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【市況】買い先行後は次第に利益確定売り強まる【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

2日の日経平均は反落。255.33円安の29408.17円(出来高概算12億9267万株)で取引を終えた。米国株の上昇や米長期金利の上昇一服を映して投資マインドの改善が波及し、買い先行で始まった。ただ、心理的な節目である3万円に接近すると買いの勢いは鈍り目先の利益を確保する売りが次第に増加し前場半ばには下げに転じている。後場に入るとハイテク関連や指数寄与度の大きい銘柄などに利益確定売りが強まり、一時29314.82円まで下げ幅を広げる局面もみられた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1300を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、水産農林、その他金融、機械、精密機器など8業種が値上がりした。一方、海運、空運、鉱業がいずれも2%超下落するなど25業種が値下がりした。指数インパクトの大きいところでは、テルモ<4543>、ネクソン<3659>、ファナック<6954>、TDK<6762>が堅調。半面、ファーストリテ<9983>、NTTデータ<9613>、中外薬<4519>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>が下落した。

前日の米国株の上伸などを背景にリスク選好ムードが広がり、朝方は幅広い銘柄に買いが先行したが、寄り付き後早い段階で心理的な節目である3万円に接近すると、買いの勢いは鈍った。また、世界保健機関(WHO)の緊急対応責任者が、年末までに新型コロナウイルス感染症が収束するとの考えは時期尚早かつ非現実的との見方を示したと一部で伝わったことも先行き不安を高めた。さらに、時間外取引で米国株価指数先物が下落していることも手控え要因につながったようである。

日経平均は、足元で値動きの荒い展開が続いている。相場にボラティリティが出て歓迎するのは、商品投資顧問業者(CTA)といった短期筋で、大半の投資家は様子見姿勢を強めることにつながっているようだ。また、市場関係者が注目する米長期金利は依然低い水準ではあるものの、1.4%台と直近高値圏での推移が続いている。緩やかな金利上昇が続けば、相場への影響は軽微にとどまるとの見方が多いが、5日に米雇用統計の発表が控えているだけに、雇用統計の結果とそれを受けた米国金融市場の動きをみるまでは積極的な売買を手がける向きは少ないとみられる。

《FA》

 提供:フィスコ

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