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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 NT倍率のボトム接近ではNTロングを組成するタイミングに


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 28990 -50 (-0.17%)
TOPIX先物 1962.0 +3.5 (+0.17%)
シカゴ先物 29010 -30
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 25日の米国市場ではNYダウS&P500が上昇する一方、ナスダックは小幅に下落。インフラ投資計画についてバイデン政権と野党・共和党の議員を含む超党派のグループが合意し法制化に向けて前進したことが材料視され、景気敏感株を中心に買い優勢の展開。また、米連邦準備制度理事会(FRB)が大手金融機関を対象に実施したストレステストでは、23行の全てが基準を満たしたため、今後自社株買いや配当政策への期待が高まるとして金融株が買われた。朝方発表された5月の個人消費支出(PCE)では、変動の大きいコアPCEが前年同月比3.4%上昇となったが、6月のミシガン大学消費者マインド指数(確定値)は85.5と速報値(86.4)から下方修正されている。長期金利は1.52%に上昇しナスダックの重荷となったものの、インフレ加速の懸念は広がらなかった。

 シカゴ先物清算値は日中大阪比30円安の2万9010円だった。日経225先物のナイトセッションは日中比60円安の2万8980円で始まると、寄り付き直後の2万8960円を安値に、2万8960円~2万9030円の狭いレンジ推移が続き、2万8990円で取引を終えた。

 本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、2万9000円を挟んだこう着感の強い相場展開になりそうであり、2万9000円近辺に位置する75日移動平均線を明確に上放れるかを見極める必要があろう。節目の2万9000円処では強弱感が対立しやすいほか、薄商いが継続している状況下ではエネルギー不足といった面も否めない。

 先週のNT倍率は、先物中心限月で週前半に14.66倍まで低下した後は上昇に転じており、14.82倍で終えた。ボトム圏ではNT倍率に修正の動きが見られ、上値は下向きで推移する25日線に抑えられる形状である。本日は米国市場の動きを引き継ぐ形で景気敏感株に物色が向かいやすく、NT倍率は低下する可能性はある。ただし、明確な方向性は読みづらいところであるため、現段階ではボトム圏に接近する局面においては、NTロング(日経225先物買い、TOPIX先物売り)によるポジションを組成するタイミングとなろう。国内では新型コロナウイルスのワクチン接種が加速する一方で、感染再拡大の兆候も見られていることから、積極的に景気敏感株への資金シフトは見込みづらいと考えられる。

 なお、VIX指数は15.62に低下しており、ボトム圏での推移が継続。リスク選好の状況は続き、ショートポジションに傾けにくい状況だ。薄商いのなかで指数インパクトの大きい値がさ株に振らされやすく、売り仕掛け的な動きによって調整を強めてくるようなら、押し目狙いのスタンスとなるだろう。

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