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【市況】来週の相場で注目すべき3つのポイント:ファストリ決算、米CPI、米小売売上高など


■株式相場見通し

予想レンジ:上限28500-下限27500円

来週の日経平均は一進一退か。引き続き米中にまつわる不透明感など海外要因に左右されそうだ。


米連邦政府の債務上限問題は12月まで一時的に棚上げされ、目先の債務不履行(デフォルト)リスクは後退したが、解消されたわけではない。中国の不動産業の資金繰り問題も、今後も折に触れ話題になることはほぼ確実。中国経済に占める不動産業の割合は大きいため、実体経済の下振れリスクはくすぶる。


さらに、中国のほか欧州などで世界的に広がっている電力不足の問題にも警戒が必要だ。世界が同時期に一気に脱炭素の動きにシフトした弊害として、石炭、天然ガス、原油などのエネルギー価格が高騰していることが背景にある。ロシアのプーチン大統領が天然ガスの供給増加を示唆したことで価格高騰が落ち着く動きも見られているが、在庫が少ないまま電力消費が増える冬場を迎えるリスクは払しょくできていない。エネルギー価格の高騰は企業業績の下押し圧力となりかねない。


さらにインフレや長期金利の動向にも警戒が必要だ。9月の米雇用統計では、人手不足のなか雇用のミスマッチが続き、雇用者数の伸びが市場予想を大きく下回った一方、失業率は改善し、賃金も予想以上に伸びた。エネルギー価格の高騰長期化や構造的な賃金上昇はインフレを一過性のものから長期的なものに変える恐れがある。米10年国債利回りも4カ月ぶりに1.6%台まで上昇した。来週は米国で物価指標が発表予定であり、インフレへの思惑や長期金利の動向には警戒したい。


他方、衆院選は31日投開票と決まった。岸田新政権に対する海外からの評価は厳しく、東京証券取引所発表の9月第5週の投資主体別売買動向によると、海外投資家は現先合算で1兆4000億円以上も売り越していた。また、組閣後の内閣支持率は歴代政権のなかでも低く、国内でも評価は決して高いとは言えない。野党との支持率の差が大きいため、衆院選での与党大敗というシナリオは考えにくいが、衆院選投開票日までは株高になりやすいというアノマリーには期待しにくくなった。


小売業を中心に6-8月期決算発表が終盤に入る。14日には日経平均へのインパクトが強いファーストリテイリング<9983>の本決算が予定されている。直近の月次動向から株価は軟調が続いているが、2022年8月期見通しを受けた株価反応に注目したい。また、良品計画<7453>の本決算にも注目だ。7月には意欲的な中期経営計画を発表しており、22年8月期見通しへの期待が高まる。製造業では安川電機<6506>が良好な上期決算を発表し、第1四半期に続き通期計画を上方修正してきた。サプライチェーンの乱れなどが警戒されていたなか、製造業の7-9月期決算への不安がやや払しょくされ、ポジティブに捉えられる。株価が素直に反応するか、持続性とともに注目したい。


■為替市場見通し


来週のドル・円は伸び悩みか。今後発表される米国の経済指標が良好な内容であれば、連邦準備制度理事会(FRB)による量的緩和策の早期縮小観測は一段と強まり、長期金利の上昇を手がかりとしたドル買いが継続しそうだ。米連邦債務上限を12月上旬まで一時的に拡大する方針で与野党の指導部が合意したこともドル買い材料となった。


ただ、原油高などによってインフレ圧力はさらに強まる可能性があり、この動きを嫌って米国株式が大きく下げた場合はドル相場を圧迫する要因となりそうだ。また、10月15日発表の9月米小売売上高は前月比マイナスとなる可能性が高いと予想されており、景気減速を警戒して米国株式が下落した場合も、リスク回避的なドル売り・円買いが強まる見込み。1ドル=112円台で顧客筋や短期筋のドル売りが増えるとの見方もドルの上昇を抑える一因となる。


なお、米国経済指標では、10月13日発表の9月消費者物価コア指数(CPI)も有力な売買材料となりそうだ。前年比+4.0%と予想されており、上昇率は8月実績と同水準になりそうだが、9月消費者物価コア指数が市場予想と一致、または上回った場合、米国金利正常化への思惑で金利先高観は続く見通し。


■来週の注目スケジュール

10月11日(月):工作機械受注(9月)、米・国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会(17日まで)、米・債券市場は祝日のため休場(コロンブスデー)など
10月12日(火):国内企業物価指数(9月)、米・JOLT求人件数(8月)、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)公表、米・「グーグル・クラウド・ネクスト」会合(14日まで)など
10月13日(水):コア機械受注(8月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(8月)、米・消費者物価コア指数(CPI)(9月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月21-22日会合分)、米・G20財務相・中央銀行総裁会議、決算発表:JPモルガン、ブラックロックなど
10月14日(木):PHCホールディングスが東証1部に新規上場、臨時国会会期末、衆院が解散(衆院選は19日公示、31日投開票)、決算発表:ファストリ、良品計画、米・生産者物価コア指数(PPI)(9月)、決算発表:BofA、モルガンS、シティグループ、アルコア、TSMCなど
10月15日(金):欧・ユーロ圏新車販売台数(9月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(10月)、米・小売売上高(9月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(10月)、決算発表:ゴールドマンなど

《YN》

 提供:フィスコ

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