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【市況】【植木靖男の相場展望】 ─ 個人投資家主導の上昇相場へ

株式評論家 植木靖男

「個人投資家主導の上昇相場へ」

●個人に牽引されて海外投資家も市場参入へ

 日経平均株価は買い基調に変化はないが、ときに乱高下をみせるようになってきた。一筋縄ではいかないとの見方が市場を支配しているようだ。

 さて、新型コロナウイルス軍と人類軍との大戦争はなおも続くが、メディアで日々報じられている新規コロナ感染者数のグラフをみていると、なぜか相場の罫線(チャート)をみているような錯覚に陥る。第1波、第2波、そして第3波を形成して徐々に収束しつつある。あたかも株価が3段上げを形成して徐々に上昇相場の終焉に向かっているかのようだ。

 ところで、実質2月相場入り後、米国市場で突如、ゲームストップ株を巡る仕手戦もどきの展開が話題になっている。わが国ではこれまで大きな仕手戦が多々繰り広げられてきた。例えば、中山製鋼所 <5408> を巡って笹川一族をバックにした糸山英太郎氏の買い方と、売り将軍とも言うべき近藤紡の近藤信男氏の売り方との壮絶な仕手戦は世の投資家が手に汗する歴史的な勝負であった。

 結局、この勝負は解け合いとなったが、今回の米国の一件は、売り方はヘッジファンドと特定されているが、買い方の個人投資家の集団は表面上、指揮官が見当たらない。交渉の相手がいないのだ。

 これでは解け合いは難しい。こじれて政治が介入するほどになってきた。まさに仕手戦もどきというしかない。

 ところで、日経平均はいよいよ面白くなってきた。ほどなく2万9000円の大台に乗ることになろう。ここで注目すべきは、1月第3週から個人投資家が需給面で主導権を握り始めたことだ。このことは株価の変動、物色動向に大きな影響をもたらす。たとえば、個人が主役になると、とかく株価は乱高下をみせるようになる。次に、物色動向が変わってくる。これまで超値がさ株が市場を牽引してきたが、個人投資家の台頭により1月下旬から値がさ株から中低位株に移りつつある。個人では、そうそう何万円もする銘柄は買いにくい。実際、ここへきてNT倍率は1月25日を境に低下をみせている。と同時に、超値がさ株が高値をつけたのもこの時期である。

 2月5日の前場の段階で、 TOPIXが昨年来高値をつけた。日経平均はまだ1月25日の高値を抜いていない。TOPIXの強調展開は日経平均を下支えするだけに、ほどなく日経平均も押し上げられる。それに日本株が上昇を続ければ、やがて個人に牽引されて海外筋も市場に参入してこよう。

 そのときは再び超値がさ株も、仮に二番天井を迎えることになるとしても息を吹き返すとみられる。

●カラ売り動向に注目

 さて、物色動向はどうみるか。個人主導の展開となれば、米国のゲームストップ株ほどではないにしても、売り残の多い銘柄が狙われる公算は大きい。カラ売り動向には注目しておきたい。

 ところで、株価水準が大きく切り上がってきた段階では、個別よりもパフォーマンスが良いのがETF(上場投資信託)だ。過去の経験則である。

 では、当面注目すべき個別銘柄はどうか。まずは日産自動車 <7201> だ。以前にも触れたが、かつて「プリンス スカイライン2000GT」に憧れた世代からみれば、この株価水準は納得がいかないだろう。次にNTTデータ <9613> だ。国内受注が好調という。NTT <9432> の株価が出直ってきたことも追い風だ。

 このほかにニコン <7731> だ。今21年3月期の最終損益は420億円の赤字に転落する見通しだ。この業績予想をみて投資家の多くがカラ売りしたいと考えているようであれば、逆に買いかもしれない。売り残の今後に注目したい。

2021年2月5日 記

株探ニュース

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