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【特集】横山利香「令和時代の稼ぎたい人の超実践! 株式投資術」―(10)信用残や全体の地合いを確認して、株価の動きを分析しよう

横山利香(ファイナンシャルプランナー、テクニカルアナリスト)

◆信用残高の推移で個別銘柄の需給を探る

 まずは株探の「株価注意報」を使って、信用取引が活発に行われている銘柄を確認してみましょう。「株価注意報」のページでは「信用取引需給」の項目で「信用売り残の増加ランキング」と「信用買い残の増加ランキング」をチェックできます(図1)。ここでは「信用売り残の増加ランキング」をクリックします。すると、2番目にビックカメラ <3048> が表示されています(図2)。表の右側にある「売り残」をみると「10,073,700」と、「対前週増加幅」は「+3,168,300」と記載されており、信用売りの取引が増加していることがわかります。


図1 「株価注意報」の「信用取引需給」
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図2 信用売り残の増加ランキング
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 次に、ビックカメラの個別銘柄のページに移ります(図3)。ページ左下の「信用取引(単位:千株)」の枠内の数字を確認しましょう。下の方が日時が古いので、下から上へと日時を確認します。「売り残」は「7/30」が「880.3」でしたが、「8/06」に「1,524.5」、「8/13」に「3,395.1」、「8/20」に「6,905.4」、「8/27」には「10,073.7」と次第に信用売りが増えている様子がわかります。


図3 ビックカメラ <3048> の「信用取引」推移
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 そこで、銘柄欄の下のタブから「チャート」を選択して株価の動向を確認してみましょう(図4)。すると、株価が7月12日に1154円の高値をつけた後、下落を続けていることがわかります。つまり、株価の下落を見込んだ投資家が、信用売りの取引を増やしてきた様子がみてとれます。一方、「買い残」をみると、「7/30」には「521.1」であったものが、「8/06」に「527.4」、「8/13」に「607.1」、「8/20」に「770.0」、「8/27」には「646.3」と売り残に比べて低水準ではありますが、こちらも直近の数値を除けば増加しています。株価が安値圏に向けて下落する過程では、どこまで下がるのか見極めたい人が多いこともあって信用買い残は減少していますが、安値水準に近づいたあたりから、そろそろ下げ止まるのではと考える人が増え始め、信用買いの取引を行う人が増えている様子がわかります。


図4 ビックカメラ <3048> 日足チャート
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 教科書的には、株価が新安値を更新する場合、さらなる株価下落を狙って信用売りを行うのが基本ではありますが、それは下降トレンドが継続している場合のことです。私たち人間は欲深いもので、「新安値を更新している最中だし、まだまだ下がるだろう」とつい調子に乗って信用売りを仕掛けがちですが、意を決して信用売りを行ったら「そこが底だった」という笑えない事態に陥ってしまうことも少なくありません。株価が反転上昇すれば、膨らむ損失に耐え切れなくなった信用の売り方はいずれ買い戻しを迫られることになり、それがさらに株価を押し上げる「踏み上げ」につながっていきます。新安値を更新中の銘柄の信用売りは、業績や中長期の株価推移を確認し、トレンド転換の兆しには十分に注意することが必要です。




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