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【市況】米国株式市場見通し:経済活動の再開本格化への期待


良好な企業決算への期待や経済活動の再開ペース加速を期待して景気循環株がけん引し堅調な展開となりそうだ。最近のボラティリティーの高まりについて協議するためイエレン財務長官が金融規制当局の会合を招集したため、金融システム混乱リスクに繋がるのではと警戒されていた投機熱がいったん鎮静化。投資家の不安も緩和し再び上昇し易い環境となった。1月末に40近くまで上昇した恐怖指数のVIX指数も21まで低下。20割れになるとさらに買いが広がりそうだ。

国内外でのワクチン配給ペースが加速し接種済みの人数がコロナ感染者総数を上回っている。大量生産が可能で、接種が1回で済み、扱いも容易なため期待が大きいワクチンを巡りジョンソン・エンド・ジョンソンは当局に緊急使用の承認を申請中。速やかに承認されれば、今月中にも供給が可能になり回復期待をさらに後押しするだろう。

ハイテク株の投資意欲も依然強いと考えられ、上昇を支援しそうだ。加えて、議会が2021会計年度予算の大枠となる予算決議案を可決済みで、バイデン大統領が提示した1.9兆ドル規模の経済対策法案を共和党の支持なく成立させることが可能になった。成立にこぎつければ短期的な回復にさらに勢いをつけるだろう。

経済指標では、12月JOLT求人(9日)、1月消費者物価指数(CPI)、12月卸売売上高(10日)、新規失業保険申請件数(11日)、2月ミシガン大消費者信頼感指数(12日)などが予定されている。そのほか、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は10日にウェブでの講演を予定しており、経済、労働市場の見通しに加えて、出口戦略に関する言及にも注目したい。もし、議長が慎重な姿勢や当面大規模な金融緩和を維持する姿勢を再表明すると相場をさらに支援するだろう。

企業決算では、短文投稿サイトのツィッター、コンピューターネットワーク機器開発会社シスコシステムズ(9日)、配車サービスのリフト(9日)やウーバーテクノロジー(10日)、自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(10日)、エネルギー会社のデューク・エナジー(11日)、食品加工会社のクラフト・ハインツ、肉食品メーカーのタイソン・フーズ、飲料メーカーのコカ・コーラ(10日)やペプシコ(11日)、エンタテーメントのディズニー(11日)、オンライン旅行会社のエクスペディア(11日)などが予定されている。ゼネラル・モーターズはパンデミック下で需要が急増、電気自動車市場参入なども奏功し好決算に期待が広がっている。リフト、ウーバーテクノロジー、エクスペディアの決算では経済活動の再開で業績の段階的な回復が示されるかどうかに注目したい。在宅が続く中、ディズニーも動画配信ディズニープラスの契約数の増加に加え、パークの再開も業績改善につながった可能性があり期待したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

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