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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~政策期待が一段と高まり押し目買い意欲は強い~

クボタ <日足> 「株探」多機能チャートより

10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:政策期待が一段と高まり押し目買い意欲は強い
■積水ハウス、22/1上方修正 営業利益2200億円←2000億円
■前場の注目材料:クボタ<6326>北米向けトラクター、国内で補完


■政策期待が一段と高まり押し目買い意欲は強い

10日の日本株市場は、底堅い相場展開が見込まれる。9日の米国市場ではNYダウが151ドル安だった。新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、パンデミック以降で最小となったことを好感されたものの、新型コロナウイルス変異株の流行によりソフトウェアメーカーのマイクロソフトが従業員のオフィス復帰を無期限に延期したほか、航空各社が予約減少で見通しに慎重な見方を見せたため、消費、景気への影響を警戒した売りが強まり、下落に転じた。シカゴ日経225先物(12月限)清算値は大阪比145円高の29945円。円相場は1ドル109円70銭台で推移している。

メジャーSQは波乱なく通過することになろう。米国市場の下落影響はありそうだが、先物市場ではナイトセッションで3万円を回復する場面も見られており、押し目買い意欲の強さが窺える。米国ではNYダウが35000ドルを割り込むなど調整基調が強まってきているが、国内においては自民党総裁選挙の告示まで1週間となり、きょうにも河野規制改革担当大臣が立候補を表明すると見られている。すでに表明している岸田前政務調査会長、高市前総務大臣と、3人による選挙戦が確実となり、政策期待が一段と高まりやすいだろう。

日中はこう着感の強い値動きとなりやすいほか、SQ値が心理的な抵抗線として意識される可能性はある。しかし、政策期待の高まりから海外勢による日本株比率の引き上げなどへの思惑が高まりやすい。足元で調整を見せてくるような場面においては、押し目を拾う動きが強まりそうだ。また、直近では東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株の強い値動きが目立っており、バリューからグロースへのシフトが強まることで、日経平均をけん引する格好にもなりそうだ。

その他、政府は10月から11月の早い時期に新型コロナウイルスのワクチン接種証明や陰性証明を活用し、飲食、イベント、旅行など社会経済活動の制限を緩和する意向を示している。経済活動の正常化に向けた動きへの期待感からも物色意欲の強さに反映されるだろう。需給状況の改善から、相対的に出遅れているマザーズなど中小型株への物色も次第に高まってくることになると見られる。


■積水ハウス、22/1上方修正 営業利益2200億円

積水ハウス<1928>は2022年1月期業績予想の修正を発表。営業利益は2000億円から2200億円に上方修正している。米国では過去最低水準の住宅ローン金利の追い風もあり、コミュニティ開発事業及びWoodside Homes社の住宅販売事業が好調に推移。豪州ではマンション事業「Sanctuary」第1期の高層棟の引渡しが開始された。


■前場の注目材料

・シカゴ日経先物は上昇(29945、大阪比+145)
・SOX指数は上昇(3390.84、+13.15)
・米長期金利は低下
・次期首相による大型経済対策への期待
・海外コロナワクチン接種の進展
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・クボタ<6326>北米向けトラクター、国内で補完
・SBI<8473>新生銀にTOB、収益基盤の多角化など強化
・JAL<9201>3000億円調達へ、財務基盤を強化・成長投資
・キヤノン<7751>半導体検出器モジュールのカナダ社買収、300億円
・ブリヂストン<5108>米アズーガの買収完了
・NEC<6701>25年度DX売上高5700億円、戦略コンサル人員倍増
・東芝<6502>ペロブスカイト太陽電池開発、エネルギー変換効率15%達成


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
なし

<海外>
なし

《NH》

 提供:フィスコ

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