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【市況】先物主導によるインデックス売買に振らされやすい需給状況/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 25日の日本株市場は、やや買い先行で始まろうが、次第にこう着感が強まりそうである。24日の米国市場ではNYダウが30ドル高だった。引き続き食品医薬品局(FDA)が国内で初めてファイザー・独ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンを正式承認したことが材料視されており、ワクチン普及による景気回復期待から買われた。ただし、連邦準備制度理事会(FRB)の経済シンポジウムを控えており、積極的な上値追いの動きは限られていた。シカゴ日経225先物清算値は大阪比25円高の27765円。円相場は1ドル109円60銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになろう。日経平均は前日の上昇で上値抵抗の25日線を捉えてきており、シグナル好転が意識される一方で、戻り一巡感が意識されるなど、強弱感が対立しやすい。同線を支持線に底堅さを見せてくるかがセンチメントに影響を与えることになるだろう。また、東証1部の売買高は連日で10億株を下回っており、薄商いの状況である。先物主導によるインデックス売買に振らされやすい需給状況であることから、足元でショートカバーの動きを見せてきているクレディスイスによる売買が注目されることになるだろう。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって政府は、緊急事態宣言の対象地域に、北海道、宮城など8道県を追加する方針を固めた。期限はいずれも、これまで対象となっている地域と同じく、来月12日までとする方針。これにより、緊急事態宣言の対象地域は、21都道府県に拡大され、重点措置の適用地域は12県となるなか、積極的な売買は手控えられやすい。そのため、よりインデックスに絡んだ売買に振らされやすくなるだろう。

 物色の流れとしては、景気敏感株に向かいやすいものの、ナスダックが連日で最高値を更新するなか、ハイテク株を見直す動きが意識されやすい。また、政策運営への不透明感がくすぶるなか、経済対策への期待が高まりやすく、コロナ対策のほか、脱炭素に関連した銘柄への物色も見られそうだ。
《AK》

 提供:フィスコ

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