【市況】14日の米国市場ダイジェスト:NYダウ171ドル安、露ウクライナ緊張が重し
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウ171ドル安、露ウクライナ緊張が重し
米国株式市場は続落。ダウ平均は171.89ドル安の34566.17ドル、ナスダックは0.23ポイント安の13790.92で取引を終了した。セントルイス連銀のブラード総裁がTVインタビューで、金融引き締め計画を前倒しで実施する必要性を強調したほか、ロシアが近くウクライナ侵攻に踏み切るとの警戒感がくすぶり、寄り付き後、下落した。そののち、ロシアのプーチン大統領が依然、外交的解決も選択肢としていると報じられ下げ幅を縮小する局面もあったが、政府がキエフのウクライナ大使館の移転計画を明らかにすると、再び売りが加速。終日軟調推移となった。セクター別では自動車・自動車部品、小売りが上昇した一方で、エネルギー、各種金融が下落した。
電動トラックメーカーのリビアン(RIVN)は著名投資家ソロス氏が運営するソロスファンドが第4四半期に同社株式2000万近く取得したことが、届け出報告書により明らかになり、上昇。半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)はアナリストの投資判断引上げで上昇した。肉食メーカーのタイソン・フーズ(TSN)は強い売上がすでに株価に織り込み済みとの理由で、アナリストが投資判断を引き下げ、売られた。バーベキューグリルメーカーのウェーバー(WEBR)は決算で、供給不足が影響し1株損失が予想以上に落ち込んだほか、見通しも予想を下回り下落。
投資家の恐怖心理を示すVIX指数は一時32まで上昇し、1月末以来の高水準となった。
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■NY為替:ウクライナ侵攻リスクを警戒してドル・円は上げ渋る
14日のニューヨーク外為市場でドル・円は、115円75銭まで上昇後、一時115円37銭まで反落し、115円56銭で引けた。ウクライナ情勢を巡り、ロシアのラブロフ外相がプーチン大統領に西側諸国との対話継続を推奨し、大統領も了承したと報じられたことから、外交的解決も選択肢となるとの期待でリスク回避の動きが後退した。ブラード米セントルイス連銀総裁が7月まで1%ポイントの利上げが望ましいとの見方をインタビューで繰り返すと金利上昇に伴うドル買いが強まった。その後、米国がウクライナ首都キエフの大使館を一時的にポーランド近くに移転させる計画を示したことから、ロシアのウクライナ侵攻リスクへの警戒感が再び高まり、リスク回避の円買いが強まった。
ユーロ・ドルは1.1331ドルから1.1280ドルまで下落し、1.1306ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が「ECBのいかなる政策修正も緩やかなペースで行う」とし、利上げを急がない姿勢を示したほか、ロシアと西側諸国との緊張がユーロ域内に影響することを警戒したユーロ売りが観測された。ユーロ・円は130円87銭まで上昇後、130円21銭まで反落。ポンド・ドルは1.3509ドルから1.3541ドルの範囲内で推移した。ドル・スイスは0.9272フランから0.9245フランまで下げた。
■NY原油:続伸で95.46ドル、時間外取引で一時95.82ドル
NY原油先物3月限は、大幅高(NYMEX原油3月限終値:95.46 ↑2.36)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比+2.36ドルの95.46ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは92.09ドル-95.82ドル。ニューヨーク市場の序盤に92.09ドルまで下げており、一時伸び悩んだが、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性は消えていないため、通常取引終了後の時間外取引で再上昇し、一時95.82ドルまで買われた。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 47.42ドル -0.50ドル(-1.04%)
モルガン・スタンレー(MS) 102.57ドル -2.00ドル(-1.91%)
ゴールドマン・サックス(GS)360.24ドル -2.82ドル(-0.78%)
インテル(INTC) 47.58ドル -0.05ドル(-0.10%)
アップル(AAPL) 168.88ドル +0.24ドル(+0.14%)
アルファベット(GOOG) 2706.00ドル +23.40ドル(+0.87%)
フェイスブック(FB) 217.70ドル -1.85ドル(-0.84%)
キャタピラー(CAT) 199.89ドル -1.35ドル(-0.67%)
アルコア(AA) 73.86ドル +0.34ドル(+0.46%)
ウォルマート(WMT) 133.95ドル -1.38ドル(-1.02%)
《ST》
提供:フィスコ