【市況】株価指数先物【寄り前コメント】　年末ラリーへの期待が一段と高まるなか、2万9000円突破から直近戻り高値を窺う展開へ

大阪3月限ナイトセッション
日経225先物　28970　+320 （+1.11％）
TOPIX先物　1999.0　+23.0　（+1.16％）
シカゴ先物　28970　+320
（注：ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比）

　27日の米国市場はNYダウ、 S＆P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。マスターカード<MA>がまとめた年末商戦の売上高は前年比8.5％増加し、実店舗とオンラインともに販売が拡大。特に衣料品や宝飾品、電子機器への支出がコロナ禍前の2019年水準と比べて大幅に伸びたことが米経済への楽観的な見方につながり、買い優勢の展開となった。S＆P500は連日で最高値を更新。S＆P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、テクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で、下落は電気通信サービスのみだった。また、SOX指数は構成銘柄すべてが上昇し、最高値を更新した。

　シカゴ先物（3月限）清算値は日中大阪比320円高の2万8970円で取引を終えた。日経225先物（3月限）のナイトセッションは日中比10円高の2万8660円で始まり、利益確定で2万8630円まで下押す場面も見られたものの、その後は強い基調を継続。米国市場の取引開始後に2万8800円を回復すると、一時2万8990円まで上昇し、2万8970円取引を終えた。

　本日の日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行で始まろう。祝日明けの米国ではS＆P500が連日で最高値を更新したほか、NYダウ、ナスダックは直近の戻り高値を上回ってきており、11月下旬以降の下げの主因だったヘッジファンドによるショートカバーの動きが強まったようだ。年末ラリーへの期待が一段と高まるなか、日経225先物は節目の2万9000円突破からの強いトレンド形状が見込まれる。

　日経225先物はナイトセッションで75日移動平均線水準まで上昇したことにより、12月17日につけた戻り高値2万9150円（ナイトセッションを含む）が意識されてくるだろう。もっとも、商いはそれほど膨らむとも考えづらく、節目の2万9000円では強弱感が対立しやすい。ただし、2万9000円を突破し戻り高値を捉えてくるようだと、11月下旬以降の2万9500円から2万7500円水準までの急落局面で積み上がったショートポジションによるカバーの動きを強めてくる可能性もあるため、買い一巡後に弱含む局面があれば押し目狙いのロングスタンスとなろう。

　VIX指数は17.68に低下しており、1カ月ぶりの水準となることから、リスク選好ムードによって新たなショートは仕掛けづらい状況である。米国では半導体株が上昇しているほか、アップル<AAPL>やマイクロソフト<MSFT>など大型テック株が買われており、連日で最高値を更新している東京エレクトロン<8035>など値がさハイテク株への支援材料になろう。昨日のNT倍率は先物中心限月で14.49倍と横ばい推移だったものの、トレンドは上向きで推移している。11月の保ち合いレンジだった14.50～14.60倍水準が意識されやすく、NTロングによるスプレッド狙いの動きも入りやすいだろう。

株探ニュース