【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):郵船、パーソルHD、大林組
郵船 <日足> 「株探」多機能チャートより
大日精化工業<4116>が4日ぶりに反発。24日の取引終了後、従来15円を予定していた21年3月期の期末配当予想を30円に引き上げると発表したことが好感された。なお、年間配当は45円(前期77円50銭)となる。
■黒崎播磨 <5352> 4,955円 +150 円 (+3.1%) 本日終値
黒崎播磨<5352>が大幅高で3日ぶりに反発。24日の取引終了後、25年度までを実行期間とする「2025経営計画」を策定したと発表しており、これを好感する買いが入ったようだ。最終年度にあたる26年3月期に売上高1500億円(21年3月期計画は1130億円)、経常利益120億円(同55億円)を目指す。主力の耐火物事業は国内で抜本的体質強化策を実行し、海外ではアジア圏や欧米での事業拡大を進める方針。また、セラミックス事業は半導体製造装置向け製品の能力増強投資を行うほか、断熱製品・電子材料向け製品の拡販などを通じて収益力強化を図るという。
■日本郵船 <9101> 3,815円 +115 円 (+3.1%) 本日終値
日本郵船<9101>、 商船三井<9104>、 川崎汽船<9107> の大手3社をはじめ海運株が軒並み高に買われた。前日の米国株市場では景気敏感株が買われて全体相場を支え、NYダウは一時360ドルを超える上昇を示す場面もあった。バイデン政権が打ち出した追加経済対策が景気を浮揚させることへの期待感が強い。東京市場でも、直近は景気敏感株に利益確定の動きが強まったが、目先売り一巡から仕切り直しの買いが入ってきた。海運業界は景気回復を背景としたグローバル物流の回復を背景に、コンテナ船市況やばら積み船市況が急改善しており、景気敏感セクターを象徴する銘柄群として買いを引き寄せている。
■パーソルHD <2181> 2,150円 +63 円 (+3.0%) 本日終値
パーソルホールディングス<2181>が5日ぶりに反発。SMBC日興証券が23日付で同社の投資判断「2(中立)」を据え置き、目標株価を2100円から2400円に引き上げたことが材料視されたようだ。レポートでは、22年3月期は転職市場が回復するなか、人材紹介の回復基調が鮮明になると予想。中期的には第3の柱として期待するProfessional Outsourcingの利益率改善、HRテクノロジーの動向を注目点に挙げた。また、株価は競合他社と比較して割安感があると指摘している。
■大林組 <1802> 1,040円 +27 円 (+2.7%) 本日終値
大林組<1802>、清水建設<1803>、西松建設<1820>など大手や準大手ゼネコンをはじめ建設株への買いが目立つ。「米ナスダック安でハイテク株が手掛けにくく、消去法で景気敏感株への物色ニーズが強い。米国株の地合いに左右されにくい内需系では国土強靱化など経済対策効果が期待できる建設株に買いやすさがある」(中堅証券ストラテジスト)という。建設株は株価指標面でも低PBR銘柄の宝庫で、配当利回りが高い銘柄が多いことから、期末駆け込みでの配当取り狙いの買いも入っているもようだ。
■エディオン <2730> 1,270円 +28 円 (+2.3%) 本日終値
エディオン<2730>が3日ぶりに反発。24日の取引終了後、14円を予定していた21年3月期の期末配当予想を26円にすると発表したことが好感された。普通配当を7円増額して21円にするとともに、今期は20期にあたることを記念して5円の記念配当を実施する。年間配当は46円となり、前期実績に対しては12円の増配になる予定だ。
■小糸製作所 <7276> 7,440円 +140 円 (+1.9%) 本日終値
小糸製作所<7276>が6日ぶりに反発。東海東京調査センターは24日、同社株のレーティングの「アウトパフォーム」を継続するとともに目標株価を9000円から1万円に引き上げた。同社の営業利益率が電気自動車(EV)普及によるLEDヘッドランプの世界的な搭載率上昇、ADB(配光可変ヘッドランプ)の認可増加で中期的な上昇局面に入ったとみている。ADBとは、車載カメラで前方車両を認識し、ヘッドランプの配光を全自動で制御し常にハイビームでの走行を可能にすることで、ドライバーの前方視界を良好に保つシステム。21年に米国、22年には中国でも認可され、普及期に入ると予想される。更に、高性能センサーのLiDAR(ライダー)内蔵のヘッドランプなどを開発していることも評価している。
■タカラトミー <7867> 1,050円 +19 円 (+1.8%) 本日終値
タカラトミー<7867>が4日ぶりに反発。24日の取引終了後、連結子会社であるTOMY(香港)が所有する固定資産を譲渡するのに伴い、22年3月期第1四半期業績で固定資産売却益約18億円を特別利益として計上すると発表しており、これが好感された。経営資源の機動的、効率的活用及び財務体質の強化を図るため保有資産の見直しを行ったとしている。譲渡先は非開示。なお、売却計上時期は6月に予定しているため、22年3月期業績予想に織り込み開示するとしている。
■オークマ <6103> 6,420円 +100 円 (+1.6%) 本日終値
オークマ<6103>、芝浦機械<6104>、アマダ<6113>、牧野フライス製作所<6135>、DMG森精機<6141>など工作機械株が軒並み高。中国の経済回復色が強まっており、同国向けの省人化投資などに伴う設備投資需要を捉えている。今週23日に日本工作機械工業会から発表された2月の工作機械受注額確報値は、中国向けが牽引する形で前年同月比37%増と急増し1000億円台に乗せた。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなかも、好調な売り上げが確認されたことで、工作機械メーカーは上値を見込んだ断続的な買いが観測される状況にある。
■東和薬品 <4553> 2,412円 +16 円 (+0.7%) 本日終値
東和薬品<4553>が4日ぶりに反発。24日の取引終了後、ウシオ電機<6925>傘下のプロトセラ(大阪市)を子会社化すると発表しており、これを好感する買いが入った。プロトセラが実施する第三者割当増資を引き受け、議決権ベース77.1%の株式を取得するという。プロトセラはタンパク質の解析に関する独自の基盤技術を用いた疾病リスクの検査サービス事業を展開しており、子会社化を通じて健康寿命の延伸への取り組みとして検査事業の立ち上げを目指すとしている。
株探ニュース