【特集】三機サービス Research Memo(3):「メンテナンスを核とした環境改善業」として多彩かつ高品質なサービスを展開
■会社概要
3. 主要サービス
(1) 設備コンサルティング
施設の規模や業務形態に合わせ、設備の環境改善・法令対策、保守管理など、より良い空間の実現を目的としたコンサルティングを行う。顧客の状況に合わせて付加価値を付けた社内環境改善策の提案や、設備のトータルメンテナンスによるコストダウンが特徴である。
設備コンサルティングの内容としては、施設課題解決として、三機サービス<6044>のノウハウ・実績を生かし、設備の提案や法令を活用した対策などを様々な角度から提案する「設備提案力」、設備の省エネルギー化はビルや施設管理における重大な問題であることから、省エネ対策のほか、同社保有商材であるインバータ制御導入や照明のLED化などによって省エネ・コストダウンを提供する「省エネルギー対応力」が挙げられる。また、オーナー代行管理として、施設の総合管理における業務環境を自社で保有する「施設管理力」、同社保有のコールセンターによる「トラブル対応力」が挙げられる。なお、コールセンターについては、コールスタッフもメンテナンスのプロも待機させており、顧客企業からの評価は高い。
(2) 省エネルギー・コストダウン
独自のシステムとノウハウを生かした、適切な設備の設置・施工・維持管理を行うことで、省エネ・コストダウンを提供する。対応力、技術力、情報力の3つのサービスで省エネ・コストダウンを実現させる。また、メンテナンス履歴などを一括管理しているので、緊急トラブルを予防することができる。
a) 対応力
自社コールセンターが持つ独自システムにより、すべての施設内の設備保守を一括管理できることに加え、トラブル時に24時間365日常時オペレーターが受付対応から出動~進捗確認~請求までを一元管理できる。このようにメンテナンスを一元化することで、店舗ごとのメンテナンス履歴の管理が容易となり、結果として管理者の手間を省き、メンテナンスコストと管理者コストのトータルコスト削減に貢献する。
b) 技術力
自社のサービスエンジニアを有し、メーカー指定店として長年培ったノウハウを生かした大型空調機器に付随する機器に対する省エネ工事を行っている。空調用ポンプにインバータを導入することで無駄な流量を制御したり、業務用エアコン節電対策商品を導入して室外機の消費電力を抑制する技術力により、電力コストの削減を図る。
c) 情報提案力
修理の未然予防や設備全体での環境改善に関する蓄積された知識・ノウハウや各補助金の情報を提供することで、初期投資にかかるコストを下げる。設備の更新や整備といった費用の一部が助成される補助金活用の提案など、事前の準備と情報の提供を行っている。
(3) 保守・管理・施工(メンテナンス)
オフィス/ビル/マンションでは、トータルメンテナンスの考えを基に、専門家が施設の設備が占めるエネルギー消費構造(空調設備や照明設備など)から調査・分析・検証までを行い、重点ポイントやコスト対策など、最適な保守・管理方法を提案する。病院/高齢者施設では、利用者にストレスを与えないよう、施設の状況に合わせた一括保守管理プランを提案する。ホテルでは、設備保守管理、工事、各種メンテナンス、緊急コールセンター受付手配等、トータルでの建物管理を実施することに加え、費用対効果・維持管理のコスト削減を重視し、安心できる利用環境をサポートする。商業施設/チェーン店舗では、全国の商業施設/チェーン店舗を中心に、店舗の設計企画、施工、緊急コールセンター受付手配、設備維持管理業務をトータルに実施する。
(4) 商材
空調機器に使われるポンプの無駄な消費電力を削減するインバータ制御導入や照明のLED化など、施設、建物、設備のメンテナンス現場をトータルでサポートする商材を手掛けている。
24時間365日稼動のコールセンターを核に、メーカーの機種を問わず対応が可能なメンテナンスサービスを提供。大手小売企業と一括契約
4. 強み
メーカー指定店として長年培ってきた空調メンテナンス技術など、蓄積された技術力やメンテナンスノウハウを活用し、24時間365日稼動のコールセンターを核としたトータルメンテナンスが、同社の強みである。上場企業では日本空調サービス<4658>、シンメンテホールディングス<6086>などが競合となるが、これら競合に対し同社は内製のサービスエンジニアを抱え、また24時間365日対応のコールセンターにより全国緊急対応が可能であること、Webを含めたシステム化で先行している。また、人材育成や多能工化に力を入れており、本社併設の研修センターでの技術研修を実施している。これによりメーカーの機種を問わず対応が可能となることは、メンテナンス業界にとって強みになると弊社では考えている。
同社は、主要顧客である小売業や飲食業を中心とした多店舗・多棟展開企業を対象に、空調機器・給排水衛生設備・電気設備・消防設備・警備/保全・厨房機器等の施設管理・設備保守業務を、メーカーや機器品種を問わず一括して請け負っていることも強みである。加えて、全国13拠点にセンターを設け、専門性の高い技術力を有する同社のサービスエンジニアを配備するとともに、メンテナンス業務の委託先であるパートナーを顧客店舗等へ派遣することにより、日本全国でメンテナンスサービスを提供できる体制を構築し、顧客の多種多様な要望に対応している。また、同社が開発したWeb管理システムを利用することで、顧客の店舗管理者がメンテナンス状況をリアルタイムで把握でき、管理業務における煩雑な手間を軽減させることが可能となる。これらの強みによって、各地に広がる多くの店舗や施設の一元管理ができるため、顧客企業は適切なコスト管理を行うことができることは、多店舗・多棟展開する企業にとって需要が大きいだろう。
また、パナソニックグループであるパナソニック産機システムズのメーカーサービス指定店として、業務用大型空調機器等の定期点検、修理対応も行っている。創業時からパナソニック製の空調機器メンテナンスを手掛けてきたことから、パナソニックグループとの関係は強固である点も強みである。また、環境問題による省エネニーズが高まっており、大型空調機器に付随した省エネインバータ化工事、大型空調機器以外の電気設備や給排水衛生設備などのメンテナンス、大型機器のリニューアルといったトータルメンテナンス事業の拡大によって、需要獲得機会が高まると弊社では見ている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《YM》
提供:フィスコ