【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):東エレク、JT、トヨタ
東エレク <日足> 「株探」多機能チャートより
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連に買いが集まった。前日の米国株市場ではNYダウをはじめ主要株指数が揃って大幅高に買われたが、ハイテク株への買いが目立ち、特に半導体関連セクターへの投資資金の流入が顕著となった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3.7%高と急伸、これを引き継ぎ東京市場でも相対的に出遅れる半導体セクターへの買い注文が顕著となっている。外国為替市場で1ドル=114円台に入るなどドル高・円安が進んでいることも追い風となっている。
■ウイングアーク1st <4432> 2,149円 +34 円 (+1.6%) 本日終値
ウイングアーク1st<4432>は反発。同社はきょう午前11時ごろ、22年1月の電子帳簿保存法改正の最新要件を満たす機能とユーザビリティを強化した文書活用ソリューション「SPA Cloud」及び電子取引サービス「invoiceAgent TransPrint」の提供を20日に開始すると発表した。「SPA Cloud」は、印字や手書き文字を高精度で認識し、デジタル化する技術「AI OCR」による高精度な文書のデータ化・ペーパーレス化と、電子帳簿保存法に適した文書管理を行える文書活用ソリューション。「invoiceAgent TransPrint」は請求書・支払通知書・注文書・納品書など、あらゆる企業間取引文書の電子化と配信・返信を可能にし、取引にひもづく文書の一元管理や電子帳簿保存法に対応する電子取引サービス。
■JT <2914> 2,402.5円 +29 円 (+1.2%) 本日終値
JT<2914>が4日続伸、上げ幅こそ小さいが株価が緩む場面では着実に買いが入りジリジリと水準を切り上げている。きょうは11月8日につけた高値2387円50銭を上回り年初来高値に買われた。国内では紙巻きたばこの販売は減少の一途だが、英国など海外では好調な伸びを示し、同社の21年12月期は増収増益を確保できるとの見方が強い。一方、同社は21年12月期に年140円配当を計画、配当利回りが5.8%と高いほか株主優待も充実していることから、今月末を前にして権利取り狙いの買いも株価の値動きに反映されている。
■三菱UFJ <8306> 644.3円 +7.1 円 (+1.1%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などが堅調な値動き。前日の米国株市場ではFOMCの結果を受け長期金利が上昇した。ドットチャートで来年にFRBが年3回の利上げを行うとの予想が示されたことで、金利の先高期待が強まっている。米国事業を手掛けるメガバンクなどの大手金融機関は運用環境の改善による収益メリットが期待できる状況で、これを好感する形で買いが優勢となっている。また、10年債利回りだけでなく30年債利回りも大きく上昇傾向にあることから、長期運用を行う大手生保株への追い風が強い。
■トヨタ自動車 <7203> 2,139.5円 +21 円 (+1.0%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>が3日続伸、一時2162円50銭まで上昇し、11月17日につけた2188円の上場来高値(分割修正後株価)の更新まであと26円に迫る場面があった。このほか、日産自動車<7201>やホンダ<7267>、SUBARU<7270>など自動車株は軒並み買いが優勢の展開となっている。米国ではFOMCを通過して金利の先高観測が強まり、外国為替市場ではドルを買う動きを誘発している。足もとでは1ドル=114円10銭台の推移と円安基調が鮮明で、為替感応度の高い自動車セクターには輸出採算向上の思惑が株価にプラスに働いている。トヨタは今週14日、電気自動車(EV)の世界販売台数を2030年に350万台とする目標を発表した。従来は燃料電池車(FCV)と合わせ200万台という目標を示していたが、そこから8割の大幅上方修正でマーケットの注目を浴びた。きょうもその余韻が残っており、同社株だけでなく、今後これに追随してEV戦略強化の動きが予想される他の自動車メーカーや、EV用電池材料を手掛ける企業などの株価を押し上げる効果をもたらしている。
■オハラ <5218> 1,360円 -201 円 (-12.9%) 本日終値 東証1部 下落率2位
