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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

3DM <日足> 「株探」多機能チャートより

■3DM <7777>  402円 (+80円、+24.8%) ストップ高

 スリー・ディー・マトリックス <7777> [JQG]がストップ高。株価は前日28日に15%高と値を飛ばしたが、29日は一段と投資資金の流入が加速した。同社は自己組織化ペプチド技術を活用した医療製品の開発を手掛けるバイオベンチャーで、欧米向けに止血材が伸びており、胃潰瘍出血用途など新たな適応拡大に期待が大きい。28日取引終了後、米国で消化器内視鏡領域を適応領域とした止血剤「PuraStat-GI(仮称)」の承認を取得したことを発表、これを材料視する形で物色人気が集中した。

■アクリート <4395>  1,732円 (+181円、+11.7%)

 アクリート <4395> [東証M]が急反騰。NTTドコモ(東京都千代田区)、KDDI <9433> 、ソフトバンク <9434> の3社が28日、企業が消費者向けに携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)を利用する場合に使う番号を、3社で共通化すると発表したことを受けて、利便性向上によりSMSの利用が促進されるとの思惑から買われたようだ。これまで消費者向けに企業がSMSを送受信する場合には、企業側が携帯3社の利用者向けにそれぞれ個別の番号を用意する必要があったが、共通化により1つの番号でSMSの問い合わせを受け付け、同じ番号からSMSで回答するなどの対応が可能になり、双方向のコミュニケーションが容易になるという。SMSは、2段階認証や荷物配達時の通知などの利用が広がっているが、共通番号によりさらに利用が促進されれば、SMS配信代行大手の同社の商機拡大につながるとの見方が強い。

■昭文社HD <9475>  514円 (+43円、+9.1%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。昭文社ホールディングス <9475> が急反発。同社は29日、ヘッドスプリング(東京都品川区)と資本・業務提携したと発表。昭文社HD子会社のマップルを中心に蓄電システムの共同開発や関連製品を軸とした各種ソリューション事業を協業するとしており、これが材料視されたようだ。ヘッドスプリングは、独自の電力変換(パワーエレクトロニクス)技術をベースに、蓄電池電気自動車(EV)向けの電力変換製品の開発・提供、蓄電システム全般の製品化支援などパワーエレクトロニクスに関わるさまざまな事業を展開している企業。今回の提携により共同開発する蓄電システムには、ヘッドスプリングが持つ次世代パワー半導体を活用した高周波スイッチング技術を適用し、低価格で小型・高効率な製品を実現するとしている。

■AIクロス <4476>  2,177円 (+161円、+8.0%)

 AI CROSS <4476> [東証M]が急反発。28日の取引終了後、新たなHR(ヒューマン・リソース)関連サービスとして、戦略人事AIアナリティクス「HYOUMAN BOX」をリリースすると発表しており、これが好感された。同サービスは、社員のパーソナリティーを適性検査により可視化し、可視化されたデータを多様に分析することで、自社に適した活躍人材を見極め、最適配置を実施するシステム。人事のデジタルトランスフォーメーション(DX)を実現し、感覚人事から脱却することで組織パフォーマンスを最大にするとしている。

■ユビテック <6662>  315円 (+23円、+7.9%)

 ユビテック <6662> [JQ]が4日続伸。28日の取引終了後、作業者の安全見守りサービス「Work Mate」が米アップル <AAPL> の「Apple Watch」に対応したと発表しており、これが好感された。「Work Mate」は、スマートウオッチを装着しシステムと連携させることで、製造現場や建設現場などの作業者の「転倒・転落検知」「SOSアラート通知」「屋内外位置測位」「バイタル情報測定」の各種情報を取得できる作業者の安全見守りサービス。今回の「Apple Watch」への対応は、専用のアプリケーションをダウンロードすることで可能となり、利便性向上による利用層の拡大が期待されている。

■フロンテオ <2158>  1,227円 (+71円、+6.1%)

