【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):パソナG、ウィルソンW、鉄人化計画
パソナG <日足> 「株探」多機能チャートより
パソナグループ<2168>が大幅反落。15日の取引終了後に発表した第1四半期(6~8月)連結決算が、売上高919億2700万円(前年同期比7.2%増)、営業利益57億円(同21.8%減)、純利益24億8100万円(同38.9%減)と大幅減益となったことが嫌気された。企業及びパブリックセクターなどからBPO需要を継続的に獲得したことが売上高の増加につながった。ただ、BPOサービスで前期に増加した採算の良い期間限定案件が終了したことで粗利率が低下。また、事業拡大及びコロナ禍で抑制された事業活動が通常に戻りつつあるため関連費用が増加したことも響いた。なお、22年5月期通期業績予想は、売上高3500億円(前期比4.6%増)、営業利益200億円(同0.3%増)、純利益75億円(同10.6%増)の従来見通しを据え置いている。
■高砂熱学工業 <1969> 2,093円 -101 円 (-4.6%) 本日終値
高砂熱学工業<1969>が大幅反落。15日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が1260億円から1220億円(前年同期比3.7%増)へ、営業利益が44億円から22億5000万円(同30.0%減)へ、純利益が32億円から18億円(同11.1%減)へ下振れて着地したようだと発表。主に海外子会社において新型コロナウイルス感染症の影響が想定よりも大きく、大型工事における工事進捗の遅れが生じたことに加え、各国での移動制限に伴う労務費の高騰により利益が減少した。更に、資機材の高騰などもマイナスに働いた。
■高島屋 <8233> 1,147円 -34 円 (-2.9%) 本日終値
高島屋<8233>が続落。同社は15日引け後に9月度の店舗及び法人事業、クロスメディア事業における売上高が前年同月比0.5%減だったと発表。前日の14日には通期の営業利益予想を下方修正しており、収益回復の遅れが改めて意識される形となったため、失望売りが出た。店舗別では、大宮店が前年同月比11.6%減、大阪店が同7.5%減などとなり、コロナ禍において外出を控える傾向が続き、入店客数が減少したことが響いた。なお、法人事業は同33.7%増と大幅に伸びたが、新規の大口受注があったためとしている。
■パーク24 <4666> 1,847円 -46 円 (-2.4%) 本日終値
パーク24<4666>は4日ぶりに反落。同社は15日取引終了後、21年10月期連結業績予想の赤字幅拡大を明らかにしたことが嫌気された。今期の連結最終損益は95億円の赤字から130億円の赤字(前期は466億5200万円の赤字)に修正した。国内では4月と7月の新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令を受け、駐車場およびモビリティサービスの稼働に甚大な影響を受けた。また、海外ではオーストラリアが州やエリアごとの移動・行動制限やロックダウンが散発的に発令され、駐車場の稼働は低調に推移している。これらの点を考慮し今期業績は下方修正されている。
■ウィルソンW <9610> 290円 +80 円 (+38.1%) ストップ高 本日終値
ウィルソン・ラーニング ワールドワイド<9610>がストップ高。正午ごろ、チェンジ<3962>と業務提携を開始すると発表。今回の提携により、チェンジが推進する「Next Learning eXperienceサービス」をウィルソンW顧客へ提供する一方、ウィルソンWのグローバルのリサーチに基づいた「ラーニング・サービス」をチェンジ顧客へ提供する。また、両社のサービスと強みを組み合わせ、「実践」に焦点を絞った革新的な学習ソリューションの開発と提供を推進するとしている。
■鉄人化計画 <2404> 415円 +80 円 (+23.9%) ストップ高 本日終値
鉄人化計画<2404>がストップ高。同社は首都圏でカラオケルームを運営するほか飲食事業を展開しており、昨年来新型コロナウイルスの影響で収益環境は逆風に晒されていた。しかし、足もとは改善傾向がみられる。前週末15日取引終了後に発表した21年8月期決算は営業損益が1億4400万円の赤字だった。前期は8億1500万円の赤字であったが、そこから6億円以上の損失幅縮小となった。新型コロナの感染第5波が収束したことで当面は集客数の増加が見込まれる。22年8月期業績見通しについては開示していないものの、決算内容の改善を受けて上値を見込んだ短期資金の攻勢や空売りの買い戻しを誘発した。
■市進ホールディングス <4645> 460円 +80 円 (+21.1%) ストップ高 本日終値
