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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):昭電工、アイドマHD、マネフォ

昭電工 <日足> 「株探」多機能チャートより
■昭和電工 <4004>  1,995円  +188 円 (+10.4%)  本日終値  東証1部 上昇率9位
 昭和電工<4004>が5日ぶりに急反発。10日付の日本経済新聞朝刊で「昭和電工は2024年までに、取引関係などのある企業の株式である政策保有株(持ち合い株)を原則全て売却する方針を明らかにした」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、24年までに保有する39銘柄を全て売却し、450億円の資金を捻出するという。このほか、不動産などの売却資金も活用して25年12月期までに1300億円を捻出し、成長投資や日立化成の買収などで膨らんだ負債の返済原資に充てるとしている。なお、同社は9日にグループ会社である昭和電工マテリアルズとの統合新会社の商号を「レゾナック」とすることを明らかにしている。

■ラウンドワン <4680>  1,236円  +111 円 (+9.9%)  本日終値
 ラウンドワン<4680>は大幅上昇。同社は9日取引終了後に2月の売上状況(速報)を発表し、既存店売上高はコロナ禍前の19年2月との比較で21.5%減となったが、織り込み済みとの見方が優勢のようだ。カラオケが同52.9%減、スポッチャが同36.3%減、ボウリングが同32.7%減など、全セグメントで下回った。なお、まん延防止等重点措置の拡大などに伴う各地方自治体からの要請を受け、カラオケにおいて時短営業や飲食及び酒類の提供制限を行ってきたが、3月6日に各地方自治体の要請が緩和されたことから、順次通常営業を再開しているとした。

■アイドマHD <7373>  2,724円  +232 円 (+9.3%)  本日終値
 アイドマ・ホールディングス<7373>は急伸。同社は9日取引終了後、AI定性与信審査技術の開発や、同技術を用いたFintechサービスを展開するH.I.F.(東京都新宿区)と資本・業務提携を行うと発表した。H.I.F.の既存株主から発行済み株式の一部を譲り受けるほか、優先株や新株予約権の第三者割当を3月31日に引き受けるもので、取得価格は約5億円。アイドマHDの強みである(1)テクノロジー、(2)クラウドワーカーの活用、(3)膨大な蓄積データ(独自ノウハウ)の提供を通じて、H.I.F.のAI定性与信審査モデルの学習効率と審査能力向上及び企業価値向上に貢献するとした。

■マネーフォワード <3994>  5,510円  +340 円 (+6.6%)  本日終値
 マネーフォワード<3994>は大幅反発。同社はきょう午前10時に、子会社のマネーフォワードケッサイが凸版印刷<7911>と業務提携を行うと発表した。マネーフォワードケッサイが凸版に対して請求・決済代行のサービス基盤を提供し、凸版ではこれを活用して、企業向け請求代行サービス「t-billing powered by Money Forward Kessai」を4月1日に開始する。凸版との取引がある法人顧客向けのサービスで、掛売りする際の与信審査、請求書発行・送付、入金管理までの一連の請求・決済業務を代行するとした。

■ニッパツ <5991>  836円  +51 円 (+6.5%)  本日終値
 ニッパツ<5991>は大幅高。同社は9日取引終了後、川崎市幸区に所在する土地を国内の事業法人に譲渡し、22年3月期第4四半期に特別利益として売却益260億円を計上する予定であると発表した。この土地は現在、ゴルフ練習場として使用している。中期経営計画に基づいて譲渡するとし、決済は3月29日、物件引き渡しは7月31日を予定。

■レーサム <8890>  856円  +51 円 (+6.3%)  本日終値
 レーサム<8890>は急伸。9日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を620億円から660億円(前期比2.0倍)へ、営業利益を80億円から104億円(同6.3倍)へ、純利益を48億円から63億円(同9.5倍)へ上方修正し、あわせて27円を予定していた期末一括配当予想を35円(前期4円)へ引き上げたことが好感された。主力の資産価値創造事業で大型物件の売却が実現したことに加えて、想定よりも高い利益率での物件売却が実現したことが要因としている。

■FRONTEO <2158>  1,802円  +106 円 (+6.3%)  本日終値
 FRONTEO<2158>が大幅反発。9日の取引終了後、自社開発AIエンジン「Concept Encoder」の機能である「Concept Encoder Optimizer」について、日本における特許を取得したと発表。これが好材料視されたようだ。今回特許を取得したConcept Encoder Optimizerは、Concept Encoderが見出した危険因子に対して、その発生確率を下げるための改善・予防策を明示する機能。建設・製造現場の事故予測に対する予防策を提示し、安全性の向上に貢献するという。

■レーザーテック <6920>  18,370円  +970 円 (+5.6%)  本日終値
 レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置の主力株は急速に切り返す展開。前日の欧米株が一気に戻り足に転じており、米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が揃って大幅高に買われたほか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続伸し4%近い上昇をみせた。個別では画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が7%高、またリソグラフィー大手でADR銘柄のASMLホールディング<ASML>は8.4%高と急騰した。東京市場にもこの流れが波及し、半導体セクターへの買い戻しが活発化している。

■トヨタ自動車 <7203>  1,945.5円  +100 円 (+5.4%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が大幅続伸。外国為替市場ではここ円売りの動きが強まっており、足もとでは約1カ月ぶりに1ドル=116円台まで円安方向に振れる場面があった。米国ではFRBがインフレの高進を重くみて、金融引き締め姿勢を強めていることもあり、日米金利差拡大の思惑が為替動向にも反映されている。自動車セクター以外にも海外売上比率の大きいハイテクセクターや、日本郵船<9101>や商船三井<9104>など運賃がドル建て決済の海運株にもポジティブ材料として働いている。

■アズワン <7476>  7,240円  +370 円 (+5.4%)  本日終値
 アズワン<7476>は5日ぶりに反発。9日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を851億6000万円から868億円(前期比6.4%増)へ、営業利益を86億3000万円から92億9000万円(同6.1%減)へ、純利益を62億4000万円から72億2000万円(同20.6%増)へ上方修正し、39円50銭を予定していた期末配当予想を53円に引き上げると発表したことが好感された。主なマーケットである研究や開発向けにおいて官民ともに需要が伸長したほか、反動減を見込んでいた医療・介護向けも想定を上回り底堅く推移していることが要因。また、販管費の抑制も寄与する。なお、1月1日付で1株から2株への株式分割を行っており、これを考慮すると年間配当は実質増配となる予定だ。

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