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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

戸田工 <日足> 「株探」多機能チャートより

■戸田工 <4100>  3,535円 (+460円、+15.0%)

 東証1部の上昇率2位。戸田工業 <4100> が急反騰。磁性粉末材料のトップメーカーでリチウムイオン電池正極材を戦略商品の一つに掲げている。また、電気自動車(EV)普及のカギを握る充電インフラとして、ワイヤレス充電に対するニーズが高まっているが、同社は積極的に資金を投じワイヤレス充電で使われる部品の量産ライン拡充に動いていることが注目されている。トヨタ自動車 <7203> がEVなど電動車に使用する車載用2次電池の開発に1兆5000億円を投資する方針を発表したことを受け、電池関連株が軒並み動意づいているが、これに合わせて充電インフラ分野の拡充にもマーケットの関心が向いた。

■ウエストHD <1407>  6,100円 (+650円、+11.9%)

 ウエストホールディングス <1407> [JQ]が5連騰、7日につけた高値5600円を払拭し連日の上場来高値更新となった。自民党総裁選後の新政権に対する政策期待を背景に、世界的に取り組みが加速する脱炭素関連株への物色人気がメガソーラーを全国展開する同社株にも波及している。そうしたなか、米アマゾン・ドット・コム <AMZN> が三菱商事 <8058> と連携して国内に450ヵ所以上の太陽光発電所を設置する計画が報じられ、ウエストHDが開発を受託する見通しにあることから、ポジティブサプライズを誘う形となった。

■ピアズ <7066>  1,946円 (+206円、+11.8%)

 ピアズ <7066> [東証M]が急反騰。7日の取引終了後、10月13日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表。投資単位当たりの金額を引き下げ、投資家がより投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。効力発生日は10月14日。

■HENNGE <4475>  5,560円 (+560円、+11.2%)

 HENNGE <4475> [東証M]が急反騰。8日の寄り前、9月13日からMLB Japan SNS公式アカウントで投稿予定の動画特集コンテンツ「BEST PLAYS」に協賛すると発表。9月30日まで、選手のベストプレー動画コンテンツに企業広告を出稿するという。

■東京産 <8070>  796円 (+79円、+11.0%)

 東証1部の上昇率3位。東京産業 <8070> が大幅高で年初来高値を更新。三菱商事 <8058> など三菱グループを大株主に抱える機械商社で、太陽光発電など再生可能エネルギー分野に注力している。米アマゾン・ドット・コムが三菱商と連携して国内に450ヵ所以上の太陽光発電所を設置する計画が報じられており、同社の商機が高まるとの見方が投資資金を呼び込んだ。

■エアトリ <6191>  3,360円 (+260円、+8.4%)

 東証1部の上昇率5位。エアトリ <6191> が急反発。8日付の読売新聞で「政府は、新型コロナウイルスワクチン接種の進展に合わせ、10月以降、段階的に行動制限を緩和する方針を固めた」と報じられており、なかで感染拡大地域でもワクチンを接種済みであれば、県をまたぐ移動を原則として認めるとあることから、旅行需要の活発化を期待した買いが入ったようだ。また、オープンドア <3926> 、旅工房 <6548> [東証M]、エイチ・アイ・エス <9603> なども同様に買われた。

■イルグルム <3690>  1,168円 (+90円、+8.4%)

 イルグルム <3690> [東証M]が続急伸。7日の取引終了後に発表した8月度の月次売上高(速報)が前年同月比11.6%増と2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。商流プラットフォーム事業は同6.8%減と前月の同22.6%減から改善したほか、マーケティングプラットフォーム事業も同14.0%増と増収基調にあることが寄与した。

■レノバ <9519>  5,500円 (+410円、+8.1%)

