【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):サンバイオ、OLC、キヤノン
OLC <日足> 「株探」多機能チャートより
GA technologies<3491>は大幅続伸。同社は15日取引終了後、22年10月期連結業績予想について、営業利益5700万円、純損益7億円の赤字と開示した。今期からIFRSを任意適用するため、前年との比較は記載されていない。会計基準変更によって単純な比較はできないものの、21年連結営業損益の3900万円の赤字(前の期は18億8800万円の黒字)からの黒字転換、及び純損益12億6900万円の赤字(同9億300万円の黒字)からの赤字幅縮小を好感した買いが優勢となったようだ。あわせて、資産運用型マンションの販売・賃貸や中古住宅のリノベーション・販売を行うリコルディ(東京都千代田区)を完全子会社化することも発表した。22年3月1日までに、既存株主から議決権割合35.71%の株式を取得し、残りは株式交換によって取得するとしている。
■サンバイオ <4592> 1,097円 +150 円 (+15.8%) ストップ高 本日終値
サンバイオ<4592>がストップ高。同社が15日取引終了後に発表した21年2~10月期決算は最終損益が31億1500万円の赤字(前年同期は48億4100万円の赤字)となった。一方、同日にりそな銀行とコミットメントラインの契約を締結し、10億円を調達することを発表しており、これが好感される形となった。なお、全米外傷性脳損傷レジストリ協会の設立会員として参画したこともあわせて発表しており、これも株価を刺激する材料となった。同社株は11月下旬以降急速に水準を切り下げ、前日ザラ場に933円の年初来安値まで売り込まれていたが、大底圏で値ごろ感も意識されやすく、値幅取り狙いの買いを呼び込む形となっている。
■オリエンタルランド <4661> 20,455円 +1,365 円 (+7.2%) 本日終値
オリエンタルランド<4661>がマドを開けて買われる展開となり、2万円大台を回復し上場来高値を更新した。2万円台乗せは11月17日以来1カ月ぶりとなる。新型コロナウイルスのオミクロン株が世界的に猛威を振るっているが、日本国内では新規感染者数が低く推移しており、現状で経済活動への影響は軽微となっている。テーマパークの国内最大手である同社は今年度(22年3月期)後半に巻き返し、通期の業績予想はホテル事業の底上げも寄与して赤字幅が大幅減少する見通し。年末年始は書き入れ時で株価も刺激されやすい。信用買い残も39万株と少なく信用倍率は1.24倍と拮抗、株式需給面でも上値が軽い。
■キヤノン <7751> 2,843円 +174 円 (+6.5%) 本日終値
キヤノン<7751>は大幅高で4日続伸。15日の取引終了後、45円を予定していた期末配当予想を55円に増額修正しており、これが好感された。年間配当予想は100円となり、前期実績に対しては20円の増配になる予定だ。
■日本郵船 <9101> 8,490円 +450 円 (+5.6%) 本日終値
日本郵船<9101>が3日ぶり急反発したほか、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手海運株が揃って上昇、業種別騰落率でも「海運」は4%を超える上昇をみせ東証1部33業種中で群を抜くトップとなっている。前日の米国株市場ではFOMC通過を受けハイテク株を中心にリスク選好ムード一色となった。キャタピラー<CAT>やアルコア<AA>など景気敏感株の一角にも買いが向かっており、東京市場でもこれを受けてグローバル物流に業績が左右されやすい海運株に改めて物色の矛先が向かった。大手海運はPERの低さと配当利回りの高さが際立っており、割安感が極めて強い。商船三井の配当利回りは前日終値換算で10%を超えていた。
■日経レバ <1570> 15,950円 +640 円 (+4.2%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が急伸。日経平均株価に連動する仕組みで組成されたETFで変動率が日経平均の2倍に基本設定されている。全体相場のボラティリティが高まる局面では、個人投資家が日経平均先物を買う感覚で参戦する傾向が強い。前日の米国株市場でNYダウなど主要株指数が揃って大幅高となったことを受け、きょうは日経平均が朝方から先物主導で急速に上値を指向する展開となり、これに連動する形となった。ただ、足もとではインデックス買いが一巡したことで日経平均が伸び悩んでおり、日経レバも上げ幅を縮小している。
■セイコーHD <8050> 2,291円 +84 円 (+3.8%) 本日終値
セイコーホールディングス<8050>が続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が15日付で同社の投資判断を「中立」から「強気」に引き上げ、目標株価を1830円から3800円に大幅増額したことが好材料視された。レポートでは、グローバルブランドの販売が海外で想定以上に順調である点を評価。24年3月期には直近の最高営業利益108億3600万円(18年3月期)を超え、その後も最高営業利益更新に向け市場期待を上回る成長が続くと見込んでいる。次期中計でも海外での事業拡大による利益成長の姿が示される可能性が高いと指摘している。
■デンソー <6902> 9,331円 +314 円 (+3.5%) 本日終値
デンソー<6902>が大幅続伸、上場来高値を連日更新している。SMBC日興証券が15日付で同社の投資判断「1(強気)」を据え置き、目標株価を前回の9500円から1万1000円に引き上げたことが好材料視されたようだ。レポートでは、足もとの業績好調に加え、電動化製品の将来受注の中身について、従来のトヨタ、HV向け中心から「トヨタ外」「EV」向けへのシフトが示されたことは好印象と報告。同証券による24年3月期以降の営業利益予想を上方修正した。トヨタ外、EV向け受注の増加で更なるバリュエーション拡張が期待できるとしている。
■阪急阪神 <9042> 3,455円 +110 円 (+3.3%) 本日終値
阪急阪神ホールディングス<9042>が7日ぶりに反発。岩井コスモ証券は15日、同社株の投資判断を「B+」から「A」に引き上げた。目標株価は4100円を継続した。コロナ禍が収まらないなか、期初計画に比べて同社の営業利益は上方修正されていることを評価している。7月末に2022年3月期の営業利益は70億円増額され300億円に修正されている。阪神タイガースや宝塚歌劇のエンタテインメント事業、それに国際輸送事業が貢献した。コロナ禍を経ても同社が重要視するブランド力は維持できており、これからの回復だけでなく、先行きの成長の際にも力を発揮すると指摘。コロナ前の利益水準までの回復は少し時間がかかるが成長回帰できるだろう、とみている。
■JMDC <4483> 7,770円 +240 円 (+3.2%) 本日終値
JMDC<4483>は3日ぶりの大幅反発。同社はきょう寄り付き前に、子会社であるドクターネットがAI技術を活用し、新型コロナウイルスを含む感染性肺炎の画像診断を支援する「胸部X線肺炎検出エンジン DoctorNet JLK-CRP」の薬事承認を取得したと発表した。普及台数が多い単純X線画像を対象とした、感染性肺炎検出エンジンの薬機法における製造販売承認取得は日本で初めて。日本国内におけるサービス提供及び販売は、JMDCの医用画像AIエンジンプラットフォーム「AI-RAD」において、12月中に開始するとしている。
株探ニュース