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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東芝、レーザーテク、チェンジ

東芝 <日足> 「株探」多機能チャートより
■東芝 <6502>  4,530円  +700 円 (+18.3%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ
 東芝<6502>はストップ高。7日付の日本経済新聞は「英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが東芝に買収提案することが6日分かった」と報じた。株式を非公開化して経営判断を速めることを狙っており、当局を含め合意できればTOBに乗り出す。買収額は2兆円を超えるともみられている。CVCは買収額の目安として足もとの株価の3割程度のプレミアムを提示したもようだ、という。

■東芝テック <6588>  4,605円  +400 円 (+9.5%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 東芝テック<6588>や芝浦メカトロニクス<6590>が急伸。この日、東芝<6502>に対して、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズなどが買収提案することが報道された。これを受け、東芝には買いが殺到し、株価はストップ高カイ気配と急騰している。東芝はこれまでグループ企業の再編を進めてきたが、現在も同社が大株主となっている東芝テックや芝浦メカトロニクスは、東芝が海外ファンドなどに買収された場合、その保有株は流動化する可能性もあることから思惑買いが流入している様子だ。

■野村マイクロ <6254>  4,485円  +305 円 (+7.3%)  本日終値
 野村マイクロ・サイエンス<6254>が大幅高で昨年12月16日につけた高値4265円を払拭し、約4カ月ぶりに上場来高値を更新した。世界的な半導体需給の逼迫やそれに対応した半導体メーカーの設備投資増強の動きを背景に、半導体製造装置関連セクターに断続的に投資資金が流入している。そのなか、先駆した主力株を追う格好で中小型の半導体製造装置関連株などがファンド系資金などの草刈り場となっているとの見方が出ている。半導体受託生産の世界トップのTSMCが3年間で約11兆円の設備投資計画を打ち出すなどで話題を呼んだが、野村マイクロは台湾や韓国などアジアの大手半導体メーカーの需要開拓で先駆していることもあり追い風が強い。

■大阪有機化学工業 <4187>  4,635円  +315 円 (+7.3%)  本日終値
 大阪有機化学工業<4187>が急反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は6日、同社株の「バイ」を継続するとともに、目標株価は4500円から5200円に引き上げた。外部環境などを考慮すれば半導体の先端プロセス用フォトレジスト材料や半導体用溶剤の拡販などによる中長期的な成長確度はより高まっているとみている。第1四半期(20年12月~21年2月)は大幅増益となったが、21年11月通期の業績予想は据え置かれた。ただ、第2四半期以降の増額修正を予想。同証券では今期連結営業利益を前期比23.8%増の55億円(会社予想45億5000万円)を見込んでおり、22年11月期の同利益は65億円とみている。

■レーザーテック <6920>  17,670円  +1,180 円 (+7.2%)  本日終値
 レーザーテック<6920>が急伸し、連日の上場来高値更新と気を吐いている。前日の米国株市場では半導体関連株が軟調でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4日ぶりに反落したほか、外国為替市場では足もと1ドル=110円を割り込む円高水準で推移するなど向かい風が意識されている。しかし、半導体マスクブランクス検査装置で世界シェアを独占すると企業して、海外投資家資金の再流入が観測されている。きょう発表された3月上中旬の貿易統計では貿易収支が2635億円の黒字だったが、その牽引役となったのは自動車と半導体製造装置であり、そのなか半導体製造装置のグローバルニッチトップである同社の存在が改めて注目されている。

■新日本電工 <5563>  381円  +25 円 (+7.0%)  本日終値
 新日本電工<5563>の上値追いが鮮明だ。3月下旬を境に急速に上放れ、きょうまでの直近10営業日で下げた日はわずかに1日のみ、9勝1敗となっている。日本製鉄系の合金鉄大手で、水素吸蔵合金で実績が高く、世界的な電気自動車(EV)シフトを背景に2次電池材料や、脱炭素が世界的なテーマとなるなかで水素貯蔵システムなどへの展開に期待がかかっている。水素貯蔵システムについては燃料電池車普及のカギを握る水素ステーションのインフラ拡充と絡むだけに今後、一段と注目度が高まりそうだ。

■古野電気 <6814>  1,185円  +73 円 (+6.6%)  本日終値
 古野電気<6814>が4日続伸となり、1100円近辺で収れんする5日・25日移動平均線を足場に上放れる動きをみせている。同社は魚群探知機や船舶用電子機器メーカーとして世界的に抜群の商品競争力を誇るほか、無線技術を活用して医療機器や教育ICT分野などにも業容を広げている。21年2月期は業績が急回復しており、株主還元にも積極的な姿勢をみせている。6日取引終了後、前期年間配当を従来計画から20円増額修正し40円とすることを発表、これを受けて前日終値ベースで換算した配当利回りは3.6%に跳ね上がる。これを評価する形で買いを呼び込んだ。

■チェンジ <3962>  3,830円  +205 円 (+5.7%)  本日終値
 チェンジ<3962>が後場一段高に買われた。きょう昼ごろ、エムスリー<2413>と連携し、新型コロナワクチン接種における体制構築支援サービスを全国の自治体へ展開すると発表しており、これが好感された。エムスリーが官民連携事業として展開している「【新型コロナワクチン接種体制】医師・薬剤師採用まるっとお任せサービス」の自治体向けマーケティングを支援するという。

■アルバック <6728>  5,050円  +170 円 (+3.5%)  本日終値
 アルバック<6728>は大幅高。6日の取引終了後、半導体・フラットパネルディスプレー(FPD)・電子部品製造装置向け耐食性表面処理「VACAL-Z(バッカルゼット)」の販売を開始すると発表しており、これが好感されたようだ。同社では、従来用いられている処理では熱サイクルにより亀裂が生じるほか、耐食性の悪化、微細なチリの発生源になるなどの問題があったという。「VACAL-Z」は、こうした問題点が解決されており、顧客の製造工程においてデバイスの性能や歩留まりの向上に貢献していくという。

■日本郵船 <9101>  3,960円  +125 円 (+3.3%)  本日終値
 日本郵船<9101>が高い。6日取引終了後、21年3月期の連結経常利益見通しを増額修正したことが好感された。同利益は従来予想の1600億円が約2000億円(前の期比4.5倍)に見直された。旺盛な輸送需要の継続により、持ち分法適用会社「OCEAN NETWORK EXPRESS」の21年3月期業績は想定を上回る。また、航空運送事業や物流事業も堅調な市況が継続していることが業績の上振れ要因に働く見通しだ。この日は商船三井<9104>や川崎汽船<9107>も値を上げている。

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