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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東京製鉄、日立造、東レ

東京製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
■東京製鐵 <5423>  1,169円  +99 円 (+9.3%)  本日終値  東証1部 上昇率5位
 東京製鐵<5423>が急騰。前週21日の取引終了後、22年3月期の単独業績予想について売上高を2210億円から2440億円(前期比72.5%増)へ、営業利益を120億円から220億円(同5.5倍)へ大幅上方修正しており、これを好感した買いが入った。海外マーケットにおいて鉄鋼需要の急回復により需給が引き締まった状況が続く見通しにあるほか、国内においても建設工事や民間設備投資の持ち直しなどを受けて需要が堅調に推移する見込み。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高530億7100万円(前年同期比45.9%増)、営業利益37億1500万円(同14.8%増)だった。

■愛三工業 <7283>  969円  +68 円 (+7.6%)  本日終値  東証1部 上昇率7位
 愛三工業<7283>が続急伸、今月14日につけた年初来高値946円を一気にクリア、18年10月以来となる1000円大台乗せも視界に入ってきた。同社は燃料ポンプや燃料噴射システムなどのトヨタ系自動車部品メーカーだが、電動車制御システム分野に積極的に取り組み、トヨタグループの電動車戦略でもカギを握っている。業績面も22年3月期営業利益が前期比倍増の100億円を見込むなど絶好調で依然としてPERは10倍を下回っている。今週29日に21年4~6月期決算発表を控えており、好決算を期待した買いが株価を押し上げている形だ。

■アートSHD <3663>  1,085円  +67 円 (+6.6%)  本日終値
 アートスパークホールディングス<3663>が上昇加速、年初来高値を更新した。デジタル機器向けソフト開発を主力展開し、グラフィック分野のクリエーター向けイラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」が絶好調で業績を牽引している。世界で1000万人以上が利用するとされる同ソフトは、昨年来出荷本数がうなぎ上りの状態で、サブスクリプションモデルをスタートさせたこともあって収益を押し上げる成長ドライバーとして期待が大きい。また、UI(ユーザーインターフェース)開発ソリューションを提供し、自動運転関連分野でも存在感を示す。株式需給面では株式分割による個人投資家の参戦が顕著なうえ、外資経由の貸株調達による空売りの買い戻しなども反映され、踏み上げ相場的な色を強めている。

■日立造船 <7004>  791円  +48 円 (+6.5%)  本日終値
 日立造船<7004>が急伸。同社はきょう、子会社のHitachi Zosen Inova(スイス)が乾式バイオガス(メタン発酵)技術「Kompogas(コンポガス)」を用いたプラント建設をイタリアで受注したと発表。今回受注したのは、イタリアのエミリア=ロマーニャ州に新たに建設するプロジェクト。年間約10万トンの有機性廃棄物を発酵させてバイオガスを生成するもので、22年12月の稼働を予定している。なお、Inovaは14年にスイスの電力大手Axpoグループから「コンポガス」の建設事業を買収し、今回の受注は通算100件目(事業買収する以前のものをあわせた通算の件数)になるという。

■ライフコーポレーション <8194>  3,680円  +205 円 (+5.9%)  本日終値
 ライフコーポレーション<8194>は大幅高で3日続伸。岡三証券が21日付で投資判断「強気」を継続し、目標株価を4500円から5300円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。22年2月期第1四半期営業利益の通期会社計画に対する進捗率が44%に達していることや、第2四半期もコロナ下の消費行動がKPI(重要業績評価指標)にポジティブな影響を与え続けるとして、同証券の22年2月期営業利益予想を200億円から270億円へ、23年2月期を同237億円から282億円へそれぞれ引き上げている。

■大和工業 <5444>  3,730円  +205 円 (+5.8%)  本日終値
 大和工業<5444>が大幅続伸。SMBC日興証券は21日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を3700円から4200円に引き上げた。米国の形鋼市況は材料の鉄屑市況に先行して上昇傾向が継続しており、米国の関連会社である「ニューコア・ヤマト」が全社の業績を牽引するとみている。同証券では22年3月期の予想連結営業利益の見通しを84億円から105億円(会社計画80億円)に引き上げている。

■東レ <3402>  716.3円  +35.3 円 (+5.2%)  本日終値
 東レ<3402>が急伸。22日付の日本経済新聞朝刊で「2021年4~6月期は、本業のもうけを示す連結事業利益(国際会計基準)が前年同期の2.8倍の約350億円だったことがわかった」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、航空機向け炭素繊維複合材料(CFRP)はなおも厳しいが、米中の経済回復で自動車や家電向け樹脂などが好調という。なお、決算発表は8月4日を予定している。

■良品計画 <7453>  2,179円  +89 円 (+4.3%)  本日終値
 良品計画<7453>が大幅続伸。21日の取引終了後に発表した中期経営計画で、24年8月期に連結売上高7000億円(21年8月期見込み4876億円)、営業利益750億円(同492億円)を見込むとしたことが好材料視された。日本と中国にリソースを集中し、2030年までの10年間で、日本では売上20億円超の食品スーパー横など生活圏立地を中心に年平均純増100店舗、中国では年平均純増50店舗、その他アジア地域においては年平均純増30店舗を出店するとしている。

■日本製鉄 <5401>  1,812円  +64.5 円 (+3.7%)  本日終値
 日本製鉄<5401>、ジェイ エフ イー ホールディングス<5411>など大手をはじめ鉄鋼株が軒並み高。鉄鋼株は指標面で割安に放置されている銘柄が多く、業種別でみても出遅れ感が強かったが、きょうは全体相場が強気に傾くなかリターンリバーサル狙いの買いが集中している。21日に日本鉄鋼連盟から発表された1~6月の国内粗鋼生産量は前年同期比14%増の4805万7000トンと同期間としては11年ぶりの2ケタ伸長となったことが伝わっている。コロナ禍にありながら、ワクチン普及を背景に経済活動の正常化が進み、製造業が鉄鋼需要を牽引する格好で収益環境は良好だ。これを受け株式市場でも鉄鋼セクターへの投資マネー流入を誘っている。

■藤森工業 <7917>  4,210円  +145 円 (+3.6%)  本日終値
 藤森工業<7917>が反発。きょう朝方、同社と大阪大学大学院工学研究科テクノアリーナ細胞製造コトづくり拠点との共同研究チームがヒトiPS細胞の超大量増殖培養に成功したと発表。同社のシングルユース製品「バイファス」と独自開発の槽振とう型培養装置を活用することで、ヒトiPS細胞の分化能を維持した状態で110億個まで増殖培養することに成功した。これについて同社では、同細胞の凝集塊培養としては世界初となるという。

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