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【特集】超絶AI新時代、デジタル革命で開花する「次の主役」厳選5銘柄 <株探トップ特集>

AIは水のように柔軟にあらゆる産業に浸透し、時に融合して爆発的なイノベーションの源となる。ここから要注目のAI関連株を厳選エントリーした。

―DX推進のカギを握るAI、とてつもない成長ステージで出番を待つ有力株は―

●DX時代に不可欠のナレッジ

 自民党総裁選の告示が17日午前に行われ4氏が立候補し、株式市場でも新政権のもとでの新たな政策に期待を寄せ、株価は終日強調展開を維持した。各候補それぞれの政策ビジョンを掲げ、自民党次期総裁の座を争うことになるが、誰が勝利したとしても世界標準に向けた不可逆的な取り組みであるグリーンシフト(脱炭素化)とデジタルシフト( DX化)、この2つは政策の重要課題として外すことはできない。

 くしくも今月1日からデジタル庁が始動したが、これまでの縦割り行政の弱みを克服し、デジタル分野の機能強化を政策テーゼとした取り組みを進めていくことになる。中長期的な視野に立って、DX推進のカギを握るのはずばり人工知能(AI)である。AIの活用なくして、もはやデジタル革命の新たなスタート地点に立つことすら難しい状況にある。AIは水のように柔軟にあらゆる産業に浸透し、時に融合して爆発的なイノベーションの源となる。製造業はもとより、金融、不動産、インフラ、医療、流通など、製品やサービスの付加価値を高めるうえでAI技術は必須の条件となっている。株式市場でもDX時代に不可欠のナレッジとして今後一段と輝きを強め、同関連銘柄にはマーケットの熱い視線が向けられることになりそうだ。

●AIを制するものが世界を制する時代

 AIを飛躍的に進歩させたディープラーニングが登場して、今年で10年目となる。完全情報ゲームである囲碁や将棋の世界では、いずれも2017年5月に、当時の人類最強者との闘いでAIソフトが圧勝、“人類超え”として一つのエポックメーキングとなったことは、まだ記憶に新しい。人間の脳を模したニューラルネットワークを駆使するディープラーニングと膨大な情報量の蓄積であるビッグデータによって、AIは人間によるインプットなしに、自らが勝手に学習し進化するすべを覚え、コンピューターでは決して人間に勝つことはできないとされた囲碁・将棋の世界でそれまでの常識を打ち砕いた。この技術革新が、現在の産業においてAIが最強ツールとして不動の地位を確立させる原点ともなっている。

 今、世界に目を向けるとAIを操ることで最強国を目指す動き、いわゆる「AI覇権」を巡る争いが活発だ。双璧をなしているのは米国と中国で、対峙する両国間の冷戦が次第に先鋭化している。かつてプーチン露大統領がいみじくも述べた「AIを制する者が世界を牛耳る」という言葉は、これから年を追うごとに重みを増すことになるだろう。2045年といわれるシンギュラリティに向け、AIを巡る世界の覇権争いは今後一段と激しさを増していくことは間違いがない。ここから四半世紀にわたる長期的見地に立ってもAI市場の成長の伸びしろは極めて大きいといえる。

●AI民主化で現実買い第2ステージへ

 こうした状況下、民間では大手IT企業にとどまらず、業界の垣根を越えて世界中の大資本企業がAI分野での研究開発に資金を投下し、主導権争いに躍起だ。ディープラーニングの特許申請数は今や中国が米国を凌駕する状況にあるが、企業・研究機関ベースで見た場合、依然としてIBM、マイクロソフト、グーグルが上位3傑を独占している。日本は後塵を拝しているとはいえ、特許申請数はこの両国に次ぐ世界3位の座をドイツや英国と争っている状況にあり、今後に期待がかかる。

 AI技術はいわば“諸刃の剣”であることは論をまたない。EUが4月に採択した「インド太平洋協力戦略」で、直近では日本、韓国、シンガポールにデジタル協定の締結を呼びかけ、中国に対抗する形での、人権や民主主義などの価値観に基づいたAI国家利用のルール作りを主導する動きが伝えられている。行き過ぎると人間を傷つける危険性を多分に内包しているのがAIの難しい部分で、いうまでもなくその倫理については人間の脳で考えなければならない。

 また、先行きデジタルデバイド(デジタル格差)を加速させる懸念もある。隅々まで照らす陽光のごとく、知識がなくても誰もが恩恵を享受できるサービス体制である「AIの民主化」が叫ばれている。AIの進化とともに“民主化実現”に向けた流れも形成されつつあるが、それに合わせ、東京株式市場でもAI関連株の“現実買い第2ステージ”が始まろうとしている。

