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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~中小型株の決算を受けた個人主体による売買が活発化~

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:中小型株の決算を受けた個人主体による売買が活発化
■NTT、1Q営業利益2.3%減 4862.74億円
■前場の注目材料:楽天グループ、通信技術の海外展開加速、「仮想化」に自信


■中小型株の決算を受けた個人主体による売買が活発化

10日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだが、底堅さは意識されやすいだろう。9日の米国市場ではNYダウが106ドル安だった。新型コロナウイルス感染件数が6カ月ぶり高水準に達し、投資家心理が悪化。景気回復が損なわれるとの懸念から売り優勢の展開だった。しかし、6月JOLT求人件数が過去最高を記録し、労働市場の改善が明らかになると警戒感が緩和しており、底堅さは見られている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比50円高の27890円。円相場は1ドル110円20銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行の展開が意識されそうである。米国市場では先週末に予想を上回る雇用統計を受けてNYダウ、S&P500は史上最高値を更新しており、週初は反動も意識されやすいところであったため、嫌気した動きは限られそうである。また、主要企業の決算発表が概ね一巡したことにより、改めてイレギュラー的な動きとなった銘柄への見直しも意識されやすい。機関投資家も動きやすくなると考えられるため、下値の堅さは見られそうである。

先週の日経平均はこう着ながらも緩やかなリバウンドを見せてきており、27500円を支持線として確認した。積極的な売買は期待しづらいところではあるが、節目の28000円および上値抵抗線として意識されている25日線を捉えてくる可能性はありそうだ。先物市場ではクレディスイスがショートカバーの動きを見せてきたことも、下値の堅さを意識させやすいところ。

物色の流れとしては決算を手掛かりとした個別物色となろう。また、今週は中小型株の決算が中心になることから、個人主体による売買が活発化しやすい。お盆休みとなることから、個人投資家の売買比率が高まりそうであり、短期的な値幅取り狙いの動きも目立ってきそうだ。


■NTT、1Q営業利益2.3%減 4862.74億円

NTT<9432>が発表した第1四半期業績は、営業収益が前年同期比4.6%増の2兆8925.70億円、営業利益が同2.3%減の4862.74億円だった。コンセンサス(5120億円程度)を下回っている。料金値下げの影響があったものの、端末販売の増加などを支えに増収となっている。あわせて、2500億円、1億株を上限とした自社株買いを実施すると発表。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(27820.04、+91.92)
・ナスダック総合指数は上昇(14860.18、+24.42)
・シカゴ日経先物は上昇(27890、大阪比+50)
・1ドル110円20-30銭
・海外コロナワクチン接種の進展
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・三菱UFJ<8306>ITRIと提携、日台半導体連携を支援
・日立建機<6305>常陸那珂で鉱山機械2倍増産、世界で需要急回復
・小糸製作所<7276>米VBに追加投資、「LiDAR」搭載製品開発で協力関係を強化
・三ッ星<5820>高所・水中作業用給電ケーブル、線心の強さ20倍
・エーザイ<4523>抗てんかん剤、中国で追加適応承認


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 6月経常収支(予想:+8550億円、5月:+1兆9797億円)

<海外>
・特になし
《ST》

 提供:フィスコ

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