 東証1部の上昇率8位。レノバ <9519> が5連騰、約2ヵ月ぶりに上場来高値更新となった。同社は太陽光発電を主力に風力やバイオマスなど、幅広く再生可能エネルギーの開発・運営を手掛けており、脱炭素関連の有力株として機関投資家とみられる実需買いが継続している。自民党総裁選の行方は現状では予想のつきにくい状況にあるが、河野太郎規制改革相が国民的支持も厚く有力との見方が一部に出ている。河野氏は脱原発と脱炭素を持論としており、仮に新総裁に就任した際には、関連銘柄への政策面からの中期的な追い風が強まるという思惑も働いている。そのなか、同社株は再生エネの関連最右翼として注目度が高い。

■ライドオンE <6082>  1,625円 (+103円、+6.8%)

 ライドオンエクスプレスホールディングス <6082> が6日ぶり急反発。7日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表。上限を70万株(発行済み株数の6.52%)、または10億円としており、取得期間は21年9月8日から22年1月31日まで。株主への利益還元を図るとともに、資本効率の向上や経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることが目的としている。

■長大 <9624>  2,056円 (+125円、+6.5%)

 長大 <9624> が急反発で年初来高値を更新。7日の取引終了後、21年9月期の連結業績予想について、売上高を325億円から342億3000万円(前期比10.6%増)へ、営業利益を24億4000万円から34億3000万円(同8.9%増)へ、純利益を14億7000万円から19億8000万円(同3.3%減)へ上方修正した。国内公共事業の受注が増加していることに加えて、ITを活用した業務遂行の効率化などが奏功したことが要因としている。また、業績予想の修正に伴い、従来47円を予定していた期末一括配当を61円に引き上げるとあわせて発表したことも好材料された。前期実績に対しては3円の増配になる予定だ。

■SHIFT <3697>  27,590円 (+1,360円、+5.2%)

 SHIFT <3697> が3日続急伸で連日の上場来高値更新。7日の取引終了後、アビームコンサルティング(東京都千代田区)、SAPジャパン(東京都千代田区)、MAIA(東京都港区)と共同で、SAP女子(人材)育成・就労支援事業を開始すると発表。同事業は、育児や介護をはじめとしたさまざまな事情により就労に課題を抱えている全国の女性を対象に、今後需要が見込まれているSAP製品の導入プロジェクトに携わるIT エンジニアやSE、コンサルタントなどのSAP人材として育成するというもの。地域の自治体・企業と連携しながら、日本全国に展開を予定しており、まずは沖縄県から実施するとしている。

■三桜工 <6584>  1,162円 (+56円、+5.1%)

 三櫻工業 <6584> 、FDK <6955> [東証2]、カーリットホールディングス <4275> など車載用2次電池分野に展開する銘柄に物色人気が集まった。トヨタ自動車 <7203> が7日、電気自動車(EV)などに使用する車載電池の開発に2030年までに1兆5000億円を投資する方針を表明しており、これが同関連銘柄の株価を刺激した。三桜工は全固体電池開発に前向きで同分野のベンチャー企業への出資を行っているほか、FDKはニッケル水素電池やリチウム電池を主軸に2次電池の製造販売を手掛け、全固体電池をはじめとする次世代電池の開発にも注力。また、カーリットはリチウムイオン電池の受託評価事業を展開しており、EV用電池にも対応。評価試験については顧客が遠隔地から確認可能なサービスを手掛け需要を取り込んでいる。

■Casa <7196>  988円 (+46円、+4.9%)

 Casa <7196> が大幅反発。7日の取引終了後、22年1月期上期(2-7月)の決算を発表。売上高は52億8300万円(前年同期比5.2%増)、営業利益は5億3200万円(同44.3%増)となり、従来予想の売上高51億4000万円、営業利益3億9900万円から上振れ着地。採算性の見直しを実施したことから新規契約件数は前年同期を下回ったものの、新規契約金額が想定を上回ったほか、販管費の削減などが寄与した。なお、通期の売上高103億2300万円(前期比0.9%増)、営業利益8億3200万円(同19.3%減)とする従来見通しは据え置かれている。

※8日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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