 今回のトップ特集では、DX相場のリード役として存在感を高め、ここから株式市場でスポットライトを浴びそうな業績好調のAI関連有望5銘柄を選りすぐった。

●次のステージを駆けるAI関連特選5銘柄

◎アイティメディア <2148>

 ITニュースサイトを主力にネットメディアを運営するが、ネット上で「見込み顧客」を発掘して営業支援するリードジェネレーション事業が急拡大し、収益変貌の原動力となっている。同社の場合、業績変化率の高さが特筆される。営業利益は20年3月期に33%増益、21年3月期に73%増益と急拡大を示したが、22年3月期も前期比18%増の23億8000万円と2ケタ成長見通しにあり、市場では更なる上振れ余地が意識されている。AI分野へも積極的に踏み込んでいる。AIとRPAの情報提供に特化した会員制メディアを9月に譲受し、同領域の強化・拡充を図り需要取り込みを狙う。また、同社のグループ会社である発注ナビはチャットツールの開発販売を手掛けるChatwork <4448> [東証M]と業務提携し商機を高めている。自社株買いなど株主還元に積極的で株価意識も強く、目先25日移動平均線との上方カイ離修正場面は押し目買いチャンスとみたい。早晩、年初来高値圏に再浮上し、中期的には昨年10月の上場来高値3070円奪回の可能性が高そうだ。

◎ユーザーローカル <3984>

 ビッグデータ解析やAIなど最新技術を活用した業務支援ツールの開発・提供を行う。Web解析ツールや、ソーシャルメディアのマーケティング分析ツールなど多様なニーズに対応している。AIアルゴリズム実装、AIサービスの新規開発などに経営資源を投下し、業容拡大にも余念がない。自動応答のAIチャットボットを育成中で企業のDXシフトの流れに乗り需要を捉えている。今年5月に川崎汽船 <9107> がDX推進のため同社のチャットボットを採用したのに続き、6月には人材派遣のスタッフサービスHDの子会社が導入した。また企業だけでなく、7月には東京都府中市の市民サービス向上目的でチャットボットの提供を開始している。業績はここ10年にわたり大幅増収増益路線を走っており、成長性の高さは折り紙付き。22年6月期は営業利益段階で前期比15%増の9億8400万円を見込む。株価は8月下旬以降戻り相場に突入しているが、株式需給関係も良く上値期待は大きい。4月につけた年初来高値2590円(修正後株価)クリアが当面の目標となる。

◎ホットリンク <3680> [東証M]

 SNSを活用した販促支援ビジネスを展開し、ウィズコロナ環境にあって企業の旺盛なニーズを捉えている。成功率の高いSNS活用を行うため、コンサルやマーケティング、データ分析など各領域のスペシャリストを揃え顧客需要に対応する。また、世界中のソーシャルビッグデータを保有し、最先端のAI技術を搭載した解析ツールでビジネスにおける意思決定をサポートする。中国向けマーケティング支援などでも新たな需要を開拓中だ。更に越境ECプラットフォームに傾注し、売上高の4分の1を占めるクロスバウンド事業の強力な成長力の源となっている。業績は急回復局面に入っており、21年12月期営業利益は1億4700万円(前期は2500万円の赤字)を計画するが、2億~2億3000万円程度まで大幅増額修正される余地がある。また、続く22年12月期についても2ケタの利益成長が有力視される。中低位に位置する株価はAI関連株のなかでは値ごろ感が強く、500円台半ばでのもみ合いから上放れれば小型株特有の足の速さを発揮する公算が大きい。

◎クレスコ <4674>

 銀行や生保など金融業界向けに高い実績を有する独立系のソフト受託開発会社。AIやロボティクス分野に傾注し、既有のアプリケーション開発などのコア技術にこれらを融合して事業領域を拡張している。中期経営ビジョンにおける重点戦略としてデジタルソリューション売り上げ倍増や「DX銘柄」認定などを目指している。21年4-6月期は営業利益段階で前年同期比87%増と高い伸びを確保しており、22年3月期通期ベースでは前期比11%増の38億5000万円と2ケタ成長を見込んでいる。M&Aや提携戦略にも積極的で業容拡大に向けた布石に余念がない。中期計画の数値目標としては24年3月期にトップライン500億円(前期実績397億円)を設定、更に30年度までにトップラインを1000億円にする目標を策定している。株価は、今年2月初旬に上放れてから上下動を繰り返しながらも着実に下値を切り上げてきた。13週移動平均線をサポートラインとする上昇が続き、17年11月の上場来高値2750円(修正後株価)は今年度中にも射程圏に入る可能性がある。

◎ALBERT <3906> [東証M]

 ディープラーニングを活用したビッグデータ解析や自動運転分野などAI絡みの開発案件で強さを発揮する。18年5月にトヨタ自動車 <7203> と資本・業務提携を締結し市場の注目を浴びたが、同年10月に東京海上ホールディングス <8766> 、また同年12月にもKDDI <9433> と資本・業務提携を行うなど各業界を代表する大資本企業と連携し、これらが業容拡大の礎となった。DX時代を迎え、一段と需要急増傾向にあるデータサイエンティストの育成で業界他社に先駆している点は大きな強みで、今後の収益の成長ドライバーとなっている。直近では日本総合研究所(東京都品川区)とDX領域で協業を開始することを発表しており、連携して旺盛な企業のDX投資需要を捉え、ビジョンや戦略策定、実装までをワンストップで支援する。業績は21年1-6月期営業利益が前年同期比2.6倍の1億9100万円と急拡大。21年12月期通期見通しは、前期比61%増の4億400万円を計画している。株価は底値圏からの戻り初動にあり、上値は6月10日にマドを開けてつけた高値6270円どころが目標に。

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