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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 2万9000円水準での底堅さを見極めたい


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 29050 +230 (+0.79%)
TOPIX先物 1999.0 +12.0 (+0.60%)
シカゴ先物 29050 +230
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 1日の米国市場はNYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。9月のISM製造業景況指数が61.1(前月は59.9)と市場予想に反して上昇し、4カ月ぶりの高水準となったことが材料視された。また、米製薬大手メルク<MRK>が新型コロナウイルスの飲み薬について、臨床試験で高い効果を得られたと発表し急伸。経済活動の正常化への期待から景気敏感株を中心に買われた。S&P500業種別指数はエネルギー、消費者サービス、ソフトウエア・サービスが上昇する一方で、食品・生活必需品小売、医薬品・バイオテクノロジー、公益事業が下落。

 シカゴ日経平均先物清算値は日中大阪比230円高の2万9050円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは日中比10円高の2万8830円で始まり、開始直後に2万9000円を回復。米国市場の取引開始後に軟化し、一時2万8700円まで下落する場面もあったが、引けにかけて買い直される格好で2万9140円まで上値を切り上げており、2万9050円で取引を終えている。

 本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになろう。米国市場の反発を受けて、先週末の大幅下落に対する自律反発の動きが期待される。ただし、米連邦政府の債務上限問題に対する警戒感は根強く、週末には米雇用統計の発表を控えていることもあり、リバウンドの勢いは限られそうだ。とはいえ岸田内閣発足で政策期待は高まりやすく、25日移動平均線(2万9437円)水準が上値抵抗線となる半面、2万9000円水準での底堅さは意識されよう。

 なお、米国では先行きの下落を想定した合成ポジションを組成する動きがみられているようである。また、VIX指数は21.15に低下しているが、チャート形状としては75日線を支持線としたリバウンド基調をみせており不安心理は根強い。そのため、国内においても積極的なロングポジションは限られるとみられ、こう着感の強まる局面では短期筋によるショートの動きも意識されよう。

 ただし、政策期待のほか緊急事態宣言解除で経済活動の正常化が見込まれるなか、他の先進国と比べて相対的に日本株優位の状況を想定。NTロング(日経225先物買い・TOPIX先物売り)によるスプレッド狙いのスタンスは継続しておきたい。

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