【市況】8日の米国市場ダイジェスト:NYダウ104ドル高、インフラ案可決を好感
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウ104ドル高、インフラ案可決を好感
米国株式市場は続伸。ダウ平均は104.27ドル高の36432.22ドル、ナスダックは10.77ポイント高の15982.36で取引を終了した。すでに上院通過済みの超党派のインフラ案を議会下院が週末可決したことに加えて、ワクチン接種完了者などに対する入国規制の緩和で、回復期待が広がり、寄り付き後、上昇。連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長を始め高官がイベントで、高インフレがいずれ鈍化するとのハト派的な見解を繰り返したため低金利が当面継続するとの見方も手伝い、終日堅調に推移した。主要株式指数は連日で史上最高値を更新し終了。セクター別では半導体・同製造装置が上昇した一方で、自動車・自動車部品が下落した。
重機メーカーのキャタピラー(CAT)は、インフラ法案の成立を受けた需要増加期待に上昇。また、航空会社のアメリカン(AAL)やデルタ(DAL)は入国規制緩和に伴う売り上げ増加期待に上昇した。半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はソーシャルテクノロジーのメタ・プラットフォームズ(FB)と、データセンター用に同社の半導体を提供する契約が成立したとの報道が好感され上昇。バイオのリジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN)は同社開発の新型コロナウイルス感染症の抗体カクテル療法の後期臨床試験結果で1回投与の有効性が81.6%を示したことを明らかにし、買われた。化粧品メーカーのコティ(COTY)は決算の内容が好感され大幅上昇。一方で、電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はムスク最高経営責任者(CEO)の保有株売却の思惑に下落した。
オンライン決算のペイパル(PYPL)は取引終了後、第3四半期決算を発表。調整後一株利益が予想を上回り時間外取引で上昇している。
Horiko Capital Management LLC
■NY為替:米国の早期利上げの可能性は高まっていないとの見方でドル弱含み
8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、113円43銭から113円08銭まで下落し、113円22銭で引けた。エネルギー価格の上昇に連れた商品通貨高でドル売りが優勢となったほか、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利上げの可能性は高まっていないとの見方は変わらず、ドル売りがやや優勢となった。
ユーロ・ドルは1.1564ドルから1.1595ドルまで上昇し、1.1587ドルで引けた。ユーロ・円は131円34銭から130円90銭まで下落した。ポンド・ドルは1.3529ドルから1.3580ドルまで上昇した。市場の根強い英国中央銀行による12月利上げを織り込むポンド買いが続いた。ドル・スイスは0.9158フランまで上昇後、0.9129フランまで下落した。
■NY原油:続伸で81.93ドル、一時82ドル台半ばまで買われる
NY原油先物12月限は、続伸(NYMEX原油12月限終値:81.93 ↑0.66)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比+0.66ドルの81.93ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは81.05ドル-82.67ドル。アジア市場の序盤で81.05ドルまで下げたが、まもなく82ドル台に上昇。ロンドン市場で82.67ドルまで買われた後、ニューヨーク市場の序盤で81.32ドルまで下げる場面があったが、ドル高が一服していることや、米国株式の下げ渋りなどを意識して82ドル台を回復。通常取引終了後の時間外取引では82ドルを挟んだ水準で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 47.34ドル +0.37ドル(+0.79%)
モルガン・スタンレー(MS) 100.07ドル +0.20ドル(+0.20%)
ゴールドマン・サックス(GS)408.34ドル +1.26ドル(+0.31%)
インテル(INTC) 51.55ドル +0.63ドル(+1.24%)
アップル(AAPL) 150.44ドル -0.84ドル(-0.56%)
アルファベット(GOOG) 2987.03ドル +2.21ドル(+0.07%)
フェイスブック(FB) 338.62ドル -2.51ドル(-0.74%)
キャタピラー(CAT) 214.25ドル +8.37ドル(+4.07%)
アルコア(AA) 48.86ドル +1.00ドル(+2.09%)
ウォルマート(WMT) 149.27ドル -0.96ドル(-0.64%)
《ST》
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