【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 FOMC通過で75日線水準を意識、NTスプレッドのリバランスが強まる公算も
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 28840 +370 (+1.29%)
TOPIX先物 2004.0 +20.0 (+1.00%)
シカゴ先物 28865 +395
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場はNYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。11月の米小売売上高が前月比0.3%増と市場予想を下回ったことが嫌気され売り先行で始まった。その後、米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表すると上昇に転じた。FOMCではインフレを抑制する狙いから、テーパリング(量的緩和の縮小)の加速を決め、来年の利上げ回数については従来の1回から3回に増やすことが示された。ほぼ市場の想定内の結果と受け止められ、FOMCを通過した安心感から買いが優勢となった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、医薬品・バイオテクノロジー、テクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で、エネルギー、銀行、電気通信サービスが下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は日中大阪比395円高の2万8865円で取引を終えた。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比50円安の2万8420円で始まり、2万8400円~2万8500円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後につけた2万8390円を安値に切り返し、一時2万8880円まで上昇幅を広げる場面も見られた。その後も高値圏での推移が続き、2万8840円で取引を終えた。
本日の日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行で始まろう。FOMCが想定内の結果だったことでアク抜け感が強まりやすい。ナイトセッションで25日移動平均線を捉えてきたことから、75日線が位置する2万8990円水準が次のターゲットとして意識されてくるかが注目されそうだ。また、SOX指数が3.7%近く上昇したことで、指数インパクトの大きい値がさ株ハイテク株などが日経平均株価をけん引する格好になると見られ、ヘッジ対応の買いなども入りやすいと考えられる。
VIX指数が19.29と強弱感が対立しやすい20を下回ったことも安心感につながる。そのほか、新型コロナウイルス変異株(オミクロン株)について、バイデン米大統領の首席医療顧問も務めるファウチ氏が「専用ワクチンを別途開発する必要は現時点ではない」との見解を示したことも安心材料となろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.34倍に低下した。13日に14.49倍まで上昇したものの、FOMCに対する警戒感から直近2日間で低下する格好だった。NTスプレッドのリバランスも意識されそうであり、NTロングの動きが入ることも想定しておきたい。
株探ニュース