オハラ<5218>は3日ぶりに急反落。同社は15日取引終了後、22年10月期連結業績予想について、売上高240億円(前期比2.0%増)、営業利益17億5000万円(同27.9%増)、純利益14億円(同4.1%減)、年間配当予想15円(前期は15円)と開示したが、最終減益見通しが嫌気されたようだ。プロジェクター、監視カメラ、車載カメラなどの分野では画像の高精細化の進展により、品質の高い光学ガラスに対するニーズが高まることが想定され、光通信市場では5Gの環境整備に向けた設備投資が見込まれるとした。あわせて発表した21年10月期連結営業利益は13億6800万円(前の期は17億2400万円の赤字)となり、会社計画の13億円を上回った。光事業の関連市場でデジタルカメラが、ミラーレスカメラ向けを中心に持ち直したとしている。
■スマレジ <4431> 2,500円 -276 円 (-9.9%) 本日終値
スマレジ<4431>は大幅反落。同社は15日取引終了後、22年4月期第2四半期累計(5~10月)単独営業利益が4億3200万円(前年同期比25.1%増)と発表した。通期計画5億9400万円(前期比29.7%減)に対する進捗率は72.7%となったが、通期見通しが据え置かれたことを嫌気した売りが優勢のようだ。上期は有料店舗数の増加による売り上げ増が寄与したという。また、8日に発表したロイヤルゲートの子会社化に伴い、22年4月期第3四半期から連結決算を開始する。開示した連結業績予想は売上高41億3500万円、営業利益5億2300万円、純利益は4億5400万~5億6400万円のレンジとした。負ののれんの発生に伴う特別利益計上を見込むが、資産の収益性や回収可能性の検討など不確実性を多く含んでいるため、純利益はレンジで開示したとしている。
■日本ケミコン <6997> 1,803円 -113 円 (-5.9%) 本日終値 東証1部 下落率4位
日本ケミコン<6997>は大幅安で6日続落。15日の取引終了後、米国における集団民事訴訟について原告との間で和解することを決定したと発表、これに伴う和解金1億6000万ドル(約180億円)を特別損失に計上すると発表しており、これを嫌気した売りが出たようだ。同社とその米国子会社は、米国カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所において、電解コンデンサーとフィルムコンデンサーに関する米国反トラスト法違反について損害賠償を求める集団民事訴訟の提起を受けていた。会社側では、損害賠償の責任を認めていないとしているものの、諸般の事情を総合的に勘案した結果、和解することを決定したという。なお、同件が業績に与える影響については現在精査中とし、見通しがつき次第速やかに開示するとしている。
■ヤーマン <6630> 903円 -42 円 (-4.4%) 本日終値 東証1部 下落率8位
ヤーマン<6630>が3日続落し、年初来安値を更新。大和証券は15日、同社株の投資判断を「2(アウトパフォーム)」から「3(中立)」に引き下げた。目標株価は1600円から1000円に見直した。同社は美顔器など家庭用美容機器が主力。中国の独身の日における好調もあり、海外が続伸している。ただし、国内での全ての販売チャネル(通販、店販、直販)において減速感は否めない、と指摘。また、部品などの調達コストの上昇により総利益率が低下しており、広告宣伝費が急速に増加していることを警戒している。同証券では22年4月期の連結営業利益を従来予想の74億円から会社計画と同水準の64億円(前期比4.6%増)に見直したほか、23年4月期の同利益は81億円から68億円に下方修正している。
■パーク24 <4666> 1,615円 -42 円 (-2.5%) 本日終値
パーク24<4666>は買い先行も値を消す展開。同社は15日取引終了後、22年10月期連結営業利益は135億円(前期は80億3900万円の赤字)、純利益は25億円(同116億5800万円の赤字)との計画を開示した。寄り付きは黒字転換を好感した買いが先行したが、無配継続の見通しであるほか、コロナ禍前の19年10月期営業利益223億2200万円、純利益123億4800万円を回復できない見通しであることから、買い一巡後は伸び悩んでいる。駐車場事業国内においては感染症の影響は軽減され、人の移動も持ち直すと想定しているのに対し、駐車場事業海外においては駐車場の稼働は徐々に回復するものの、感染症拡大前の水準には回復しないと想定しているとした。
株探ニュース