 FRONTEO <2158> [東証M]が急反発。28日の取引終了後、人工知能(AI)エンジン「KIBIT」を活用した営業通話解析が三菱UFJモルガン・スタンレー証券(東京都千代田区)に採用されたと発表しており、これが好材料視された。今回の取り組みは、担当者が手入力で記録したテキストの解析に加え、顧客との通話データも解析するよう範囲を拡大したのが特徴。今回採用されたKIBIT-Connectは、「KIBIT」と他のシステムとの連携を可能にするAPIで、今回は通話をテキストに変換したデータをKIBITと連携して通話記録を解析するとしている。

■ニーズウェル <3992>  663円 (+38円、+6.1%)

 東証1部の上昇率3位。ニーズウェル <3992> が急反発。28日の取引終了後、21年9月期の期末一括配当予想を17円から23円に引き上げると発表しており、これが好感された。10月1日に設立35周年を迎えることを記念して、普通配当を1円増額するとともに記念配当5円を実施する。

■イーレックス <9517>  2,641円 (+141円、+5.6%)

 全体下げ相場のなか、イーレックス <9517> が6連騰で連日の上場来高値更新と気を吐いたほか、レノバ <9519> も上値指向。世界的に脱炭素社会に向けた取り組みが加速するなか、日本国内でも政府や日銀が政策面での支援を強めている。脱炭素は18日に閣議決定した骨太の方針でも盛り込まれたほか、直近では環境省が地域の脱炭素への取り組みを後押しするべく、7月1日付で局長級の新たなポストを新設することが伝わっている。菅政権では2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする計画だが、30年度までに排出量を13年度比で46%削減する具体的な数値目標を掲げており、この遂行に向けた環境作りが今後本格化するとみられる。また、日銀は今月18日の金融政策決定会合で、金融機関の気候変動対応の投融資を後押しする新たな資金供給策の導入を決めている。こうしたなか、余剰電力を買い取り再販する電力小売り事業を展開し、バイオマスの自社電源も保有するイーレックスや、太陽光発電事業を中心に再生可能エネルギーの開発・運営に特化するレノバなどは象徴株の一角として投資資金が集まりやすい。

■Jテック・C <3446>  3,675円 (+180円、+5.2%)

 東証1部の上昇率9位。ジェイテックコーポレーション <3446> が全般下げ相場に抗して大幅高で3連騰。研究機関や企業の実験施設向けに超高精度X線集光ミラーや自動細胞培養装置などの理化学機器を製造販売する研究開発型企業だが、その独自の技術力に市場でも評価が高まっている。あすから7月2日までの日程でパシフィコ横浜において「OPIE’21 レーザーEXPO2021」の開催が予定されており、これも同社株の刺激材料となった。また、半導体製造装置市場で急速に立ち上がるEUV露光装置分野でも活躍が期待されている。EUV露光装置で世界シェアを独占するオランダのASMLが開発を進める次世代機分野で、「同社の超高精度X線集光ミラーがキーテクノロジーとして注目される可能性」(国内証券ストラテジスト)が指摘されている。

■しまむら <8227>  10,810円 (+490円、+4.8%)

 東証1部の上昇率10位。しまむら <8227> が大幅続伸。28日の取引終了後に発表した第1四半期(2月21日-5月20日)連結決算が、売上高1425億3900万円(前年同期比33.2%増)、営業利益130億1900万円(前年同期12億8100万円の赤字)、最終利益88億7500万円(同12億2100万円の赤字)と営業損益が黒字転換し、第1四半期として過去最高となったことが好感された。PB商品や共同開発ブランドの展開を拡大したことや、週単位でさまざまな企画を打ち出したことが集客に効果を発揮したことで主力のしまむら事業の既存店売上高が19年度比で3.7%増となったことが牽引した。また、季節商品の前倒し展開により夏物が好調に推移したアベイル事業も堅調に推移した。22年2月期通期業績予想は、売上高5548億3700万円(前期比2.3%増)、営業利益386億4600万円(同1.6%増)、最終利益262億7700万円(同0.4%増)を見込む。

■デサント <8114>  2,995円 (+128円、+4.5%)

