【市況】今週の【早わかり株式市況】小反発、米株高は追い風も衆院選控え方向感に欠ける展開
日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶりに小幅上昇、衆院選を31日に控え方向感が定まりにくい週に
2.米株市場では主要株3指数が上昇加速も、日本株への影響は限定的にとどまる
3.週前半に日経平均は500円あまりの上昇みせるもリスク選好ムードは続かず
4.個別株は決算発表で明暗分かれる、好決算ながら市場予測未達で下げる銘柄も
5.週末は朝安後に切り返し、日経平均は一瞬2万9000円台を回復する場面も
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比87円高(0.30%)高の2万8892円と小幅ながら2週ぶりに上昇となった。
今週は月末31日の衆院選投開票に向け思惑が交錯するなか、方向感の定まらない動きとなった。週前半に日経平均は先物主導で大幅高をみせたが、その後は週半ばから後半にかけてリスク選好ムードが高まらなかった。週末は朝安後に切り返し、プラス圏で引けたことで週間でも前週比上昇となった。
週明け25日(月)はハイテク株中心に売られるものが多く、日経平均は下値を探る展開に。前週末の米国株市場ではNYダウが過去最高値を更新したものの、先行きインフレ警戒ムードは拭えず、ナスダック総合指数は軟調でその地合いを引き継ぐ形となった。しかし、26日(火)は前日の米株高が支えとなって大きく買いが優勢となり、日経平均は500円あまり上昇。NYダウが連日最高値となったほか、S&P500指数も最高値を更新し投資家心理が強気に傾いた。衆院選で懸念されるような自民党の大敗はないとの見方も安心感をもたらした。27日(水)は前日の大幅高の反動で利益確定の動きが先行したが後場は下げ渋り、結局7円安で着地。だが28日(木)は売り圧力が再び強まった。前日にNYダウが反落したことで気勢を削がれ、アジア株安も重荷となった。個別株は決算発表で明暗分かれるが、好決算企業でも市場の期待に届かなければ売られる銘柄が相次ぎ、市場のセンチメントが悪化した。なお、この日は大引けにかけTOPIXリバランスに絡む売買が行われ、売買代金は5兆円を超えるなど高水準に膨らんだ。そして週末29日(金)は、前日の米国株市場でナスダック総合指数が約1ヵ月半ぶり最高値を更新するなど好調だったが、日経平均は買い気が盛り上がらず、朝方は軟調で一時下げ幅は300円を超えた。しかし前場後半から戻り足となりプラス圏に浮上、後場は2万9000円台に乗せる瞬間もあった。
■来週のポイント
今週は2万8500円近辺が下値抵抗ラインをなっていただけに、来週は下値が限られるとみられ、上値を試す展開が期待される。
重要イベントとしては、国内は特にない。海外では11月1日に発表される米国10月ISM製造業景況指数や2日-3日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)、4日発表の米国9月貿易収支、5日発表の米国10月雇用統計に注視が必要だろう。
■日々の動き(10月25日~10月29日)
【↓】 10月25日(月)―― 反落、米ハイテク株安で半導体関連を中心に売り優勢
日経平均 28600.41( -204.44) 売買高10億4576万株 売買代金 2兆2792億円
【↑】 10月26日(火)―― 急反発、米株高を引き継ぎリスク選好の買い優勢
日経平均 29106.01( +505.60) 売買高11億4196万株 売買代金 2兆5741億円
【↓】 10月27日(水)―― 小反落、目先の利益確定売りも後半下げ渋る
日経平均 29098.24( -7.77) 売買高11億4411万株 売買代金 2兆6240億円
【↓】 10月28日(木)―― 続落、景気敏感株などを中心に利益確定売りが継続
日経平均 28820.09( -278.15) 売買高22億1279万株 売買代金 5兆0699億円
【↑】 10月29日(金)―― 3日ぶり反発、朝安後に切り返しプラス圏に浮上
日経平均 28892.69( +72.60) 売買高15億6498万株 売買代金 3兆5317億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、16業種が上昇
(2)郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運が値上がり率トップ
(3)JFE <5411> など鉄鋼、信越化 <4063> など化学が高い
(4)輸出株はいすゞ <7202> など自動車が堅調も
日立 <6501> など電機、三菱重 <7011> など機械、HOYA <7741> など精密機器は低調
(5)内需株はリクルート <6098> などサービス、味の素 <2802> など食品が上昇も、
ネクソン <3659> など情報・通信、三菱倉 <9301> など倉庫・運輸、JR東日本 <9020> など陸運は下落
(6)金融株は値下がり率トップの銀行はじめ大和 <8601> など証券、東京海上 <8766> など保険が売られたが、
オリックス <8591> などその他金融は買われた
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) 半導体 ─── 空前の爆需第2幕へ、半導体株最強シナリオ「覚醒する10銘柄」を追え
2(4) パワー半導体 ── 世界で日本企業の優位性が浮き彫りに
3(2) 半導体製造装置
4(5) 再生可能エネルギー
5(3) デジタルトランスフォーメーション
※カッコは前週の順位
株探ニュース