市進ホールディングス<4645>がストップ高。同社は首都圏で学習塾を展開するほか、日本語学校や介護事業などにも幅広く多角化を進めている。前週末15日取引終了後に発表した22年2月期上期(21年3~8月)の決算は最終損益が2億6500万円の黒字(前年同期は5億2600万円の赤字)と急改善、通期計画の2億1200万円も超過した。新型コロナウイルスの影響で経営環境には向かい風が強かったが、オンライン授業の強化などにより生徒数が増加した。また、M&A戦略を推進するなど力を入れている介護福祉サービス事業も好調で収益押し上げに寄与している。これがポジティブサプライズとなって投資資金が流入した。
■シー・エス・ランバー <7808> 2,382円 +400 円 (+20.2%) ストップ高 本日終値
シー・エス・ランバー<7808>はストップ高。前週末15日の取引終了後、第2四半期累計(6~11月)連結業績予想について、売上高を89億円から112億6000万円(前年同期比51.4%増)へ、営業利益を6億4000万円から15億3000万円(同2.5倍)へ上方修正するとともに、未定としていた配当予想を期末一括80円(前期50円)にすると発表したことが好感された。上期は、「ウッドショック」による木材価格の高騰・供給不足の影響があるものの、プレカットの出荷が引き続き堅調に推移していることに加えて、生産効率・配送効率の向上を更に進めたことが奏功する。また、未定としていた22年5月期通期業績予想については通期予想は木材価格の変動が激しくなっていることなどからレンジ予想とし、売上高220億~240億円(前期比35.2~47.5%増)、営業利益22億5000万~24億5000万円(同59.7~73.9%増)を見込む。
■三井松島HD <1518> 1,763円 +277 円 (+18.6%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
三井松島ホールディングス<1518>が続急騰、年初来高値を更新した。時価は2018年11月以来約3年ぶりの高値圏に突入している。中国で電力不足が問題視されているが、背景には石炭需給の逼迫がある。そうしたなか、「習近平政権は足もとで石炭の国内生産能力を引き上げる方向に政策を切り替えたが、生産地で水害による炭鉱閉鎖などが響いて供給がままならない局面を強いられている」(国内証券アナリスト)とされ、中国で石炭価格の高騰が止まらない状況にある。これを背景に、東京市場でも石炭関連株が軒並み物色される展開。同社株は信用買い残も直近急増傾向で、個人投資家の参戦が活発化していることがうかがわれる。
■ミタチ産業 <3321> 1,024円 +150 円 (+17.2%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率2位
ミタチ産業<3321>が急騰し年初来高値を更新した。前週末15日の取引終了後、22年5月期の連結業績予想について、売上高を370億円から390億円(前期比15.1%増)へ、営業利益を10億5000万円から13億円(同40.7%増)へ、純利益を8億円から9億7000万円(同45.9%増)へ上方修正し、あわせて中間配当予想を12円50銭から15円にすると発表したことが好感された。自動車分野での半導体、電子部品などの販売や、IT関連や自動車関連の工作機械向けEMSの受注が堅調に推移していることに加えて、継続的なコスト抑制や効率化の推進も寄与する。なお、年間配当は27円50銭(従来予想25円)になり、前期実績に比べて7円50銭の増配になる予定だ。
■アスタリスク <6522> 7,060円 +1,000 円 (+16.5%) ストップ高 本日終値
アスタリスク<6522>がストップ高。15日の取引終了後に発表した22年8月期の連結業績予想で、売上高25億800万円(前期比39.9%増)、営業利益3億8700万円(同71.1%増)、純利益2億6000万円(同49.8%増)と大幅増益を見込むことが好感された。東日本地区で自動販売機メーカー、流通業者などに向けた大型案件の成約を見込むほか、西日本地区で自動車メーカー向けや医療機関向け、調剤薬局向けの納入が順調に拡大していることが牽引する。また、米国子会社でも飲料メーカー向けの新規大型案件の納入が進捗しているという。なお、21年8月期決算は、売上高17億9200万円(前の期比28.2%増)、営業利益2億2600万円(同2.0倍)、純利益1億7300万円(同2.5倍)だった。
●ストップ高銘柄
グローバルウェイ <3936> 4,605円 +700 円 (+17.9%) ストップ高 本日終値
など、8銘柄
●ストップ安銘柄
パシフィックネット <3021> 1,819円 -500 円 (-21.6%) ストップ安 本日終値
EduLab <4427> 2,142円 -500 円 (-18.9%) ストップ安 本日終値
など、3銘柄
株探ニュース