【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):新型コロナ対策関連、ブロドリーフ、オービック
川本産業 <日足> 「株探」多機能チャートより
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が4日ぶり反落。1万4000円台半ばで売り物をこなす展開となった。日経平均に連動するETFで変動率が日経平均株価の2倍に基本設定されていることが特徴。全体相場のボラティリテイが高まると、短期の値幅取りに着目した資金の流入が活発化する傾向が強い。目先は中国株や香港株市場などが波乱含みの動きでリスク回避ムードが高まっており、投資家の視線が日経レバに向いており、売買代金は全市場を通じて首位を争う状況にある。信用買い残が直近21日現在で大幅に増加しており、再び1000万口を超えていることで需給悪化も意識されやすい。
■ブロードリーフ <3673> 504円 -12 円 (-2.3%) 本日終値
ブロードリーフ<3673>は4日ぶりに反落。この日正午ごろ、21年12月期連結業績予想について、売上高を201億円から203億5000万円(前期比3.8%減)へ、営業利益を24億円から26億円(同37.1%減)へ、純利益を15億5000万円から16億4000万円(同33.5%減)へ上方修正し、あわせて従来7円を予定していた年間配当を8円に引き上げると発表したが、想定内との見方が強く市場の反応は限定的のようだ。上期で業務ソフトウェアの販売数が計画を上回る見込みとなったほか、オンラインによる営業活動を推進したことにより、営業コストや事業運営コストを効果的に配分できたことも業績に寄与する。
■オービック <4684> 19,570円 -40 円 (-0.2%) 本日終値
オービック<4684>に強気評価も弱含み。岩井コスモ証券は27日、同社株の投資判断の「A」と目標株価2万5000円を継続した。第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比9.3%増の127億3100万円と堅調。デジタルトランスフォーメーション(DX)関連のIT投資増加を追い風にクラウドで提供する統合基幹業務ソフト「OBIC7シリーズ」の販売が伸びている。22年3月通期の同利益は520億円と28期連続増益が見込まれているが、同証券では530億円への増額修正を予想している。
■サカイオーベックス <3408> 3,715円 +700 円 (+23.2%) ストップ高 本日終値 東証1部 上昇率トップ
サカイオーベックス<3408>がストップ高。27日の取引終了後、MBOの一環として同社代表取締役社長である松木伸太郎氏が全株式を所有するサカイ繊維がサカイオーベ株に対してTOBを実施すると発表しており、TOB価格の3810円にサヤ寄せする格好となった。買い付け予定数は567万5533株(下限361万1900株、上限設定なし)で、買い付け期間は7月28日から9月8日まで。なおTOB成立後、サカイオーベは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は、同社を27日付で監理銘柄(確認中)に指定している。
■川本産業 <3604> 1,099円 +86 円 (+8.5%) 本日終値
川本産業<3604>、中京医薬品<4558>が逆行高。ここ新型コロナウイルスのデルタ型の感染が世界的に拡大している。国内でも、前日27日に東京都の新規感染者数が過去最多となるなど増加傾向が顕著となるなか、株式市場では昨年の感染拡大初期に物色が向かった一連の新型コロナ対策関連株が再び買われる展開となった。アゼアス<3161>や興研<7963>、重松製作所<7980>なども高い。
■東京産業 <8070> 711円 +42 円 (+6.3%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
東京産業<8070>は全体下げ相場に抗して急速な切り返しをみせ、一気に700円台を回復。3月22日につけた年初来高値708円にツラ合わせとなった。三菱系の機械商社で、太陽光発電やバイオマス発電など再生可能エネルギー分野への注力を標榜していることで、国策を追い風とする脱炭素関連の有力株として頭角を現している。2023年3月期を最終年度とする中期経営計画(連結)では、営業利益段階で37億円(21年3月期実績19億4100万円)を掲げており、テーマ性だけではなく株価指標面でも時価予想PER9倍台、PBR0.7倍前後は割安感が際立っている。
■三菱製鋼 <5632> 1,113円 +44 円 (+4.1%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
三菱製鋼<5632>が地合い悪に抗して3連騰、6%近い上昇で今月14日につけた年初来高値1127円を奪回し新値街道に突入した。自動車向けなどを中心に特殊鋼やバネを生産しており、世界的な自動車販売の好調で収益環境は良好だ。21年3月期は営業損益が49億4300万円の赤字だったが、22年3月期は30億円の黒字に転じる見通し。トップラインの伸びが顕著で利益を押し上げる。PER5倍台、PBR0.4倍台と株価指標面で超割安圏にあることで、水準訂正期待が大きい。
■ピックルス <2925> 3,745円 +130 円 (+3.6%) 本日終値
ピックルスコーポレーション<2925>は大幅続伸。27日の取引終了後、8月31日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げることで、投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。同時に、毎年2月末時点の株主に対して行っている株主優待制度について、株式分割後も現行の株主優待制度を継続するとしており、実質的な制度拡充となる。
■シックHD <7365> 784円 +26 円 (+3.4%) 本日終値
シック・ホールディングス<7365>が4連騰で年初来高値を連日更新。27日の取引終了後、21年9月期の連結最終利益を従来予想の4億4600万円から16億4600万円へ上方修正すると発表。2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなり、これが好材料視された。同社は連結子会社のアクトコールとTSUNAGUを株式交換によって、ジャパンベストレスキューシステム<2453>へ譲渡することを決定した。これに伴い、算定した株式価値をベースとした試算において約18億円の特別利益が発生するとともに、法人税調整額を約6億円計上する見込みとなったことが上振れの要因になる。同社は株式交換を通じて、高い収益性と成長力を持つ決済ソリューション事業に経営資源を集中させるとともに、JBRとは株式交換に伴う資本業務提携によって協業を進める方針だ。なお、JBRの株価も大幅高となっている。
■アジャイル <6573> 500円 +12 円 (+2.5%) 一時ストップ高 本日終値
アジャイルメディア・ネットワーク<6573>が大幅続伸。今月12日に大量保有報告書を提出したサイブリッジが27日の取引終了後、財務省に変更報告書を提出し、サイブリッジの同社株式保有比率は5.01%から9.99%に増加したことが判明。これを受けて思惑的な買いが向かった。また同日、子会社クリエ・ジャパンが、富士通<6702>の主催する富士通アクセラレータープログラム「Work Life Shift」の採択企業に決定したと発表したことも材料視されたようだ。クリエの提供する動画DXソリューション「PRISM」が富士通の全社DXプロジェクト「フジトラ」と連携し、新たな働き方改革の具体的なソリューションを創出するとしている。
●ストップ高銘柄
グローバルウェイ <3936> 2,103円 +400 円 (+23.5%) ストップ高 本日終値
東京機械製作所 <6335> 1,125円 +150 円 (+15.4%) ストップ高 本日終値
ピー・シー・エー <9629> 5,400円 +705 円 (+15.0%) ストップ高 本日終値
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
オンキヨーH <6628> 1円 0 円 (0.0%) ストップ安 本日終値
など、2銘柄
株探ニュース