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【特集】高成長【始動】候補リスト〔第1弾〕 24社選出 <成長株特集>

Tホライゾン <日足> 「株探」多機能チャートより

 今月下旬から始まる4-6月期の決算発表シーズンを前に、好決算が期待される中小型株を探ってみたい。本特集では、製品・サービスの販売拡大もしくは買収や提携などにより、高成長に向けて動き始めた可能性のある銘柄にスポットライトを当てた。

 下表では、時価総額400億円以上1500億円未満の銘柄を対象に、直近3ヵ月実績の1-3月期に前年同期比で「10%増収・20%経常増益」を2四半期もしくは3四半期連続で達成した銘柄を“高成長「始動」候補”として24社選び出し、増益率が大きい順に記した。連続で収益が拡大し始めた企業は、これから高成長が期待できる有力候補として注目していいだろう。

 増益率トップとなったのは精密工作機械メーカーのツガミ <6101> 。21年1-3月期(第4四半期)の業績(国際会計基準)は、売上高191億円(前年同期比89.8%増)、税引き前利益37.5億円(同7.5倍)に急拡大して着地。経常利益は四半期ベースの過去最高益を26四半期ぶりに更新した。自動車部品関連やIT関連など幅広い業種の需要を取り込み、新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ小型自動旋盤の販売が中国向けを中心に大きく回復した。

 2位のテクノホライゾン <6629> [JQ]は政府主導のGIGAスクール構想やテレワークの拡大を追い風に、電子黒板や書画カメラの販売好調が継続し、1-3月期(第4四半期)の経常利益は16億円(前年同期比5.5倍)と2四半期連続の最高益更新を遂げた。併せて発表した22年3月期の同利益は29億円(前期比14.5%増)と3期連続で最高益を更新する見通しを示している。株価は13日に1996年10月につけた上場来高値を約24年9ヵ月ぶりに塗り替えている。

 3位に入った山洋電気 <6516> の1-3月期(第4四半期)は、中国で5G関連機器や自動車向けの設備投資が増加するなか、通信装置向けのクーリングシステムやロボット、半導体製造装置などファクトリーオートメーション向けを中心としたサーボシステムの販売が大きく伸びた。22年3月期は米国や中国をはじめとする設備投資需要の回復を追い風に、税引き前利益は前期比2.1倍の107億円に拡大し、4期ぶりに最高益を更新する計画だ。

 6位のKeePer技研 <6036> はSNSでのユーザー評価の上昇を背景に、高価格帯のコーティング施工が大幅に増加した。また、コロナ禍でキレイに長くマイカーに乗りたいという需要の高まりを受けて、売上高24.4億円(前年同期比39.0%増)、経常利益4.9億円(同3.4倍)と3四半期連続の業績高変化を遂げた。既存店売上高は4月以降も拡大が続いており、4-6月期も収益拡大が期待できそうだ。

 7位のフェローテックホールディングス <6890> [JQ]は半導体製造装置市場が拡大するなか、石英やセラミックスといった半導体マテリアル製品の受注が伸びた。また、5G通信機器向けやPCR検査機など医療分野向けサーモモジュールが好調だったほか、パワー半導体用基板の引き合いも強く、1-3月期(第4四半期)の経常利益は前年同期比3.2倍の24.6億円に膨らんだ。22年3月期の同利益は前期比65.3%増の136億円と2期連続最高益を計画する。

 続く8位にリスト入りしたBuySell Technologies <7685> [東証M]の1-3月期(第1四半期)は、緊急事態宣言の影響で出張訪問数は減少したものの、訪問あたり買取量の増加や個人向け直接販売比率の向上、徹底したコスト削減などで採算が大きく改善した。また、オークションを展開するタイムレスの連結化による業績上積みも収益を押し上げた。

 9位のイエローハット <9882> は新型コロナウイルス感染対策として車・バイクでの移動需要が高まったことが追い風になったうえ、寒波による降雪の影響で冬用タイヤやタイヤチェーンの販売が伸びた。また、10位のメルコホールディングス <6676> はテレワークの普及でWi-Fiルーターを中心に販売が伸びたほか、空気清浄機などの代理店ビジネスも好調だった。

 選出リストでは、7位のフェローテクを筆頭に半導体関連の健闘が目立つ。半導体基板向け薬品メーカーのメック <4971> が15位、半導体向け感光性材料大手の東洋合成工業 <4970> [JQ]が22位、半導体を主力とするエレクトロニクス商社である東京エレクトロン デバイス <2760> が24位にそれぞれリスト入りした。半導体周辺株は世界的に旺盛な半導体需要を追い風に高成長の継続が期待される。

           ┌ 経常利益 ┐  ┌ 売上高 ┐  増収増益 予想
コード 銘柄名    増益率 1-3月期 増収率 1-3月期 連続期数  PER
<6101> ツガミ      649   3751  89.8  19159    2  15.9
<6629> Tホライゾン   445   1603  98.8  10605    2  12.8
<6516> 山洋電      383   2988  24.9  23087    2  12.3
<6459> 大和冷      373   1202  10.2   9607    2  16.9
<6284> ASB機械    322   3791  57.3   9989    3  15.6
<6036> KeePer   241   495  39.0   2442    3  40.7
<6890> フェローテク   221   2469  18.9  24772    2   9.4
<7685> バイセル     221   630  78.0   5797    3  62.4
<9882> イエロハット   218   2060  10.9  31783    2  10.0
<6676> メルコ      217   1916  22.7  33904    2  12.3

<7241> フタバ      201   6449  13.3  143190    2   8.4
<6999> KOA      198   1590  15.9  14679    2   -
<6200> インソース    195   614  45.2   1859    2  64.5
<8871> ゴールドクレ   188   1308  45.6   5845    2   9.0
<4971> メック      124   1036  24.8   3505    2  28.3
<4293> セプテニHD   106   1068  20.8   5367    3  20.8
<3465> ケイアイ不    101   4562  36.5  45950    3   7.8
<3085> ALサービス  77.0   2186  21.4  10627    2  21.7
<8739> スパークス   54.4   1803  37.6   4042    3   -
<3983> オロ      50.4   567  11.8   1399    2  45.8

<7839> SHOEI   42.1   1358  18.7   4977    2  32.2
<4970> 東洋合成    36.8   896  14.4   7341    2  41.0
<9790> 福井コン    30.5   1129  12.7   3282    2  24.5
<2760> 東エレデバ   27.6   2013  19.6  44162    2  12.2

※売上高、経常利益の単位は百万円。増益率、増収率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。通期の経常利益予想が減益の企業は除いた。

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