370億円程度)を上回る。
■前場の注目材料
・日経平均は上昇(27003.56、+185.03)
・1ドル=130.70-80円
・VIX指数は低下(30.19、-1.01)
・米原油先物は上昇(109.77、+1.51)
・米国景気の拡大
・コロナ流行下の経済活動正常化
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・有権者、防衛力強化「賛成」6割超、ロシアの侵攻影響か
・北、SLBM発射か、今年14回目、短距離弾、EEZ外に
・東部2州攻防続く、ウクライナ侵攻、製鉄所からは50人退避
・安保理が「深い懸念」ウクライナ侵攻、初の議長声明
・三菱UFJ、ネット広告参入、サイバーエージェントと提携
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:30 3月毎月勤労統計・現金給与総額(前年比予想:+0.8%、2月:+1.2%)
<海外>
・時間未定 中・4月輸出(前年比予想:+2.5%、3月:+14.7%)
・時間未定 中・4月輸入(前年比予想:-3.0%、3月:-0.1%)
《ST》
提供:フィスコ