【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):VIX短先物、Mipox、大同工
Mipox <日足> 「株探」多機能チャートより
国際のETF VIX短期先物指数<1552>が急騰。同ETFは「恐怖指数」と称される米VIX指数とリンクしており、米国市場の波乱時には上昇する特性を持つ。18日の米VIX指数は前日に比べ2.95(16.62%)ポイント高の20.70に上昇した。一時21.04まで値を上げた。セントルイス連銀のブラード総裁が米連邦準備制度理事会(FRB)は「22年にも最初の利上げをするだろう」と発言したことを受け、利上げの前倒し懸念が浮上。同日のNYダウは533ドル安と大幅安となった。これを受け米VIX指数は上昇し、警戒ラインと呼ばれる20を約1カ月ぶりに上回った。つれて東京市場では、VIX短先物が連動高している。
■Mipox <5381> 663円 +43 円 (+6.9%) 本日終値
Mipox<5381>は上値追い継続。きょうで6日続伸となり、3月末の高値636円を上抜き年初来高値更新と気を吐いている。半導体ウエハー向けなどの研磨用液剤などを手掛け、半導体設備投資拡大の恩恵を受けるが、脱炭素社会のキーデバイスとして注目される次世代半導体分野への展開力も評価されている。次世代パワー半導体のウエハー内部に含まれる結晶の欠陥を可視化できる新しい検査技術を開発するなど技術力が高い。業績も21年3月期は営業黒字化を果たし、続く22年3月期は営業11%増益予想と2ケタ成長を見込んでいる。
■大同工業 <6373> 1,209円 +67 円 (+5.9%) 本日終値 東証1部 上昇率3位
大同工業<6373>が大幅続伸、連日の年初来高値更新となった。同社株の1200円台乗せは18年7月下旬以来約3年ぶりとなる。ホンダ向けを主力とする二輪車用チェーンメーカーで、国内約70%の圧倒的なシェアを誇る。自動車用チェーンも北米中心に需要を伸ばし収益に反映させている。22年3月期営業利益は前期比倍増となる25億円を予想しており、業績変化妙味が大きい。なお、再来期の24年3月期の営業利益は今期予想比で更に倍の50億円を目指す中期経営計画を進行中で、これも投資資金流入の背景となっている。
■MICS化学 <7899> 366円 +18 円 (+5.2%) 一時ストップ高 本日終値
MICS化学<7899>は一時ストップ高。同社はきょう、防臭・消臭効果のある新しいフィルムを開発したと発表しており、これが材料視されたようだ。独自の製法により防臭効果に加え、消臭機能も付加させることで効果の持続性を実現したほか、原料には医薬品包装にも使用される機能性の高い原料を採用している。同社では、オムツの処理やペットケア、介護施設、病院、災害対策などさまざまな場面での利用を見込んでおり、今後同フィルムを使った新しいビジネスの柱の一つとして拡大展開していくとしている。
■フュートレック <2468> 399円 +19 円 (+5.0%) 本日終値
フュートレック<2468>は大幅高で3日ぶり反発。同社は前週末18日、マイク機能や翻訳機能が搭載されたスマートマスクの開発を手掛けるドーナッツロボティクス(東京都港区)と業務提携したと発表しており、これが材料視されたようだ。フュトレックが持つ音声認識やエコーキャンセル技術、声認証技術のスマートマスクへの搭載のほか、業務用途でのスマートマスク活用の提案などを行っていく。
■名糖産業 <2207> 1,599円 +47 円 (+3.0%) 本日終値
名糖産業<2207>が高い。同社はチョコレートなどを主力展開するほか医薬品分野でも強みを持っている。前週末18日取引終了後に22年3月期業績予想の修正を発表、最終利益を従来予想の9億円から48億円(前期比4.7倍)に大幅増額修正した。固定資産売却益を約56億円計上することによるもの。07年3月期以来15期ぶりの最高益更新となることで、これを材料視する買いが集中した。
■ザッパラス <3770> 512円 +12 円 (+2.4%) 本日終値
ザッパラス<3770>は反発。18日の取引終了後、グループ会社cocoloniの21年4月期で、占いに特化したライティング受注実績が前期比54%増を記録したと発表しており、これが好材料視された。
■フォースタートアップス <7089> 1,376円 +26 円 (+1.9%) 本日終値
フォースタートアップス<7089>が反発。午前10時10分ごろ、浜松市の「Next Innovator 育成事業」運営者として採択されたと発表しており、これが好材料視された。浜松市の「Next Innovator 育成事業」は、創業や起業を志す人材や、ビジネスの成長を目指すスタートアップ経営者、企業内で新事業展開を目指す人材を対象に、日本を代表する経験豊富なメンター陣によるメンタリングやさまざまな起業支援メニューを通じて、浜松発のグローバルに活躍する事業家を育成する事業。今回の採択によりフォースタでは、インキュベーションプログラム「Hamamatsu Incubator 2021」で、起業を目指す参加者の申し込み受け付けを開始するとしている。
■ナノキャリア <4571> 319円 +6 円 (+1.9%) 本日終値
ナノキャリア<4571>が反発。午前10時30分ごろ、米国で軟部肉腫を対象として開発中のNC-6300(エピルビシンミセル)について、米国食品医薬品局(FDA)から軟部肉腫の一種である血管肉腫を対象にファスト・トラック指定を受けたと発表しており、これが好感された。ファスト・トラック指定は、米国における画期的な新薬について優先的に審査する優先審査制度。会社側では同件による22年3月期業績への影響は現時点ではないとしているが、ライセンス活動の進捗に伴い影響が発生した際には速やかに開示するとしている。
■パスコ <9232> 1,673円 +22 円 (+1.3%) 本日終値
パスコ<9232>は全体地合い悪のなか3日ぶり反発。前週末18日の取引終了後、6月25日付で35万2241株(発行済み株数の2.38%)の自社株を消却すると発表しており、これが好感されたようだ。なお、消却後の発行済み株数は1441万8025株となる予定だ。
●ストップ高銘柄
なし
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース