【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):コメダ、サンリオ、JAL
コメダ <日足> 「株探」多機能チャートより
コメダホールディングス<3543>は7日続伸し年初来高値を更新。SMBC日興証券が19日付で、投資評価「1」を継続し、目標株価を2900円から3100円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、外食業界は新型コロナの感染再拡大や川上インフレ、人件費の上昇などさまざまなリスクを抱えているが、同社はいずれも影響は相対的に小さく23年2月期に過去最高益を更新できる数少ない企業と評価。業績は、23年2月期営業利益は前期比11%増益の81億円、24年2月期は同13%増益の91億円を予想しており、新店の寄与と既存店向けの卸売売上高の回復、価格改定の寄与が見込まれる23年2月期下期と24年2月期上期の増益率が高くなると予想している。
■長瀬産業 <8012> 1,853円 +36 円 (+2.0%) 本日終値
長瀬産業<8012>は続伸。同社は19日、日立製作所<6501>及び日立プラントサービスと、バイオテクノロジーとデジタル技術を組み合わせて、物質生産能力を最大限引き出した微生物(スマートセル)を用いた希少アミノ酸などの生産プロセスの実用化に向けた共同開発を開始すると発表しており、これが好感された。今回共同開発するのは、一般的な化学合成法と比べて環境負荷を抑えつつ、有用物質の生産性を大きく向上できる可能性を持つスマートセルによる次世代バイオ生産技術。実用化への課題である生産プロセスのスケールアップと安定生産に向けて、3社が培ってきた技術と知見を最大限に生かして取り組むとしている。
■アドヴァングループ <7463> 801円 +12 円 (+1.5%) 本日終値
アドヴァングループ<7463>は4日ぶりに反発。19日の取引終了後、上限を220万株(発行済み株数の5.5%)、または17億3580万円とする自社株を、20日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表しており、これが好材料視された。資本効率の向上並びに経営環境の変化に応じた機動的な資本政策の遂行を可能にするためという。
■サンリオ <8136> 2,799円 +38 円 (+1.4%) 本日終値
サンリオ<8136>が上値追い鮮明、一時60円高の2821円まで買われ年初来高値を更新した。昨年11月につけた高値2885円払拭も視野に入っており、ここを上抜けば2015年12月以来約6年4カ月ぶりの高値圏に浮上する。「ハローキティ」などを中心にキャラクターの企画・販売及びライセンス事業を展開する。世界的なインフレ高進も、マニアによって支えられるエンターテインメント分野は、消費者の財布の紐が緩みやすく相対的に売り上げが落ちにくく、値上げも受け入れられやすい。また、同社のように強力なキャラクターを有しIP戦略を打ち出せる企業は、メタバースとの融合で企業価値が高まる可能性があり、マーケットでも注目度が高まっている。
■日本航空 <9201> 2,200円 +23 円 (+1.1%) 本日終値
日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>など空運株に買いの矛先が向いている。原油価格高騰を背景に燃油コスト上昇が収益面にデメリットを与えるとの思惑からここ上値の重い展開にあったが、前日は原油市況が大幅下落したこともあって目先売り圧力が低減している。また、JALは前日に日本発の旅客を対象にした燃油サーチャージについて6~7月発券分の大幅な引き上げを国土交通省に申請したことを発表しており、これが今後の業績にプラスに働くとの思惑も投資資金を引き寄せる形となっている。
■技研製作所 <6289> 3,530円 +35 円 (+1.0%) 本日終値
技研製作所<6289>が続伸。午後1時ごろ、超小型電気自動車専用の機械式駐車場「EVエコパーク」を開発したと発表しており、これが好感された。「EVエコパーク」は、省スペースかつ大容量、スピーディーな入出庫など通常の「エコパーク」が提供する機能に、駐車中に自動充電できるという付加価値を新たに持たせたことが特徴。同社では、カーシェアリングや配送、送迎など設置後の運用やサービスを含めたパッケージでの提供を目指しており、まずは新しいまちづくりのデザインに参画すべく、スマートシティやスーパーシティへの導入を目指すとしている。
■メルカリ <4385> 2,379円 -243 円 (-9.3%) 本日終値
メルカリ<4385>が大幅安で5日続落。19日の取引終了後、22年6月期第2四半期単独業績で、関係会社株式評価損38億3700万円を特別損失として計上したと発表しており、これが嫌気された。なお、連結決算上では消去されるため連結損益への影響はないとしている。
■いちご <2337> 296円 -19 円 (-6.0%) 本日終値 東証プライム 下落率10位
いちご<2337>が大幅続落。19日の取引終了後に発表した23年2月期連結業績予想で、営業利益97億~106億円(前期比3.2%減~5.8%増)を見込むとしており、減益の可能性があることが嫌気された。再生エネ関連事業などが堅調に推移するものの、前期にオフィスを売却した反動に加えて、ホテルの回復を見込まずアセットマネジメント事業を保守的に見込んだことが響く。なお、22年2月期営業利益は100億1800万円(前の期比3.6%増)だった。同時に、上限を550万株(発行済み株数の1.17%)、または15億円とする自社株買いを実施すると発表している。取得期間は4月20日から7月14日まで。
■メディアリンクス <6659> 238円 +50 円 (+26.6%) ストップ高 本日終値
メディアリンクス<6659>がストップ高。今月8日に22年3月期業績予想の下方修正を発表し、これを受けて週をまたいだ11日にマドを開けて売り込まれ、18日には161円の年初来安値まで株価水準を切り下げたが、その後は急速に切り返す展開。市場では「明確な買い材料は見当たらないが、それだけに急伸した場面では空売りを呼び込んでおり、その空売りを足場にした踏み上げ(強制的な買い戻しによる株価上昇)の色が強い」(国内証券マーケットアナリスト)という。信用残は直近4月15日申し込み現在で信用倍率は1.75倍だが、日証金では売り残が買い残を上回っており、19日時点で貸借倍率が0.69倍となっている。同日付で貸株規制が発動されている状況にあり、需給相場の様相を呈している。
■ペルセウス <4882> 396円 +32 円 (+8.8%) 本日終値
ペルセウスプロテオミクス<4882>が大幅続伸。午前10時ごろ、東海大学総合医学研究所造血腫瘍分野の幸谷愛教授の研究グループと共同で、アグレッシブNK細胞白血病(ANKL)の治療剤に関連する特許を国内出願したと発表しており、これが好材料視された。ANKLは、免疫細胞の一種であるNK(ナチュラルキラー)細胞に由来する悪性リンパ腫という血液がんで、発症すると急激に病態が悪化する劇症型の難治性造血系悪性腫瘍。両者の研究では、患者由来腫瘍細胞を移植したマウスモデルを用いて開発中の抗体医薬品候補PPMX-T003の投与実験を行った結果、極めて高いがん細胞増殖抑制効果及び生存期間の延長を確認したという。
株探ニュース