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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

ヒマラヤ <日足> 「株探」多機能チャートより

■ヒマラヤ <7514>  1,090円 (-72円、-6.2%)

 東証1部の下落率3位。ヒマラヤ <7514> が急反落。28日の取引終了後、21年8月期の連結業績予想について、営業利益を13億7000万円から18億5000万円(前期4億8700万円の赤字)へ、最終利益を9億円から12億5000万円(同7億8900万円の赤字)へ上方修正したが、目先の材料出尽くし感から売られたようだ。売上高は従来予想の610億円(前期比5.7%増)を据え置いたものの、適切な売価設定や在庫コントロールの強化により値引き販売を抑制した結果、第3四半期累計(20年9月-21年5月)決算で、売上総利益率が前年同期比2.7ポイント上昇し、計画を上回ったことが寄与する。なお、その第3四半期累計決算は、売上高472億200万円(前年同期比15.0%増)、営業利益18億5100万円(前年同期15億7500万円の赤字)、最終利益12億8600万円(同10億9500万円の赤字)だった。

■ニイタカ <4465>  2,272円 (-135円、-5.6%)

 東証1部の下落率7位。ニイタカ <4465> が急反落。28日の取引終了後、集計中の21年5月期の連結業績予想について、純利益が13億円から7億円(前の期比33.8%減)へ下振れ、増益予想から一転して減益で着地したようだと発表しており、これが嫌気された。同時に中国連結子会社における一部生産設備の操業停止の継続と中国第2工場建設期間の延長を発表しており、これに伴い固定資産の減損損失を計上したことが要因という。なお、アルコール製剤の販売が想定より堅調に推移したことで、売上高は183億円から184億円(同3.8%増)へ、営業利益は19億円から24億円(同48.4%増)へそれぞれ上振れたとしている。

■INPEX <1605>  829円 (-41円、-4.7%)

 INPEX <1605> が大幅続落。ここ上昇基調を強めていた原油市況が足もとで急落、前日28日のWTI原油先物価格は1ドル14セント安の1バレル=72ドル91セントと4営業日ぶりに大幅下落となり、74ドル台から一気に72ドル台まで水準を切り下げた。米国株市場ではシェブロン <CVX> が3%あまりの下げをみせるなどエネルギー関連株が売られた。この流れが東京市場にも波及し、原油市況と株価連動性の高い資源開発関連株にはネガティブ材料となった。

■あさひ <3333>  1,429円 (-63円、-4.2%)

 あさひ <3333> が大幅反落。28日の取引終了後に発表した第1四半期(2月21日-5月20日)単独決算が、売上高241億5300万円(前年同期比21.5%増)、営業利益42億3600万円(同36.9%増)、純利益29億5600万円(同39.0%増)と大幅増益となったものの、目先の材料出尽くし感から売られたようだ。1月に発売したプライベートブランド商品をはじめ電動アシスト自転車が好調に推移し業績を牽引した。また、関東地域に2店舗、近畿地域に1店舗を出店したほか、「サイクルベースあさひ南大沢キッズ館」を「サイクルベースあさひ南大沢店」に統合したことも寄与した。なお、22年2月期通期業績予想は、売上高700億円(前期比0.8%増)、営業利益54億5000万円(同20.6%減)、純利益35億円(同25.8%減)の従来見通しを据え置いている。

■住友鉱 <5713>  4,405円 (-107円、-2.4%)

 住友金属鉱山 <5713> 、DOWAホールディングス <5714> 、三井金属 <5706> 、三菱マテリアル <5711> など非鉄株がほぼ全面安商状。世界的な景気回復期待が強まる一方で、新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の感染が拡大しており、経済正常化への流れがやや滞る可能性が意識され始めた。世界景気のバロメーターともいえる銅市況がここ数日軟化傾向をみせるなど上昇トレンドに一服感が出ている。住友鉱をはじめ非鉄市況との株価連動性の高い銘柄群には株価の上値を重くする材料となった。

■津田駒 <6217>  875円 (-21円、-2.3%)

 津田駒工業 <6217> が反落。28日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(20年12月-21年5月)連結業績について、売上高が135億円から120億円(前年同期比3.9%増)へ、営業損益が14億円の赤字から15億5000万円の赤字(前年同期15億3000万円の赤字)へ、最終損益が15億円の赤字から19億5000万円の赤字(同18億5000万円の赤字)へ下振れて着地したようだと発表しており、これが嫌気された。インド市場で新型コロナウイルス感染症が再拡大したことにより、経済活動が停滞したことが要因。また、半導体関連部品の不足、長納期化に伴う生産調整などの影響から、国内の自動車産業向けが計画を下回ったことも響いた。

■SBG <9984>  7,755円 (-170円、-2.2%)

 ソフトバンクグループ <9984> が続落、今月21日ザラ場に7400円台まで売り込まれた後は急速に戻り歩調となり、その3日後の24日は取引時間中に8000円台を回復するなど株価は底入れの動きをみせていた。しかし、8000円大台近辺では戻り売り圧力が強く押し返される格好となっている。同社は米ハイテク企業に積極投資しており、米国株市場でハイテク株比率の高いナスダック総合指数との株価連動性が高いことで知られる。そうしたなか、28日にナスダック指数は過去最高値を更新したが、同社株への買い意欲は限定的だった。5月中旬の急落をチャンスと見た個人投資家が信用取引を活用して買い向かったが、リバウンドの思惑が外れた。直近データでは信用買い残が1750万株近くに達しており、これは今年1月末以来約5ヵ月ぶりの高水準で、上値の重石となっている。

■メルカリ <4385>  5,930円 (-100円、-1.7%)

 メルカリ <4385> [東証M]が5日ぶりに反落。28日の取引終了後、2本立てのユーロ円建転換社債(CB)型新株予約権付社債を発行すると発表しており、1株当たり利益の希薄化が警戒された。発行金額は合計500億円。2026年7月満期の5年債と2028年7月満期の7年債の2本立てで、発行金額はそれぞれ250億円ずつ。転換価格は28日終値を54.99%上回る9346円で決まった。調達資金は、借入金の返済やメルカリUSにおけるプロダクト開発のための人材採用やマーケティング費用、メルペイにおけるサービス拡大に伴う運転資金などに充てる。

■三菱UFJ <8306>  601.6円 (-9.3円、-1.5%)

 三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> 、みずほフィナンシャルグループ <8411> のメガバンク3社がいずれも軟調なほか、第一生命ホールディングス <8750> 、T&Dホールディングス <8795> など生保株も売りに押される展開で、大手金融株への売り圧力が強い。ここ米国での早期利上げ懸念が一服し、米長期金利が低下傾向にある。前日28日の米10年債利回りは終値ベースで1.47%台まで低下し、再び1.5%台を下回ってきた。米国株市場では運用利ザヤが縮小するとの思惑からゴールドマン・サックス <GS> やバンカメ <BAC> など金融株の一角が軟調気味に推移しており、東京市場でも米国事業を展開するメガバンクや大手生保には風向きが悪くなった。

※29日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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