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【材料】クシム---1Q各利益が黒字転換、インキュベーション事業での暗号資産運用により収益獲得

クシム <日足> 「株探」多機能チャートより

クシム<2345>は11日、2022年10月期第1四半期(21年11月-22年1月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比37.9%減の3.34億円、EBITDAが0.68億円(前年同期はマイナス0.27億円)、営業利益が0.44億円(同0.51億円の損失)、経常利益が0.47億円(同0.41億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が0.28億円(同0.36億円の損失)となった。

ブロックチェーンサービス事業の売上高は前年同期比0.18億円減の0.05億円、セグメント損失は0.04億円(前年同期は0.04億円の利益)となった。2022年3月より連結子会社となったブロックチェーンR&D企業のチューリンガムとの統合プロセスを進めており、統合後の速やかな収益獲得に向けて各プロジェクトの進捗状況の確認や検証を進めている。また、NFTマーケットプレイスについては、2022年2月にプロダクトの納品を完了し、株主向け議決権行使プラットフォーム、暗号資産のレンディングサービスアプリケーション、暗号資産を対象にしたAPI連携による自動トレーディングシステムに続いて、ブロックチェーン技術を用いた開発案件として新たなトラックレコードとすることができた。

システムエンジニアリング事業の売上高は前年同期比2.77億円減の2.36億円、セグメント利益は同0.20億円減の0.21億円となった。法人向け学習管理システムである「iStudy LMS」及び「SLAP」は、病院や企業への新規案件の獲得及び導入により売上及び利益が増加した。eラーニングコンテンツは、IT基礎教育、コンプライアンス、IT資格系のコンテンツについては堅調な売上を上げている。コンテンツ制作サービスについては、大手金融機関から定期的にオーダーメイドeラーニングコンテンツの制作案件を受注し売上も堅調に推移している。イーフロンティアは、メールマガジン会員30万人に向けて、「iStudy LMS」及び「SLAP」を販売展開している。コンシューマ向け製品を中心にeコマース販売のみならず、法人販売、店頭販売も全国的に展開しており、近年では、ソフトウェアのみならず、パソコン周辺機器の販売にも注力している。SES事業およびシステムの受託開発事業はクシムソフトで担っており、顧客システム開発の支援、エンジニア派遣事業を拡充しながら目標稼働率96%を掲げているが、当四半期は目標を大きく上回り100%稼働を達成した。グループシナジーを活かし新しいマーケット開拓を積極的に続けた結果、上位スキル案件へのエンジニア参画が実現し、同時にエンジニアの市場価値の底上げに繋がる好循環が続いた。市場価値の上がったエンジニアによって次案件へのリードタイムの短縮化も加速し部門黒字となった。受託開発も先端分野(AIやブロックチェーンを活用したシステム)に対する画面等の開発実現と、既存顧客から依頼を受けた追加開発においてもすべて遅滞なく納品完了した。さらに順調に案件レコードを積み重ねており、部門黒字を継続している。またエンジニア増員をすることで、さらなる案件拡大を引き受ける体制を整えており、順調に業績拡大している。ケア・ダイナミクスは、介護業界にIT技術を導入することで成長をしてきた。ASPサービスの「Care Online」は、2006年にサービスを開始以来、多くのユーザーに利用されている。

インキュベーション事業の売上高は前年同期比0.92億円増の0.92億円、セグメント利益は同0.92億円増の0.92億円となった。暗号資産運用において、複数の暗号資産への投資を実行し約0.90億円超の収益獲得に至った。M&Aおよび資本提携による事業投資については、事業承継やバイアウトを目指す企業の増加に伴い、譲渡金額相場が上昇傾向にあり、企業の財政状態や将来の獲得キャッシュフローに基づく想定企業価値とのギャップが大きいケースが多く、2021年9月にFLOCからの事業買収以降、成約には至っていない。

2022年10月期の連結業績予想については、現段階では業績予想の合理的な算定が困難であることから未定としており、今後、合理的な予想が可能となった時点で速やかに公表するとしている。

《ST》

 提供:フィスコ

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