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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 2万7000円近辺での底堅さを見極めつつ、NTショートによるスプレッド狙いに


大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 27380 -320 (-1.15%)
TOPIX先物 1946.5 -19.5 (-0.99%)
シカゴ日経平均先物 26930 -770
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 11日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。前日には1月の米消費者物価指数(CPI)が予想以上に上昇したほか、米セントルイス連銀のブラード総裁によるタカ派発言も伝わったことが嫌気された。米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締めを急ぐとの見方からNYダウは520ドルを超える下落に。この日はインフレ加速を背景とした金融引き締めへの警戒に加えて、ロシアのウクライナ侵攻への警戒も強まってリスク回避の売りが広がり、NYダウは連日で500ドルを超える下落となった。ナスダックは終値で6営業日ぶりに1万4000ポイントを割り込んだほか、S&P500業種別指数はエネルギー、食品・飲料・タバコ、公益事業が上昇する一方で、半導体・同製造装置、自動車・同部品、メディアが下落。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は10日の日中大阪比770円安の2万6930円で取引を終えた。日経225先物(3月限)の10日通常取引終了後のナイトセッションは日中比10円安の2万7690円で始まり、直後につけた2万7750円を高値に弱い基調を継続。米国市場の取引開始後に2万7500円を割り込み、いったんは2万7730円とプラスに転じる場面も見られたものの、終盤にかけて再び下落基調が強まり、2万7330円まで下げ幅を広げ2万7380円で取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップスタートになろう。米CPIによる影響はナイトセッションで織り込まれているものの、翌11日の地政学リスクの高まりによりシカゴ先物は節目の2万7000円を割り込んできた。寄り付き段階でヘッジ対応の売り圧力が強まることから、イレギュラー的に下落幅を広げてくる可能性がありそうだ。チャート上では25日移動平均線に上値を抑えられる格好からの調整で支持線として意識されていた5日線を下回ってきた。トレンドが悪化するなか、まずは売り一巡後の底堅さを見極めることになろう。東京市場は米CPIを控えての3連休だったこともあり、大きくポジションを傾けているとは考えづらいため、売り一巡後は次第に落ち着いた動きを見せてきそうだ。

 ロシアのウクライナ侵攻への警戒が強まるなか、神経質にならざるを得ない状況である。9日に1カ月ぶりに20.00を下回ったVIX指数だったが、27.36に上昇しており、一時30.99まで急伸する場面もあった。ただし、地政学リスクによるボラティリティの大きな変動は短期的な動きとなりやすいこともあり、急落局面では押し目狙いのトレードも入りやすい面はある。楽観視はできないものの、2万7000円近辺での底堅さが見られるようだと、2万7000円~2万7500円のレンジをキープする可能性はありそうだ。

 もっとも、ロングに傾けづらい需給状況と考えられ、ヘッジを考慮したスプレッド狙いが有効だろう。なお、先週のNT倍率は先物中心限月で14.08倍だった。これまでの支持線を下回ってきたことでサポートが失われているため、NTショート(日経225先物売り・TOPIX先物買い)によるスプレッド狙いに向かわせよう。地政学リスクが和らぐ局面においては、日経225先物のショートを減らし、TOPIX型で若干ロングに傾ける戦略となる。

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