 デサント <8114> が4日続伸し、連日で年初来高値を更新した。米ナイキ <NKE> が24日に発表した3-5月期決算が市場予想を上回る好決算となったことを受けて、スポーツ用品やスポーツウェア関連銘柄への好業績期待が高まっており、同社もその一つ。また、同社は米大リーグのロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手着用モデルの商品を販売しており、大谷選手の活躍によるプラス効果も期待されている。

■ポピンズ <7358>  4,880円 (+200円、+4.3%)

 ポピンズホールディングス <7358> が大幅続伸。同社は29日、大阪府豊中市から委託を受け、双子や三つ子など多胎児家庭を対象とした保護者の育児支援事業を開始すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。同事業は、多胎児をもつ家庭に同社の教育ベビーシッターが訪問し、育児・家事・外出のサポートを行うもの。7月1日から開始し、3歳までの多胎児を対象に年間計12回(1回は2時間)まで利用料は無料だという。

■シンバイオ <4582>  2,400円 (+97円、+4.2%)

 シンバイオ製薬 <4582> [JQG]が大幅高で3日続伸。東京証券取引所が29日売買分から、信用取引による新規の売り付け及び買い付けにかかる委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)とする信用取引の臨時措置を解除したと発表しており、売買の自由度が増すとの見方から買いが入った。また、日本証券金融も29日付で貸借取引銘柄別増担保金徴収措置を解除すると発表している。

■Kラーニング <7353>  1,972円 (+65.3円、+3.4%)

 KIYOラーニング <7353> [東証M]が大幅反発。29日、企業向け社員教育クラウドサービス「AirCourse MBAシリーズ」に新テーマ「IT戦略」をリリースすると発表しており、これが好材料視された。「AirCourse MBAシリーズ」は、経営に関する知識や事例を基礎から学べるシリーズで、若手社員から管理職まで幅広い層で活用されている。今回リリースされた新テーマ「IT戦略」では、最新トピックや企業事例を交え、実務に活用できるIT知識を体系的に習得できる。また今後も最新ITトレンドや事例などのコースを順次追加する予定という。

■マーチャント <3121>  320円 (+9円、+2.9%)

 マーチャント・バンカーズ <3121> [東証2]が反発。28日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を18億5000万円から26億5000万円(前期比62.1%増)へ、営業利益を3億円から4億5000万円(同2.1倍)へ、最終利益を1億3000万円から2億3000万円(前期4400万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。営業投資有価証券として保有するCNイノベーションズ・ホールディングスの売却に加えて、販売用不動産の売却が寄与する。

■CSS <2304>  286円 (+8円、+2.9%)

 CSSホールディングス <2304> [JQ]が高い。28日の取引終了後、上限を10万株(発行済み株数の1.92%)、または2780万円とする自社株を、29日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表しており、これが好感された。経営環境に対応し、持続的な企業価値向上のための将来のM&Aや、アライアンスでの活用を視野に、機動的な資本政策の遂行を目的としている。

■NaITO <7624>  195円 (+4円、+2.1%)

 NaITO <7624> [JQ]が高い。同社は機械工具の専門商社だが、主力の切削工具が自動車部品向けに回復色を強めている。28日の取引終了後に発表した22年2月期第1四半期(3-5月)決算は営業利益が前年同期比2.8倍の1億7500万円と急拡大した。通期計画の3億5000万円に対する進捗率は50%に達しており、増額修正期待が膨らんでいる。これを背景に投資資金を呼び込む形となった。株価が200円前後と値ごろ感があることから、上値を見込んだ短期資金の参戦が活発化している。

■多摩川HD <6838>  1,427円 (+27円、+1.9%)

 多摩川ホールディングス <6838> [JQ]が3日続伸。28日の取引終了後、子会社GPエナジー6が保有する北海道登別市太陽光発電所を売却すると発表しており、これが好材料視された。なお、売却価格は21年3月期売上高(67億4200万円)の10%相当額以上、利益は営業利益(2億1100万円)の30%相当額以上としている。

※29日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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