【市況】【↑】日経平均 大引け| 急反発、米長期金利の上昇一服で不安心理が後退 (3月1日)
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
日経平均株価
始値 29419.45
高値 29686.39(09:35)
安値 29396.04(09:03)
大引け 29663.50(前日比 +697.49 、 +2.41% )
売買高 12億5001万株 (東証1部概算)
売買代金 2兆4773億円 (東証1部概算)
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■本日のポイント
1.日経平均は前週末の急落から立ち直り、700円近い急反発
2.米長期金利の上昇が一服し、投資家の過度な不安心理が後退
3.半導体関連が買われ、一部の値がさ株が日経平均押し上げる
4.2万9000円台後半では戻り売り圧力も意識される展開に
5.値上がり銘柄数が1900超え、全体の約9割の銘柄が上昇
■東京市場概況
前週末の米国市場では、NYダウは前日比469ドル安と続落した。アジアや欧州市場が軒並み下落したことを受けて、投資家のリスク回避やポジション調整の売りが優勢となった。
週明けの東京市場では、米長期金利の上昇が一服したことを受け日経平均株価が急反発、主力株中心に広範囲に買われ700円近い上昇で着地した。
1日の東京市場は、前週末の米国株市場でNYダウが大幅続落となったものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数が下げ止まる動きをみせたことで、不安心理がやや後退し買い優勢の展開に。日米波乱相場の引き金となった米10年債利回りは1.6%台に上昇した後、1.4%台まで水準を下げており、急速に進んだリスクオフの流れが修正された。ワクチン普及による経済活動正常化への期待と企業業績の回復を拠りどころに押し目買いの動きが活発化した。ただ、2万9000円台後半では戻り売り圧力が強く、急反発とはいっても前週末の下げを取り戻すまでには500円あまり届かなかった。半導体関連株が買われたほか、日経平均寄与度の高い一部の値がさ株が大きく上昇し全体指数の上げを後押しした。東証1部全体の9割近い銘柄が上昇している。
個別では、ソフトバンクグループ<9984>が売買代金トップで前週末の下げを上回る上昇をみせ、ファーストリテイリング<9983>も大幅高。ソニー<6758>、任天堂<7974>も堅調。トヨタ自動車<7203>が強い動きで、東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連も高い。村田製作所<6981>、日本電産<6594>が買いを集め、エムスリー<2413>もしっかり。マツモトキヨシホールディングス<3088>が物色人気化、中外炉工業<1964>も値を飛ばした。
半面、エイチ・アイ・エス<9603>が大きく値を下げ、シャープ<6753>も安い。ファーマフーズ<2929>も水準を切り下げた。澤藤電機<6901>、学研ホールディングス<9470>が急落、ラクーンホールディングス<3031>、エアトリ<6191>、ジャムコ<7408>などの下げも目立つ。JUKI<6440>も売られた。
日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄はSBG <9984> 、ファストリ <9983> 、東エレク <8035> 、アドテスト <6857> 、ダイキン <6367> 。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約303円。
日経平均へのマイナス寄与度上位5銘柄はシャープ <6753> 、イオン <8267> 、楽天 <4755> 、協和キリン <4151> 、KDDI <9433> 。5銘柄の指数押し下げ効果は合計で約5円。
東証33業種のすべての業種が上昇。上昇率の大きかった上位5業種は(1)パルプ・紙、(2)情報・通信業、(3)建設業、(4)小売業、(5)電気機器。一方、上昇率の小さかった5業種は(1)陸運業、(2)海運業、(3)鉄鋼、(4)空運業、(5)鉱業。
■個別材料株
△長谷工 <1808>
740万株を上限とする自社株買いを実施へ。
△神栄 <3004>
新型コロナワクチン物流用温度ロガーを追加受注。
△マツキヨHD <3088>
ココカラF <3098> と経営統合契約締結。
△スシローGH <3563>
「京樽」を子会社化へ。
△淀川鋼 <5451>
100万株の自社株消却と株主優待制度の拡充を発表。
△虹技 <5603>
21年3月期営業利益予想を上方修正し期末配当予想を無配から20円へ。
△NFKHD <6494> [JQ]
投資有価証券売却益を計上へ。
△藍沢 <8708>
150万株を上限とする自社株買いを実施へ。
△Genky <9267>
2月既存店売上高は8.9%増。
△小僧寿し <9973> [JQ]
未定としていた21年12月期営業利益は2.5倍見通し。
▼アイリッジ <3917> [東証M]
売出など発表で需給悪化を警戒。
▼学研HD <9470>
143万5000株の公募増資など発表で希薄化を警戒。
東証1部の値上がり率上位10傑は(1)マツキヨHD <3088> 、(2)中外炉 <1964> 、(3)アイピーエス <4390> 、(4)ユニデンHD <6815> 、(5)日産東HD <8291> 、(6)オンワード <8016> 、(7)セイコーHD <8050> 、(8)ココカラF <3098> 、(9)中発条 <5992> 、(10)メック <4971> 。
値下がり率上位10傑は(1)ランド <8918> 、(2)沢藤電 <6901> 、(3)学研HD <9470> 、(4)バリューHR <6078> 、(5)エアトリ <6191> 、(6)ジャムコ <7408> 、(7)ラクーンHD <3031> 、(8)HIS <9603> 、(9)スノーピーク <7816> 、(10)手間いらず <2477> 。
【大引け】
日経平均は前日比697.49円(2.41%)高の2万9663.50円。TOPIXは前日比37.99(2.04%)高の1902.48。出来高は概算で12億5001万株。東証1部の値上がり銘柄数は1931、値下がり銘柄数は229となった。日経ジャスダック平均は3815.90円(17.90円高)。
[2021年3月1日]
株探ニュース